[C.R.A.C.NORTH]会議室利用制限要望書
2019年5月16日
北海道知事 鈴木直道殿
北海道立道民活動センター かでる2.7指定管理者殿
一般財団法人道民活動センター理事長 高田忠尚殿
C.R.A.C.NORTH
要望
一、2019年5月25日(土)に告知されている「アイヌ新法を学ぶ講演会」は、アイヌ民族に対するヘイトスピーチが目的であり、当日はヘイトスピーチが出る蓋然性が高い。それを秘して会議室の利用承認を得ているので、承認を取り消し、あるいは制限すること
二、一の措置のうえで、当日はアイヌ民族に対する差別的な嫌がらせが起こらないように充分な人員を配置し、また講演内容を記録すること
理由
[目次]
1. アイヌ民族に対するヘイトスピーチや差別的な嫌がらせが起きる蓋然性が高い
(1) アイヌ民族に対するヘイトスピーチの定義
(2) 小野寺まさる氏のアイヌ民族に対するヘイトスピーチ
(3) アイヌ民族に対する差別的嫌がらせの可能性
2. 行政的措置の法的根拠
1. アイヌ民族に対するヘイトスピーチや差別的な嫌がらせが起きる蓋然性が高い
(1)アイヌ民族に対するヘイトスピーチの定義
日本も賛成票を投じた先住民族権利宣言では、アイヌは先住民族として、「いかなる種類の差別からも、特にその先住民族としての出自あるいはアイデンティティに基づく差別からも自由である権利を有する」と規定されており、ヘイトスピーチが禁止されている。
<先住民族の権利に関する国際連合宣言>
第2条 【平等の原則、差別からの自由】
先住民族および個人は、自由であり、かつ他のすべての民族および個人と平等であり、さらに、自らの権利の行使において、いかなる種類の差別からも、特にその先住民族としての出自あるいはアイデンティティ(帰属意識)に基づく差別からも自由である権利を有する。
第8条【同化を強制されない権利】
1. 先住民族およびその個人は、強制的な同化または文化の破壊にさらされない権利を有する。
2. 国家は以下の行為について防止し、是正するための効果的な措置をとる:
(a) 独自の民族としての自らの一体性、その文化的価値観あるいは民族的アイデンティティ(帰属意識)を剥奪する目的または効果をもつあらゆる行為。
(b) 彼/女らからその土地、領域または資源を収奪する目的または効果をもつあらゆる行為。
© 彼/女らの権利を侵害したり損なう目的または効果をもつあらゆる形態の強制的な住民移転。
(d) あらゆる形態の強制的な同化または統合。
(e) 彼/女らに対する人種的または民族的差別を助長または扇動する意図をもつあらゆる形態のプロパガンダ(デマ、うそ、偽りのニュースを含む広報宣伝)。
5月24日に施行予定のアイヌ新法の第4条は、先住民族宣言の差別を受けないという権利が施策として具体的に反映しているものである(4月10日 衆議院 国土交通委員会)。また「アイヌの方々を明確に差別することを目的としたヘイトスピーチはこの条文に反する」(4月10日 衆議院 国土交通委員会)。さらに「民族としてのアイヌなんてもういない」がアイヌ民族に対するヘイトスピーチとして例示された(4月10日 衆議院 国土交通委員会)。くわえて特定個人に対してだけでなく不特定多数に対するヘイトスピーチでも第4条に違反していることが確認された(4月16日 参議院 国土交通委員会)。
<アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律>
第4条「何人も、アイヌの人々に対して、アイヌであることを理由として、差別することその他の権利利益を侵害することをしてはならない」
周知の通り、附帯決議には法的な拘束力はないが、国会審議の中で立法者(本法は内閣提出であるから当然に政府)の本法の立法意思と立法趣旨が明確にされている。附帯決議は、かかる意思を立法府としても明記したものである。アイヌ新法の附帯決議では、先住民族宣言を踏まえること、また国連人権条約監視機関による勧告に留意すること、不当な差別的言動の解消に向けた実効性のある具体的措置を講ずることを求めている。
<アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案に対する附帯決議>
二 「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の趣旨を踏まえるとともに、我が国のアイヌ政策に係る国連人権条約監視機関による勧告や、諸外国における先住民族政策の状況にも留意し、アイヌの人々に関する施策の更なる検討に努めること
四 アイヌの人々に対する差別を根絶し、アイヌの人々の民族としての誇りの尊重と共生社会の実現を図るため、アイヌに関する教育並びにアイヌへの理解を深めるための啓発及び広報活動の充実に向けた取組を推進すること。あわせて、本法第四条の規定を踏まえ、不当な差別的言動の解消に向けた実効性のある具体的措置を講ずること。
(2) 小野寺まさる氏のアイヌ民族に対するヘイトスピーチ ※以下、ヘイトスピーチ注意
今年、3月18日に開催された小野寺まさる氏の講演会「北海道が日本で無くなる日~中国の土地爆買いとアイヌ新法の罠」は、講演内容全体がデマと歴史否定に満ちているが、とくにあきらかに問題である部分を抜き書きする。論のフレームがアイヌの自治区に中国共産党が入って治外法権になるという主張で、そこに同和がアイヌになりすましているという「なりすましネタ」や「アイヌのさじ加減ひとつでアイヌになれる」などの民族的アイデンティティを否定したヘイトスピーチが入る。25日に「かでる2.7」で行われる講演会の演題も「アイヌ新法を考える」というもので、同内容である可能性が高い。しかも論旨自体がヘイトスピーチであるので、個別の発言に気をつけるだけでは、ヘイトスピーチを回避するのが困難だといえる。また小野寺氏は、3月の講演会以前から、アイヌ民族や在日コリアンに対する差別的な発言をしている中心人物のひとりである。したがって、25日の講演会でも、アイヌ民族に対するヘイトスピーチが出る蓋然性が高い。
「北海道が日本で無くなる日~中国の土地爆買いとアイヌ新法の罠」抜き書き
北海道の土地が中国に狙われている。
多くの土地が買われてるんですけれども、そこは間違いなく水源で、そして何も使われていないってことは、もしかしたらそこに、ドンと、人が来るかもしれない。
アイヌというものと日本の分断活動っていうものはですね。ずっと昔から行われていました。
この法律(筆者註:旧土人保護法)はアイヌの人たちっていうのは、このままでいると間違いなく滅びてしまう民族だと。文字も持たずしっかりとした文化も持っていないと。計算もできないと。なのでちゃんとした教育を与えて生活の保護もしてあげないと滅びてしまうので、ちゃんと日本政府として保護してあげようということで、 この法律ができた。
(ウタリ対策事業で)思いもかけないお金がボンとアイヌ協会に落ちたもんですから。これはアイヌ協会としてやったら、結構お金儲かるのかってことで再建されたと。だから最初は私が大地主だけど、どうにかしてくださいって言っている人が、今度目を覚ました時にはですよ。差別されていたということはお金になるんだということで、団体の性格が大きく変わって、1960年からアイヌ政策というものが、ねじ曲がった形でスタートした。
あまりアイヌの人たちは差別されていただとか搾取されていたという歴史がないというふうに思われていたので、それ実際に大地主だったんですから、なかったんです。
中国共産党関係者はアイヌと接触をして、ここでかなりの洗脳工作をしてます。
平沼敏郎先生がですね。経産大臣の時に単一民族国家だと言って。ここら辺からですね。もうマスコミが大きく変わってくるわけです。まずですね。毎日毎日、アイヌ協会のひとたちがアイヌの半被を着て、大臣室に押し寄せて、大抗議行動をするんですよ。平沼敏夫先生とも話したが、アイヌっていうひとたちが大臣室に来るんだと。ずっとわーっと騒いで、マスコミも連れて大騒ぎをしているんだと。ただぱっと見、日本人じゃんと(会場:笑い)。というひともいっぱいいるのに、半被着てるだけでアイヌなのかという話ですよ。
アイヌ協会を取り巻くなぜかですよ朝鮮総連系の団体もいました。
ずっと日本は今まで単一民族国家できたと。で、その中には隼人だとか熊襲だとかそういう民族も現れて戦ったけれども、最終的には同じ民族として同化をして一つの民族であった。1986年までは、アイヌの人たちもいたけれども、その人たちは全員日本人になって何の問題もなかったんだから、全員が単一民族国家だと思っていたのに、一つの外務省の見解で多民族国家になってしまったんだというようなことはですね。大問題だと思うんです。お前にどんな権利があって多民族国家にしちゃったんだと。単一民族国家を。
アイヌの人たちは墓参りに行っても1万円もらえますから。それはお墓の前で踊る。これはアイヌ文化の伝承法だと。踊り手に一万円あげましょうということで、これから東京に住んでいる方たちはですね、お墓の前で変な踊りをしているひとたちがいたらですね(会場:笑い)、アイヌじゃないのかと(会場:笑い)、一万円もらうために踊っているんじゃないのかと、ホントですからね。
アイヌ協会が認定したものはすべてアイヌになると(会場:ざわめき)。アイヌの定義はないんですよって。私によくですね。DNA検査をした方がいいだろうという方もいるんですけれども。DNA検査なんてできないですから。というのはアイヌは太古の昔から混血につぐ混血でですね。どれがアイヌだってサンプルがないので。日本人と同じ血なんで結局。なのでDNA検査も出来なくて、DNA検査をやったからってこの人アイヌだとかアイヌじゃないとかいうのもわかんなくて。
アイヌのさじ加減ひとつでアイヌになれる。
1969年の同和事業特別措置法ですね。なくなりましたよね、時限立法で。使えるじゃないですか。アイヌにしてもらえれば。で、いまアイヌじゃない人も相当増えてます。だから東京に75000人もいるって事平気で言えるんです。ってこれ誰も否定できません。だってアイヌ協会が認めたらアイヌなんですから。そういう状況になってですね。これから全国的にそういうのが始まるというのを皆さん本当に理解してください。(会場:「とんでもない」の声)とんでもないですよね! ほんとに(笑)。ほんとにとんでもないんです。こういうような事業なんだと。そこに中国べったりくっついているんだということを理解してもらいたいと思います。
この先住権というのはなにかというと、さっき言った国旗・国家・警察・裁判所、これですから。こういう状況があってですよ。わたし何を言いたいかというと、日本を侵略したい国があるとしたら、こんな好都合なことはないんです。(会場:ざわめき)だってもしかすると自治区をもらえるグループがあって、我々はそこをずっと目指していって、日中国交正常化前から、ずっと仲良くしていて、お金もバンバン使ってたんだぞという話になりますよね。で実際になっているんです。
相当莫大なこれからお金がですね、アイヌ利権として動いていくと。さらにこのカジノをやるのは、ハードロックインターナショナルが外注する中国の会社ですから。そう考えると中国の方にもお金が相当流れるというような政策です。
先住権だとか自治権をよこせといったところで、そんなもんどこにその自治権をよこすのという話になりますが、自治権取られそうなとこあるんですよ、北海道に。それは白老という場所です。
何もない建設予定地に唐家璇が視察に入っているというのは間違いないです。唐家璇はその白老に入る前ですけどもどこに入ってんのかというと、佐渡。佐渡で今何が起こってんのか分かりますか。佐渡はですね。中国人がわーっと増えて、とんでもない状況になる可能性があるんですよ。それは中国の専門学校を作っちゃったからですよ。
実は中国人、は特にそうなんですけれども、とんでもない動きを日本の中でしていて。先ほどは、土地も買われていると。で水も輸出されてると。でその農作物も輸出しようとしてると。色々な画策をしていてアイヌと繋がっているという、色々な複合的なことをやってる。
アイヌっていうものを利用して中国がどんどん入り込んでいったりだとか、本当に土地を買って将来そこに住めるような状況になっているというような、そういう複合的な動きをしてるということ。
アイヌ政策というのがいかに胡散臭いのかと。そこに中国というのがどういうふうに入り込んだのかと。でさらに色々な話の流れで、単一民族国家であった日本が知らないうちに多民族国家にされて、更にそれを飯のタネにしようとして、とんでもない動きがあるんだと。
<小野寺まさる氏のツイート>
はい。強いて言ってもアイヌ系日本人です。彼らは今“我々は民族だった”と主張し権利を要求し始めています。裏には人権を飯の種にしている方々が… また日本が分断される危惧もあります。 RT @tosuzuki21: いまなぜこんなはつげんを?和人もアイヌ皆日本人でしょう。[2013年9月12日]
近年「アイヌ料理」なる物を慌てて創作している方が多々居る。これは「公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」の事業報告書を見れば直ぐ分かるが、税金を渡し創作させている事実に呆れる。アイヌ文化の調査の史料を見ても「料理」と呼べる代物では無く、これは言っても「アイヌ風創作料理」だ [2017年2月14日]
アイヌ利権は凄いですよ。同和特措法が無くなりましたが、アイヌ政策だけは肥大し続けています。アイヌと無関係な所謂「差別された方々」も結構入り込んでいますが、以後アイヌ政策は全国展開される為に、爆発的に似非アイヌが増えます。関東だけで7万5千人居るらしく(アイヌ協会幹部談)…(笑) [2017年2月15日]
「アイヌ料理擁護派」は、醤油や味噌を使って何が悪い?との主張を平気でしてきますから、キムチが入る可能性はありますな…マジで。[2017年2月15日]
(3) アイヌ民族に対する差別的嫌がらせの可能性
25日の講演会では、アイヌ民族に対する差別的嫌がらせが起こる可能性が非常に高い。①今年の旭川市での憲法集会に対して、同ホテルでおこなわれていた日本会議上川支部の総会に参加するメンバーであり、また日本第一党である人物が嫌がらせをしたこと、②北海道アイヌ協会が、講演会会場と同じ「かでる2.7」にあることにネトウヨが注目していること、③以前、在特会が「アイヌ問題を考える講演会」を「かでる2.7」で開催した際に、参加者が北海道アイヌ協会事務所を襲撃しようとしたこと。以下は、そのまとめである(C.R.A.C.NORTH作成)。
加えて、憲法集会に嫌がらせをした人物はその後反省しておらず、かえって憲法集会参加者への嫌がらせをエスカレートさせており、それをFacebookで投稿しては、周りがはやし立てている状況で、ここ数日、さらに嫌がらせが飛び火している。その人物を含めて日本第一党のコアメンバーが25日の講演会のお知らせをFacebookでシェアしており、講演会に参加するだろうことが予想される。
5/3、日本会議上川支部の人間から、旭川の総がかりの憲法集会に嫌がらせがありました。その嫌がらせに対して、5/25の「アイヌ新法を学ぶ講演会」の主催である日本会議北海道本部の常任理事が賛意を表明しました。
おなじホテルで憲法集会と日本会議上川の天皇即位記念集会及び総会がかちあったのですが、4/29、旭川の鈴木晶(日本第一党北海道本部幹事長)がFBで妨害予告。個人名をあげつつ、「旭川を憂いておる人間が皆一様にかき回して欲しいと言うのもわかる気がする」「まぁ今年はオレが行くから部屋間違えるかもな~爆」「ハレーションが起きないなんてありえなーい笑」と書き込みました。
それに対して【菅原勝明(日本会議北海道本部常任理事)】が、「いいねー👏👏」と賛意を表明。鈴木晶は「これで問題が起きない事が問題ですわ。。我が街は。。」とコメントをし、【菅原勝明】はそれに😆をつけています。鈴木は、せめて小競り合いくらいは起きないの!?というコメントに、「少なくても今までは起きておらんのでしょうね笑 しかし今年は俺行くからね~」と返信しています。
そして5/3、一階のロビーでたまたま鈴木晶を見かけたカウンターが2階の受付付近で待機していると、鈴木が階段から上がってきて「〇〇はどこだ」と言いながら会場の方に入っていこうとしたため、カウンターが鈴木を止め、その後ホテルのスタッフに対応を任せました。鈴木等はその後、「タバコ吸うだけだからいいだろ」と言いながらタバコ室へ。市民が警備にあたっており、鈴木はしばらくして出ていきました。嫌がらせ行為を自慢している鈴木のFBの投稿に、【小野寺まさる】が👍をしています。
5/25、かでる2・7で、小野寺まさると百瀬響(札幌教育大学)を講師にした「アイヌ新法を学ぶ講演会」(主催:日本会議北海道本部)が予定されていますが、その常任理事である【菅原勝明】が同じ建物内の他会場に対する嫌がらせ行為に賛意を表明したことは、単に一意見の表明ではすみません。
【菅原勝明】は2018年に、「捏造日本軍『慰安婦』問題の解決をめざす北海道の会」副代表の肩書きで、日本第一党の講演会の講師を務めた経歴があり、さらに同年10月14日、札幌市の大通公園で行われた、高田誠(日本第一党党首、元在特会会長)を迎えての排外主義的なヘイトスピーチデモに参加しました。
2009年7月5日、在特会北海道はかでる 2.7で「アイヌ問題を考える」と題した講演会を開催しましたが(講演者:鎌田宮司、的場光昭)、講演会終了後、主催者と来場者数名が同建物7階の北海道アイヌ協会の事務所に侵入を試みましたが、休日のため事務所には入れなかったということがありました(動画は削除)
今回の講演会が予定されているのは、かでる2・7。事務所侵入未遂をした10年前とおなじテーマ。主催はヘイトデモに参加し講師をする人物で、同じ建物内で他会場で嫌がらせをするというFBの投稿に賛意を示した。25日は土曜日です。最悪のことが起きないように、手を尽くす必要があると思っています。
<小野寺氏の講演会のツイートに対して、返信をしているネトウヨのツイート>
hydist666 Arc @sirotaHY999 ザルですよザル アイヌになりたければ 誰でもなれるんですから!だからこそわざわざ中国から視察に来てたんでしょうね。[2019年3月25日]
hydist666 Arc @sirotaHY999 私も自民党の政策全て賛成してません。アイヌ新法ズブズブ法案は北海道人として受け入れられない 協会の不正 中国と朝鮮の繋がり クウォーターしかいないのに補助金 有りえません。[2019年4月6日]
hydist666 Arc @sirotaHY999 ズブズブ法案 アイヌ協会のお偉いさんのオフィス随分ご立派な建物に入ってるようで(嫌味) 相変わらず不正は続いてるんですか?[2019年4月9日]
・講演会のツイートに対しての直接リプライ
hydist666 Arc @sirotaHY999 何の因果か又かでるですか?アイヌ協会の入ってる建物じゃないですか?参加しますけど。[2019年5月2日]
儚@kanasimi_nippon かでるにアイネ協会さんも入ってるのではないでしたっけ?両方のご意見を聞いてみたいです。[2019年5月2日]
2.行政的措置の法的根拠
「アイヌ新法を学ぶ講演会」の開催にあたり、アイヌ民族に対するヘイトスピーチや差別的な嫌がらせが起きる蓋然性が高いので、「かでる2.7」の設置目的に反する行為が起きないように、主催者である日本会議北海道の会議室利用の承認を取り消し、あるいは制限するのは「北海道立道民活動センター条例」にかなった措置である。またアイヌ民族に対するヘイトスピーチや差別的な嫌がらせはアイヌ新法第4条で禁じられている違法行為であり、「かでる2.7」は施設内で違法行為が起きないように措置をとるべきである。さらに、当日の講演会の様子を撮した動画があれば後日YouTube等にアップされる可能性があり、そこでもヘイトスピーチ被害が生じる可能性がある。
周知の通り、公の施設は「住民の福祉を増進する目的」で設けられており、住民の利用は「正当な理由」がない限り拒んではならないと定められている(地方自治法第244条)。したがって道立の「かでる2.7」は、憲法、地方自治法等の観点からその利用申請を原則として許可する必要がある。
<地方自治法>
(公の施設)
第244条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
同時に、「かでる2.7」は「アイヌ⽂化活動等の組織的な活動の促進」を設置⽬的としており(第1条)、指定管理者は、申請者の利⽤の⽬的がこれに反する場合これを承認をしてはならないとされ(第9条(1))、仮にこのような利用目的を偽って申請を行い承認を得た場合は、承認自体が取消、利用制限等の対象となり得る(第11条(2))とされている。
この点、25⽇の講演会のフライヤー等ではヘイトスピーチの目的までは明記されてはいないが、既述のとおり、同講演会はアイヌ⺠族に対する差別を明確に⽬的としたヘイトスピーチである蓋然性が相当程度に⾼いものであるので、⽬的を秘して利⽤承認を得たといえ、承認取り消しまたは利用制限の対象となり得るというべきである。
また、直ちに承認取消まで行うには躊躇がありうるとしても、同規約上、「管理運営上必要があると認める」ときは、「承認に条件を付することができる」(第8条)、さらに「施設等の管理運営上必要があると認めるときは、利⽤者に対しその利⽤に関し指⽰をし、⼜は利⽤中の場所に従業員を⽴ち⼊らせ、利⽤の状況を調査させることができる」(第13条)、とされている。
これらの措置(承認に際しての条件付与、利用に関する指示、利用状況の調査)は、施設の利用自体を禁じるものではなく、あくまで施設の設置目的に沿うような利用となるように条件を付する、あるいは指示、調査をするという限度に留まるものであるから、利用の承認取消等の措置と比較しても利用者の権利制約の程度は至って低く、これらの措置を講じたからといって指定管理者に法的責任が発生するおそれは極めて乏しい。
他方、既に述べたとおり、「アイヌ新法を学ぶ講演会」においてヘイトスピーチが行われる蓋然性が相当程度に高いことに照らすと、むしろこれらの措置を講じることのないまま漫然と現実にヘイトスピーチが行われてしまうことを許してしまった場合の問題の方がより深刻だと理解すべきである。
したがって、指定管理者は、少なくともこれらの措置(承認に際しての条件付与、利用に関する指示、利用状況の調査)については、積極的に講じることを検討すべきである。
<北海道立道民活動センター条例>
第1条 道民自らの創意や活力が生かされる地域づくりに必要な社会福祉活動、生涯学習活動、女性活動、アイヌ文化活動等の組織的な活動の促進及び道民が行う学習、研修、交流等の機会の充実を図るため、北海道立道民活動センター(以下「道民活動センター」という。)を設置する。
第8条 道民活動センターの施設等を利用しようとする者は、指定管理者の承認を受けなければならない。
2 指定管理者は、前項の承認をする場合において、道民活動センターの管理運営上必要があると認めるときは、同項の承認に条件を付することができる。
(承認の基準)
第9条 指定管理者は、道民活動センターの施設等を利用しようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、前条第1項の承認をしてはならない。
⑴ 利用の目的が道民活動センターの設置の目的に反するとき。
⑵ 公共の秩序を乱し、又は善良の風俗を害するおそれがあるとき。
⑶ 施設等を損傷するおそれがあるとき。
⑷ その他道民活動センターの管理運営上支障があると認められるとき。
(変更の承認)
第10条 第8条第1項の承認を受けた者(以下「利用者」という。)は、利用の内容を変更しようとするときは、指定管理者の承認を受けなければならない。
2 第8条第2項及び前条の規定は、前項の承認について準用する。
(承認の取消し等)
第11条 指定管理者は、利用者が次の各号のいずれかに該当するときは、第8条第1項の承認(前条第1項の承認を受けたときは、その変更後のもの。次項において同じ。)を取り消し、又はその利用を制限し、若しくは停止することができる。
⑴ この条例若しくはこの条例に基づく規則又はこれらの規定に基づく処分に違反したとき。
⑵ 虚偽の申請その他不正な手段により第8条第1項又は前条第1項の承認を受けたとき。
⑶ 第8条第1項(前条第2項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反したとき。
2 指定管理者は、施設等の維持管理上その他公益上やむを得ない事態が発生したときは、第8条第1項の承認を取り消し、又はその条件を変更することができる。
第13条 指定管理者は、道民活動センターの秩序の維持及び施設等の管理運営上必要があると認めるときは、利用者に対しその利用に関し指示をし、又は利用中の場所に従業員を立ち入らせ、利用の状況を調査させることができる。
以上。
[資料]
日本会議北海道本部 5月 講演会 行事予定
http://nipponkaigihokkaido.blog.fc2.com/blog-entry-75.html
先住民族の権利に関する国際連合宣言
https://www.un.org/esa/socdev/unpfii/documents/DRIPS_japanese.pdf
衆議院 第198回国会 国土交通委員会 第5号 2019年4月10日
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009919820190410005.htm
参議院 第198回国会 国土交通委員会 第8号 2019年4月18日
http://online.sangiin.go.jp/kaigirok/daily/select0110/main.html
小野寺まさる講演会「北海道が日本で無くなる日~中国の土地爆買いとアイヌ新法の罠」
https://www.youtube.com/watch?v=NC6rdT4WmW0
文字起こし(C.R.A.C.NORTH)
https://www.dropbox.com/s/8dz318upkjrafxv
小野寺まさる氏のツイート
http://archive.fo/NUKsI
http://archive.is/qmZK0
http://archive.is/5EaNh
http://archive.is/Rub22
日本会議北海道関連の嫌がらせ
https://twitter.com/crac_north/status/1124350609748926464
hydist666 Arcのツイート
http://archive.fo/F1n4G
http://archive.fo/Z8Gmd
http://archive.fo/3gFoi
http://archive.fo/9wDss
儚のツイート
http://archive.fo/lq7r4
在特会「アイヌ問題を考える」講演会について
日本国内の人種差別実態に関する調査報告書【2018年版】
https://gjinkenh.files.wordpress.com/2018/04/e4babae7a8aee5b7aee588a5e5ae9fe6858be8aabfe69fbbe7a094e7a9b6e4bc9ae5a0b1e5918ae69bb8e380902018e5b9b4e78988e380911.pdf
地方自治法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000067#1362
北海道立道民活動センター条例
http://homepage.kaderu27.or.jp/guide/process/t9q0lm0000000cbe-att/t9q0lm0000001fg9.pdf
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