2008年10月14日
私がクマにキレた理由
なりたい自分がきっと見つかるはず。マンハッタンのお仕事探し。
働く女性はストレスや不満がいっぱい!・・・職場でいまにもキレそうな女性は実は大勢を占めている。
とりあえず仕事に就いたものの、やり甲斐を感じられない。自分ではがんばっているつもりなのに、誰にも認めてもらえない。上司や先輩から理不尽な理由で怒られる。将来について考えると不安に襲われる。そんな迷いや不満を抱え、ストレスフルな現代を一生懸命に生きている女性たちが、心から自分の物語だと思える映画が登場した。
物語:無事に大学を卒業したものの、人生の方向性を決められない21歳のアニー。就職活動も上手く行かず、公園で途方に暮れていた彼女は、1人の少年を事故から救う。
少年の母親ミセスXに名前を聞かれ「アニー」と答えたところ、彼女は「ナニー(子守り兼教育係)」とカン違い。こうしてひょんなことからX家の“ナニー”となったアニーは、5歳の息子グレイヤーに振り回されながら、アッパー・イーストの超高級アパートに暮らすX家の生活を観察し始める。(作品資料より)
<感想>ハリウッド映画には、ナニー(子守)が登場する作品が実に多い。
「ゆりかごを揺らす手」(92)や「ミセス・ダウト」(93)、のようにナニーを主人公とするものまで作られているから、この仕事に対する需要は、アメリカの大都市では相当あるにちがいない。
ナニーの給料の低さが話題となるシーンが出てくるが、その歴史も古いが、相変わらず低賃金の職種ですね。本作でも給料の低さゆえに、黒人やメキシコ系、アジア系の女性たちが就業していることが、当然のごとくに描写されています。
ところが、大学を卒業したばかりのアニー(スカーレット・ヨハンソン)は、白人でありながら幼児相手の気楽な職業であると勘違いして、安易にこの世界に飛び込んでしまう。
その勝手な思い込みと現実のギャップが、ドラマの面白さとなっているわけで、アニーは散々な目に遭いながらも、自分の生まれ育った環境とはまったく異なるマンハッタンのアッパーイーストに住む大金持ちの生活を体験することになる。
アニーがナニーをする一家のママは、専業主婦なのに子育てはすべてナニー任せきりで、チャリティ&パーティ三昧。
どこの世界にそんな生活が?・・・と思ったら、本作は、マンハッタンの30以上の家庭で実際にナニーとして働いた経験を持つ二人によって書かれたベストセラー小説「ティファニーで子育てを」の映画化というから驚き!
小説に登場する一家が誰なのか、モデル探しが行われるなどNY社交界は騒然となったとか。確かにこのセレブ妻たちの生活って、驚き&衝撃的ざます。
この映画の中でナニーを演じているのは、魔性の女でもなく、ファムファタールでもなく、どこにでもいそうな21歳のアニー。
自分を見失い、悩みながらも、人生で最も大切なものを見つけ出そうとする女の子だ。
この役どころでは、年上の男性を誘惑するお得意の媚態を見せることもなく(自慢のお尻は披露しているけれど)、等身大の女性像を伸びやかに演じているスカーレット・ヨハンソン。今回、小悪魔的なイメージを覆されて改めて、今まで以上に彼女の魅力と幅の広さに気づかされた。
彼女の独特な妖艶さゆえに、豊な才能は少々見えにくくなっていたのかもしれない。これまでにない若々しい役どころと、コミカルなずっこけ演技も見事にハマり、高感度も上昇ですよん(笑)
今年24歳。実年齢と色気のギャップが埋まった今、多くの人が彼女に期待を抱き、そして早熟な美少女というイメージの呪縛から、やっと卒業できたのだろうか。
プライベートでは、最近報道された、お似合いの爽やか系イケメン俳優ライアン・レイノルズとの婚約&結婚だった!
さて、本作は、女性を主人公としてフッション感覚にあふれた作品でありながら、全体としてガッシリとしたつくりになっている。そこが、恋あり、ファッションありの一般の恋愛映画とは違う。
ベビーシッターの経験もないアニーにとって、ナニーの仕事はまったくの未知の領域。だが、アッパー・イーストの超高級アパートメントに住みながら5歳の少年の世話をするのは、楽勝で割りのいい仕事に思えたのですね。
「楽に見える道こそ地雷だらけ」という親友リネット(アリシア・キーズ)の忠告もなんのその。
そんなアニーの考えが甘かったことが、直ぐに判明することに。ショッピングにセミナーにと自分磨きに忙しく、息子の面倒をまったく見ないミセスXに代わり、グレイヤーの世話をするアニーの毎日は、学校の送り迎えから夕食作りまで、スケジュールがぎっしり。プライベートな時間は皆無に等しく、コワモテの家政婦には、「あなたの前任者は、デート1回でクビになった」と脅される始末。
おまけに肝心のグレイヤーは、気まぐれで言うことを聞いてくれず、彼を手なずける方法が分からないアニーは途方にくれてしまう。
ドラマの核となっているグレイヤー(ニコラス・リース・アート)、父親の名詞をお守りの代わりにするなんて、家庭をかえりみない父親のミスターXとミセスXにかまってもらえないことで、埋めようのない寂しさを味わっていることを知ったアニーは、単なる仕事を超えた愛情をグレイヤーに対して抱くようになっていく。
それにしても、どう見ても夫婦仲が平穏とは思えないミセスX(ローラ・リニー)とミスターX(ポール・ジアマッティ)のライフスタイル。
それに、ハーヴァード(クリス・エヴァンス)とのロマンスも、ミセスXによって邪魔をされすれ違いになってしまう。
でも、アニーはハーヴァードとの初デートに遅刻しても、彼は辛抱強い。アニーの現状に冷静なアドバイスを与えてくれ、9人のナニーに育てられた自分自身の経験を語ってくれた。
この映画のいいところは、冒頭のニューヨーカーを博物館の展示物のようにしてしまうくだりのアイディアとか、小説「ティファニーで子育てを」は読んでいませんが、初めと終わりに、イギリスの児童文学「メアリー・ポピンズ」の文章が引用されているということで、本作の主人公のイメージとメアリー・ポピンズをだぶらせていることは確かですね。
映画では、アニーがメアリー・ポピンズよろしく赤い傘を手に空へ舞い上がっていく所が映し出され、冒頭のユニークな映像とうまく融合している。
”大都会のなかのお伽噺”というのがこの物語のコンセプト。実際に撮影の多くがニューヨークの街中で行われています。
最初にアニーとミセスXが出会うのは、市民の憩いの場セントラルパーク。
二人がランチをするのは、高級デパート、バーグドルフ・グッドマン。さらには、アメリカ自然史博物館に、メトロポリタン美術館、老舗カフェのレキシントン・キャンディ・ショップなど人気スポットが次々登場し、見ているだけで観光気分が味わえてしまいますよ。
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