社会

1万人規模のアリーナ建設地に廃棄物 沖縄市、撤去費12億円 2023年バスケットワールドカップ予選開催

一般廃棄物が混じった土砂の山=20日、沖縄市諸見里

 【沖縄】沖縄市が計画を進める1万人規模の多目的アリーナ建設地で、大量の廃棄物が混じった土砂が見つかっていたことが20日までに分かった。担当部署の職員は、廃棄物が混じった土砂の調査を進めているとした上で「中間報告では土砂から環境基準を超えるものはなかった」と説明している。20日、市議会議員を集めた説明会を開き、撤去費用12億6266万円を加えた補正予算を2月定例会に提案するとした。

 廃棄物が混じった土砂は昨年10~11月、建設予定地の東から北側にかけて工事を進める際に、地表1~7メートルの層で見つかった。材木や燃えかすなどが混じった土砂は計1万3500立方メートルにも及ぶ。市はこれまで県とともに処理方法について検討してきたという。市は建設地が1970年以前にごみ処理場所として使用されていたという資料が残っていることから「市内で出たごみだろうと理解している」とした。


 一方、市議の一部からは、アリーナ建設予定地近隣の市サッカー場跡地(現・駐車場)から米軍が廃棄したドラム缶が大量に発見されたことなどを踏まえ「最終報告があるまで、完全に安全なものだとは言えない」など安全性への懸念の声が出た。

 土砂は現在、建設予定地に仮り置きされている。大量の土砂のため、県内で処理できる施設が見つからず、宮崎県で処理される予定だ。アリーナ事業は防衛省の「再編推進事業補助金」を活用しており、市は撤去費用を含めた事業変更計画を15日に提出し、19日付で承認された。