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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】ビシが美技!!ロメロ落ち着かせた

2019年5月17日 紙面から

6回裏無死、神里に同点ソロを浴びたロメロ(左)に声をかけるビシエド(今泉慶太撮影)

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 DeNAのロペスが連続守備機会無失策の日本記録を更新したが、中日の一塁手も負けじと美技を見せた。6回。神里に同点弾を浴びた。落胆するロメロにそっと近づき、ささやいたのがビシエドだった。

 「ホームランを打たれたことは仕方ない。ここだぞ。気持ちを切り替えて集中していこう…。そんな言葉をエンニー(ロメロ)に伝えたんだ」

 何度か書いているので読者はご存じだろうが、ロメロは強く、速い球を投げるのは得意だが、半面のもろさを併せ持つ。最大の弱点は揺れ動くメンタルだ。1カ月以上遠ざかっている白星を、必死にたぐり寄せたところで浴びた本塁打。悔しい。自分に腹が立つ。捕手のサインも見えなくなる…。ロメロにとっては「たった1点」ではなかった。しかし、2番・宮崎からソト、筒香、ロペスと続く中軸に、そんなメンタルで立ち向かえるはずがない。

 投手コーチがマウンドに行けるのは、同一投手には1イニングに1度、捕手は9イニングで3度と決まっている。ところが日本では内野手への制限はない。言語が通じる。そして、超のつくほど冷静な男…。ロメロを落ち着かせるのに、ビシエド以上に適役はいない。

 「ありがとう。そう言ってもらえてうれしいよ。エンニーはがんばっていたし、何とか勝たせてやりたかったんだ」

 宮崎以降、ロメロは6人連続で打ち取って、マウンドを降りた。7回に勝ち越して、白星もつかんだ。高橋や平田、福田は必死に点を取り、加藤は汗だくでリードし、救援陣も懸命に抑えた。横浜での2試合、ビシエドは8打数1安打に終わりはしたが、目に見えない形でチームの勝利に貢献した。ロメロをマウンドで放置していたら、あるいは展開はよくない方向に進んだかもしれない。全員で勝つとは、こういうことを言うのだと思う。

(渋谷真)

 

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