地平線の彼方で

Biochemist & Structural Biologist
治療中
興味のあること: Proteinase, protein engineering
ちなみに地表からみえる地平線は所詮4000mほど先で,滑走路並みに近かったりする...(C) 2007-2019

アクセプト!!

学生の論文がアクセプトになった。

いやー嬉しいよ。。。JMBだけど自分の論文がアクセプトになるよりも。
彼がPhDをもらう為には論文が必要だからな。


もう一人のMD/PhDの学生だった彼女(今はMD/PhD)の論文のコメントも返ってきた。非常にポジティブ。The work is extremely important(どこかで聞いた事のあるセンテンス。)


ただ1つ結合実験をするようにとの事で。これは彼女の仕事。すぐに出来るだろう。
あと、細かいクリスタログラフィーのところは僕の領域。2人のレフリー共に古い人なのだろう。。。
最近のストラクチャーのレヴューコメントは、どうもおじい様のような方がされているような。。。


とりあえず、コメントは出来ているけど、帰ってからdiscussion。

彼女の方はまだだけど、本当に良かった。
あと僕の総説の方もまだだけど。。。
帰ったら二本立て。。。


どんな雑誌であっても、世界に発表・公表して、ひとつひとつ論理を積み上げて、成し遂げていくことは大切だと思う。


うっすら、風水の効果だな。とも思ってみたりする。

re-submitted

学生の論文はre-submitted.

僕のレビューの論文は今週末をメドにre-submittedの予定。さすがにちょっと時間的に今週は無理。


MD/PhDの方の論文x2はどうなっているんだろうか。良くわからん。
構造の論文の方は個人的にはあれで通るとは思えない。。。が、big nameの効果があるかも?ってこともあるわけだし。業界では誰もが知っているbig nameだからな。ただ彼女は対応できないので僕が。。。
もう一つの論文の方はちょっと手伝っただけなので、良くわからない。


戻ってきたら、mutantの論文の投稿の準備。前にも書いたかもしれないけど、結晶とin vitroのデータはすでにあるので、in vivo待ちだけど、正直彼女らのサイエンスはどうも心もとないので時間切れという事になり、そのまま投稿の予定の公算大。ストレートフォアードのものなの。


結晶があってin vitroのデータがあってin vivoのデータ待ちが後一つ。プレリミの結果が出ているの。以前日本のとあるグラントに一押しで書いたものだけど、20%ileにも入らなかったもの(4本立ての1つ)。結構面白いと思うんだけどなぁ。。。XXX化DNA結合たんぱく質を作ったってものなんだけど。。。おそらく何を言っているか意味が分からなかったのだろう。作ったのだからしょうがない。。。人工的に作れたというのは意味が大きい。


結晶はあって共同研究をしつつin vitroを進行中させているものが1つ。結果はあるので、あとは外堀を埋める。これはマイナーだけどコアな人々にインパクトがある論文になる。いい雑誌には無理だけど、引用はされるだろうと言うもの。


この3つはマイナーな雑誌に行く公算が高いけど、手元の仕事を確実に押さえながらやっているものなので。僕は別に気にしない。natureに投稿するには到底無理だってことは明らか。
ただ、熟成しても仕方がないので、巻きで投稿してしまいたい。


後は新規の仕事が2件。既存の仕事が3件。
これらはどうなるかは未定。。。
うち1つは上手くいけばNに投稿できるだろう。見通しはあるけど、リアルか幻か区別するには先がまだ遠すぎてわからん。

referee #4

のコメントがアクセプトになってから来ていた。。。

もう改訂して(PDBのアクセスコードとかを付け加えて)再投稿したのに。

This paper addresses a fundamental mechanism for the recognition of epigenetic
mark of xxx. The work is of high quality and well presented, and is deserved for publication by
xxx. I only have two quick comments, which I think would help to improve the manuscript.


ということで、非常にいいコメント。
指摘されたところを付け加えて。ということだ。

最近誰も彼もちょっとそこらで褒めてくれないので、もっと褒めて♡って感じ。
日常化してしまっている傾向があるので、、、
(なにもわからん学生にいわれてもなぁ。。。やっぱり尊敬できる人とか、目標にしている人とかでないとな。


natureのコメントにはいつもうんざりするのだけど(ってか3回しかレビューコメントが返ってきた事がないけど、、、言っている事は正しいと納得できるからこそだけど)、他の論文でも長いコメントばかりで、リバイズが一番大変というものだったけど。。。


見やすいようにKdをサマライズしたテーブルを一つつけるのと、構造のスタティスティックの更なる詳細の数字を。6時間あれば十分出来るので。
(結局1時間ちょいだった)

彼はクリスタログラファーだろう。実際bond angleが若干大きい感じがするけど、それはハイレゾリューションのデータであるからで、リストレインを外しているからで特に問題がない。とコメントをつけて。
リストレインをかけるとオーバーフィッティングになる原子があるという説明を加えて。



ダメだと言うコメントだったらどうなっていたんだろうか。。。
これはリアルバイオケミストとクリスタログラファーのコメントだし、僕もバイオケミストであるわけで。出来るところは完璧にしたい。いつも完璧なデータが出るとは限らないからこそ、出せる時は完璧にしておきたい。


あのNARの論文のように僕がちょっとでもおかしいと気がついていたらmajor revisionで時間切れが予測されるのでrejectだったろう。あの論文ならば全部のデータを取り直しが必至だし(ちなみにMTGでも僕は指摘していた)、argueで返せばrejectだわな。なぜ変なデータが出ていたのか、リバイズ後のデータがなぜ突如奇麗なものになっているかも含めて。こういうものは中途半端なものではなく予備実験で条件検討をやっておかないとな。


掘り返しになるのだけど、binding curveはKdが違えば僕らの仕事では平行移動するので、それぞれのカーブの形が異なる事はないし、決して交叉する事はない。だいたいの傾向は正しくてもそれでは数字を出す意味がないしな。

数字は説得力のあるものだからこそ、おかしな数字が出ると数字が一人歩きしてしまうので、慎重に扱わないとな。

200回成功しましたというのと、再現性がありますというのとでは説得力が違う。論文を1週間で200本読みましたというのと、かなりの数を徹夜で読みましたというのとでも。

ただ、いちいち数えるか?ほんと適当な事をいう人だ。。。それにしても、あの人は200というのが好きな人だ。。。

人間は数字に騙されやすいからな。やっぱり3倍と200倍とでは違うわな。。。200倍の方が勝つわ。。。

騙すとか関係なく、数字を使ったプレゼンテーションは説得力が違うわな。
ただ単にウエスタンをして「増えました」というか、1.2倍増えましたとか、2.3倍増えましたと定量的にデスクライブするのとでは価値が変わってくるからな。

同じ2倍でも、1%から2%に増えたのと、40%から80%になったというのでは生物学的な意味が全く違うからな。定量性というのはますます重要になってくるだろう。定量性が求められてくるというのは当然の流れ。

僕はバイオケミストなので、その数字を出す事でないと論文を書けないので出すのだけど、その数字が正確に測定されているかとなると難しいよな。リニアリティーがある範囲で計測していますというスタンダードがない限り。ウエスタンを定量するにもactinの量でノーマライズしてもダメだわな。1,1/2, 1/3, 1/4の量を流してリニアリティーを確保した上で定量しないと。こういうことが出来る人って真摯に向き合っている人だなって評価できるし、かといってやってなければ、ただ単に知らないだけだろうって。。。






ちなみに付け加えないといけないところはワードでのテーブルなので、rowを増やすのに一苦労だからな。。。

マイクロソフトの開発チームのセンスを疑う。。。
エクセルは問題外。エクセルでχ2剰検定なんて彼らの思考回路は理解できないし、もう訂正されているかどうか知らないけど、student t-testの検定も、ヘルプも片側と両側を理解していないだろう。
3点以上あるものではANOVAを使わずにそれぞれt-testをしてこれとこれが優位さがあるとかいうのもサイエンティストの側に問題がある訳だ。ANOVAをエクセルで出来るのかどうか知らないけど、信用ならない。。。誤差の扱いにも問題があったので、、、

ちょっと高いけど、統計のソフト/パッケージを使う方がいい。お金がないならRでもいいかもって感じだけど、僕の使う範囲ではお金を払ってでも時間を買う価値はあるわな。

エクセルで統計をしたり図を書くのは問題外だわ。
図はセンスがないよな。。。(ってか、エクセルがという事ではなくエクセルを使って図を作るサイエンティストがってことだよな)
あれはビジネス向けで、サイエンス対応ではないからな。。。



--


これは別の話だけど、


「研究不正再発防止」というのは日常生活でいうところの「殺人事件防止」と同じもの。
起こってしまったら被害者は生き返らないし、それをどう対応するのか?ここだろう。
0にできるのか?どんなけ頑張っても0にはならないのと同じ。


「2度と不正とそれに起因する悲劇を起こさない組織に作り替えること」


って、どういうこと?
犯罪を全く0にすることとか、戦争をなくすことと同じ。現実として不可能な課題。
警察内でも犯罪が起こるのに、、、

それとも研究者の世界は特別で純潔だとでも???

人間がからむと、いろいろダークな面が。
しかも、お金とか、人間の欲が絡むわけだからな。。。
汚い世界の面もあることを忘れたら終わりだわな。


2度と不正が起きない事よりも、不正が起きた時に組織が正しく行動する規範を作る事は出来るわな。


調査が始まってもいないのに、「問題がない」とか組織が発言するのは問題だし(結局、大問題があった訳だから赤っ恥だわな)

あの早稲田のウルトラCも。まぁ彼女がPhDを持っていようが剥奪されようが結果は同じ訳だけど、若い人には示しがつかないだろう。入学試験でカンニングをして受験が無効にされても、一旦合格してしまえば、裏口入学でもなんとでも、後で判明しても合格が取り消されないってのと同じだわな。。。

あーいう教育をするところだという認識になっても文句はいえないわ。
僕ならリスクをとりたくないしな。。。業績が同じであればXXを優先しますみたいなもの?
ってか、業績なんか同じにならないし、同じであるという評価方法を知りたい。
94点と95点でどうすとか???数字に出来ないものを無理矢理数字にするのはちょっとな。。。


学科が採用したい人をとればいいと思うし、それが年齢がとか、性別が、とか。。。
その前に、履歴書に年齢と性別の記載をなくす事から始められないのか?って
年齢という数字と、男性、女性、その他という2ビットに数字化する事でバイアスがかかる。
決して研究とか教育能力とかに関係しないところだから余計にな。
インパクトファクターをたすとか、、、サイテイションインデックスをたすとかどこにリニアリティーの保証があるんだ?ってことよ。理解できないからそういう数字を使った魔術を使う訳だわな。



ま、一旦授与された学位は剥奪されないという前例をもたらした訳だし、問題があったとしても指導教官の責任はほぼない。と示された訳だから、早稲田で、問題事項に関係する人々は安堵したかもしれん。
ただ日本でのサイエンスにとっていい前例とはいえないわな。
指導教官の責任は重大だろう。。。



何か問題があった時に、組織がどう対応するか前もって準備する事は可能だろう。
やっぱりそこが問われているところじゃないのか?

何にしても再発防止というのは日本のマスコミの中で好きな言葉なのかもしれないけど、取り返しのつかない起こってしまった事にどう対応するのか?



それにしても日本を代表する研究組織のお粗末さには。。。
ガバナンスがなっていないと言われても反論できないだろう。。。
真面目に正面から研究活動に取り組んでおられる研究者の方が。。。

アクセプティッド

5月頃に投稿し始めたものがようやくアクセプテッドに。
投稿許可をもらいながらもまさかのeditor's rejectになり、予想通りNSMBもeditor's reject (NSMBは全く駄目)、さらにトランスファーしたnature communicationsもeditor's rejectとなって(これは意外だった)。
まったくreviewに回らず。。。でG&Dで一発アクセプトに。

This paper provides elegant in vitro evidence とかdescribe a high-quality biochemical and structural analysis だそうだ。


実際次の論文が待っていたりするので、あまり。。。って感じとか書くと。。。
一つ片付いたのはよかった。
が、今、頭痛中。。。


ーー


実は3人のうち2人のrefereesがlack of in vivo dataと書いていたけど、editorの判断でアクセプティッドに。lack of in vivo data は最初からわかっていたこと。natureに投稿する時もここは問題になることは明らかだった。ここは今後埋めていかなければならないところと思うと同時に、in vitroだけで論文を出せるというのもすごいところ。それだけのbiochemistryのパワーを見せられる力がないと、無理だろう。
毎回上手くいくとは限らないけど。。。

やはりin vivo によってどうやってin vitroの観察の正しさを証明できるかが大切なのは目に見えている。が、簡単ではない。。。ChIP-seqやって、とかなるとなかなか1つのラボでは補いきれない。



ちなみに仕事を始めたのはほぼ1年前。
これだけでは論文にならないということで、いろいろ加えに加えていって、7つの結晶のデータ、全セットを網羅し、そして変異を入れたことによって新たな特異性を持つことを発見し、これも結晶化させたり。この変異は今後の研究でも大事な変異になる。



この仕事は僕でないとできなかったわな。それぞれの結晶化の条件が違っていた訳。
最難関は去年の12月にやっていたもので、キーのデータで、最終的にデータが取れたのは2月末だったか3月頃。観察力、直感力の違いかもな。忍耐力であったり。




まぁなんというか、とりあえず論文として世の中に出せるということで良かった。
完全なコンペティションじゃないけど、同じ現象を狙っていたグループも論文として投稿しているらしいので、若干一足早くアクセプトになったのは良かった。あとのグループ達の結果によってこの先どう一般化できるのかが楽しみになる。



ーー


先にも書いたけど、まぁな。。。年中行事なので、特に何もなく。。。
特段苦労したところもなく、、、大変だった部分も通常の範囲であったし。。。
直前の僕の論文がNだったこともあり、いろんな意味で感動が薄れていく。。。


ちなみにコンスタントに論文を出すのが仕事だし、1年あれば何とかなる仕事しか手を付けていないので。

ま、でも一つ仕事を終えられてよかった。
駄目だったらもう一つ下のランクの雑誌に出せばいいということで別にって感じだったし(雑誌名は別に気にしていないし)、いつものごとく、CVにあと1行あったから、仕事が見つかりやすくなるとも思えないし。。。悲壮感漂いまくりなんだけど。他にも理由はいろいろある。。。

夢とか、ないよな。。。それに別に論文を雑誌に載せることは夢でも何でもなくって、仕事だしな。。。




まぁな。就職活動の為に仕事をしているんじゃないので。
ただ、この論文のサイエンス自体は面白いと思うし、特にmutantの仕事は通常の頭脳の持ち主ならそんなことをしないだろうという事でも、何故かやっちゃってしまったという、ある意味抜けているところ?(紙一重なところ?)があるので、それは僕のタレントなのだけど、その結果新たな可能性を開く仕事になっているので、いい仕事になったと思う。

サブミット

ようやくサブミットできた。。。

7月末が締め切りだったので少し遅れながら。。。

つぎはアプリケーションのパッケージを書きつつ、次の論文を。8月中に投稿する予定。
あまりかける事が何もないので、仕方がない。
ほとんどデスクワーク。

次の論文は、もともとはとある修飾DNAに結合するとかいいつつという論文をもとにやっていたもの(前にいたPDが)の処理。。。あの論文は全く再現性が取れないのだけど。。。これ以外の分子でも
アイデアは良くてもノンスペばかりじゃない?って気になる。

さらに次から次へと書かないといけないものがいっぱいある。。。
このさらに次は師匠との共同研究があり、さらに投稿中の論文の続きがありx2で。。。

先が見えない。

トンネルを抜けるとそこは断崖絶壁だった。。。とか
あり得そうなのが怖い。

サブミット

これで投稿中の原稿が3つに。。。
僕の仕事は1つであとの2つは手伝っていたもの。


今週来週に総説を書きあげて(英語を日本語に訳したものをもう一度英語に訳する?ってもの。。。)、そのあと学生の論文を出して、僕の暇つぶしの仕事を一つまとめてというところまでが一区切り。9月頃までかかるわな。

そのあと投稿中の論文の続きのmutantの結晶とバイオロジー、別のmutantから得たものをiXX細胞でやってもらっているものとあわせてというのが2つ待っている。。。あともう一つこの前からとり始めていたデータの続きの論文を。。。ここまでで年末までの予定が既にびっしり埋まってしまっている。。。

リバイズも考えればこれぐらいが限界。


いろいろ新しい事を知る事が出来るのは楽しいけどな。
やっぱり仕事を探さないとな。



こんなに仕事をしていても仕事が見つからないとか。。。
方向が間違っているのかって感じだわ。

やっぱり日本の小さめの学会に参加してよろしく挨拶しておかないと駄目なんだろうな。。。って感じ。


でも世界にはわからない理解できない事がいっぱいあるからな。
驚けないわ♡

リグレットメール

が、アレックスから来た。。。

この前投稿した時と変わっているらしく、おそらく彼女の判断でレビューに送る事が出来なくなっているのか?って感じで、複数のエディターで判断しているとのことだと。

ちっ!小保方め。


彼女らの判断は別にサイエンスには関係ないので、別のところに投稿すればいいだけの話。
別に感情はない。

が、聞いた話では途中でdecisionが変わる事があるらしい。。。
reviewにまわしたあとに、やっぱり駄目とか。。。
おそらく他のエディターの横槍が入っているの?って感じ?

とりあえずNSMBのエディターにコンタクトを。
コンタクトしてシニアエディターが扱ってくれる方がいいよな。
単にリンクをクリックするだけでは駄目っぽいわな。

でもNSMBのeditorialが数年前に変わってから構造の論文は激減していたりする。。。のであまりいい返事は期待できない。。。
雑誌の編集部のポリシーなので、どうこういっても無駄。
載せてくれる雑誌を探す方がいい。他にもいっぱいいい雑誌があるからな。




とりあえずNSMBで1週間あればエディターの判断がわかるから、そのあと別に考えればいいか。




もっとも、論文はPubMedにGoogle Scholarにindexされる限り、検索で引っかかってくれば読まれる訳で特に雑誌がどうこうというのはない。昔のようにon-line誌が充実していなかったりしていたときはまだしも。大学が購読している論文誌ならな。

なので、こだわる必要もないと思うんだけど、世間はそうではないようなので。。。

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