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2019-05-19

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「ほぼ日」に、いろんなミーティングがあるなかで、
 ぼくがひとりでしゃべっているようなものもある。
 これは、毎週、定期的にやっているもので、
 「水曜ミーティング」と名付けられている。
 ぼくがテーマを考えてきて、そのことについて、
 あっちふらふらこっちゆらゆらしながら、
 とにかく、ひとりでしゃべる。
 正直に言って、ぼくの「ほぼ日」での仕事のなかで、
 いちばんたいへんなのは、このミーティングだと思う。
 じぶんの考えていること、考えかけのこと、
 わかっていること、わかってきたこと、
 伝えておきたいこと、じぶんたちのこと…などなど。
 「この人は、こういうことを考えているのか」とか、
 「この人の考え方は、こういう筋道なのか」とか、
 言っておかなきゃ、乗組員たちも「はじめて知った」
 ということばかりになってしまうだろうから、
 とにかく毎週毎週、くりかえし、たくさん伝えておく。
 最後に質問してもらって、それについてまた話す。

 ぼくは、この「水曜ミーティング」ができなくなったら、
 「ほぼ日」での仕事をやめるつもりでいる。
 いま現在と、これからのことをどう見ているのか、
 それを語れなくなっていたとしたら、
 ぼくらは、ただ海に浮かんでいる船になってしまう。
 その船、どうにもならないぜ、と思う。
 いずれ食糧も尽き、人は気力をなくし、
 急激に衰えながら漂流することになるだろう。
 なんて、おおげさなことを言っているみたいだけれど、
 これは、かなり本気で思っていることだ。

・それ以外のミーティングでは、
 ぼくがしゃべることをどれだけ減らせるか考えている。
 みんなの話を、「それはつまらなくないか?」あるいは、
 「それはよく転がるかな?」と思いながら聞いている。
 前者のチェックは「輝き」に関わることだ。
 後者については、雪だるまのイメージである。
 転がっていろいろなものと影響しあって、大きくなる。
 ゴロゴロ転がり、どこに着地するかよくわからない。
 頭のなかでは、そういうことを思いながら、
 なるべく黙っている時間を過ごしている。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
わからないことばかりでも、向こう側が明るければ行け。


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