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 特別なツールを使わないとアクセスできないWebサイトやWebサービスの総称。銃や危険ドラッグ、マルウエア、不正に取得されたクレジットカード情報など違法な品や情報の取引に使われることが多く、インターネットのヤミ市とも称される。

 Google ChromeやMicrosoft Edgeといった一般的なブラウザーで検索や閲覧ができるサイトは「サーフェス(表層)ウェブ」と呼ばれる。一方、企業の社内サイトやSNSの個人アカウントなど、一般公開されていないサイトは「ディープ(深層)ウェブ」と称される。ダークウェブはディープウェブの一部ではあるものの、利用者の発信元を特定できなくする特別なブラウザーやソフトウエアが必要となる点でディープウェブと区分される。

ダークウェブとディープウェブの関係
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 ダークウェブにアクセスするための代表的なシステムが「Tor(The Onion Router:トーア)」だ。利用者とコンテンツを直接つながず、世界中に配置したパソコンなどをランダムに経由して、コンテンツに誰がどこからアクセスしているのかを分からなくする。専用のTorブラウザーを利用することでダークウェブにアクセスできるようになる。

 Torは1995年に米国の海軍研究所が諜報活動や捜査などで秘匿性を確保するために研究開発を始めたのが源流だ。後に非営利団体のプロジェクトとして引き継がれた。世界中で国や当局の監視を逃れて情報交換する際などに重宝されてきた。

 ダークウェブ自体は違法ではない。例えばFacebookは、ユーザー保護のためにダークウェブでもサイトを設けてサービスを提供している。だが、ダークウェブはアクセス経路を基に発信元を特定するのが難しいなどの匿名性の高さから、犯罪の温床になっている。個人情報やマルウエアなどを売買するだけではなく、ハッカー集団がコミュニティーを作ったり、組織的なサイバー犯罪を仕掛けるために「求人募集」を出したりしている。

 2017年5月、世界150カ国で30万台規模のパソコンが「WannaCry(ワナクライ)」と呼ばれるマルウエアに感染した。ワナクライの元となったソフトウエアを米国の国家安全保障局から盗み、売りさばいたのはダークウェブ上で活動するハッカー集団だった。

 日本では2018年1月、仮想通貨交換会社のコインチェックから約580億円分の仮想通貨が何者かによって盗まれた。犯人とみられる人物は、盗んだ通貨の一部をダークウェブで別の仮想通貨に交換していた。