世界文学とは何か? 書評抜粋: 日本は単一言語使用者の比率が高く、原書を読まずに翻訳テクストだけで著作物を評することが広く行われている。例えば、外国語の原文を見ずに文体を論ずるとすれば、人体に触れずに医者をやるような、些か無茶なことになりはしないか。そんな疑問も生じるだろうが、
-
-
-
世界文学論の中では、作品は翻訳だけで完全に理解できるとする意見もある。私の知るかぎりミラン・クンデラはそう発言したことがあるし、『世界文学—』にもそのような見解が引かれている。この考えはつきつめれば、「原典(オリジナル)の消失」という地点にいきつく。
-
現代文学にとって「作者の死」の後に待ち受けているものはこれだったか。ちなみにダムロッシュは外国語習得を奨励すると同時に、翻訳による読書も大いに勧め/「翻訳を生産的な批評活動に役立てることもできる」と。沼野充義はこの姿勢を「精読(close reading)と遠読(distant reading)との和解」と呼ぶ
- 1 more reply
New conversation -
Loading seems to be taking a while.
Twitter may be over capacity or experiencing a momentary hiccup. Try again or visit Twitter Status for more information.