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  • 【唄はなつかし】店内BGMいろいろ

    いつだったか、大手家電量販店の店内BGMを集めた「エレクトリックパーク」なんてCDが発売されてね。
    今調べたら2004年の発売みたい。つーことは、もう13年も前になるのか。というか今はなき「さくらや」の店内BGMもこのCDに入ってるし。(CMでずっと使われていた「♪ 安さ爆発!カメラのさくぅらやぁ〜」ってやつじゃないから、あんまり馴染みのない曲だけど)
    何とまあ、月日が流れるのは早いものよ。

    それにしてもこの店内BGM(あくまで企業オリジナルのやつね)、家電量販店に限らずスーパーなんかで流れてるものも含めてなんだけど、かなり危険です。
    何が危険といっても、アタシが「唄」というものとして定義とした「つい鼻唄で歌ってしまう」という範疇に入りがちなんですよ。
    正直店内BGMなんて、アタシは「唄」だなんて認めたくない。安易な歌詞、安直なメロディ、安っぽいアレンジ。どこをどう切り取っても優れた、と思える箇所はないはずなんです。
    なのに、つい店内BGMの鼻唄が出てしまう。いや、そうはいっても油断してる時に限る。だって人に聴かれてこんなに恥ずかしい鼻唄もないもん。
    あれ?あいつ、なんか歌ってるな、となって、聞き耳を立ててみると

    ♪ ドンドンドン ドンキー ドンキホーテェ〜

    とかだったら、んでアタシが歌ってる側だったら、もう嘘でもなんでもなく死にたくなる。曲そのものも恥ずかしいけど、何より「あ、あいつさっきドンキ行ってきたんだ。んで「移った」んだな」と思われるのが死ぬほど恥ずかしい。
    ダメだダメだ。こんなの鼻唄にしてると思われたら人格を疑われる。もう歌わない、と思ってても、知らない間に歌詞が完璧に頭に入ってたりする。

    ♪ あーしたーがすーきーなー 人だーけがー
     地球ーをまーわーすー ハローソフマッ!ワ〜

    だから違うんだって!別にこんなのフェイバリットソングでもなんでもないんだからネ!!ぷんぷん(*`へ´*)

    ・・・話を微妙に変えます。
    みなさん、呼び込み君ってご存知ですか?
    そういう機械があるんです。20cmくらいのね、顔がついてて、胴体の部分がスピーカーになってる。んで、音楽が内蔵されてるみたいなんだけど、この音楽ってのが非常に特徴的というか、安っぽいというか。
    文字では果てしなく説明しづらいんだけど、「ポポーポ ポポポ ポポーポ ポポポ ポポポポポー ポポーポポー」みたいな感じで。
    これ、結構スーパーで流れているんですよ。鮮魚コーナーとかで。とにかく妙に耳に残る音で、これまた油断してたら鼻唄レベルなんです。
    しかし、どうも、このメロディ、聴いたことがある。いや呼び込み君という形以外で。
    何だっけなぁ、とずっと考えてたんだけど、やっとわかった。

    そう「黄色いリボン」!!

    「黄色いリボン」という楽曲ね、同名の映画の主題歌にもなりましたが、この映画ってのは西部劇で、どうも曲ができたのも開拓時代とかその頃らしい。つまり非常に古い歌です。
    たぶん日本で映画が公開されて、それなりにヒットしたからなんだろうけど、宝塚歌劇出身の久慈あさみ(東宝映画ファンならお馴染みの)が日本語でカバーしてレコードにもなりました。
    この久慈あさみのカバーバージョンが実にいいんです。とにかくアレンジが本当に素晴らしい。盤面に「フォックストロット」とあるように、ヒルビリーというより、どっちかっていうと古いジャズふうのアレンジで(ちなみにフォックストロットとはダンスのステップの種類)、アタシは原盤より好きなんです。

    ♪ あーの子ーの黄色いリボン
     だーれに見しょとの髪飾りィ〜

    名匠・佐伯孝夫による訳詞がまたいい。聴くたびに泣けてくる。アタシはじゃじゃ馬娘じゃないけど。
    アタシにとって全部がいいことづくめの日本語版「黄色いリボン」、そして何もかもが安っぽい「呼び込み君」の曲。このふたつ、もちろん厳密にはメロディは違います。
    でも「呼び込み君」は明らかに「黄色いリボン」を換骨奪胎して作った、といえば良く言い過ぎだな。ま、はっきりいえば「黄色いリボン」をチョコチョコとイジって作りました、みたいな感じなんですよ。
    でもあんだけ安っぽい音でも耳に残るってのは、元となった「黄色いリボン」が如何に素晴らしいかの証明になると思う。
    ずっと昔に書いたけど、ビックカメラの元歌は賛美歌だし、昔大阪にあった千日堂の元歌は「タバコやの娘」という戦前にヒットした曲です。セガミ薬局のは「ダニィボーイ」のメロディまんま。
    ま、何というか、たかだか店内BGM如きに完全オリジナルのメロディなんて作ってられないんでしょう。さすがに完全オリジナルで鼻唄レベルまで持っていくのは並大抵ではない。
    だったら、サクッとパクってね。いや著作権的に大丈夫な場合も多いのでパクリというにはアレですが、否が応でも耳に残るような名曲を元歌にして「こしらえる」方が、良いに決まってるわな。

    そう考えると、店内BGMは鼻唄になるべく作られているとも言えるんじゃないか。たとえ完全オリジナルでも、さっきのソフマップの歌みたいに「しつこくリピートさえすれば」という条件付きなら、人々の脳裏に刻みつけるくらいのパワーはあるものが多い、くらいは言えると思う。
    それでもなぁ、やっぱ、こーゆーのが鼻唄って、どう考えてもカッコ悪いわ。
    でもカッコ悪いけど止められない。となったらもう「油断しない」以外の防衛方法はないんですがね。

    • 3月 1, 2017 (2:54 pm)
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