小3男児、川で溺れ死亡 助けに入った級友は救助 小郡市
16日午後2時55分ごろ、福岡県小郡市二森の宝満川で「男の子2人が溺れた」と119番があった。1人は近くにいた男性に救助されて無事だったが、近くの市立小3年宮本蓮士(れんと)君(8)は約2時間半後に付近の川底で意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。
県警小郡署や市教育委員会によると、2人はクラスメートで、下校後にほかの同級生4人と、水深が膝下ほどになっているコンクリート製のせきの上で遊んでいたが、宮本君が足を滑らせて下流側に転落した。救助された男児は溺れた宮本君を助けようとして、自分も溺れたという。
下流側の川幅は30~40メートルで、水深は約6メートル。川の周囲に柵はなく、遊泳禁止の場所ではなかった。
小郡市教委は同日夜、記者会見を開き、「現場周辺が子どもたちの遊び場になっていることは把握していなかった」とし、今後は川に入らないよう指導するという。この日は教諭の研修会で、市内の小学校は普段より早めの下校だった。
現場を通り掛かった男性は「子どもがここで遊んでいると聞いたことがあり、大丈夫かなと心配していたが…」と話した。
■履物や天候に注意が必要
夏に向けて暑さが増す5月以降は、川での事故が増える時期。専門家は、川辺で遊ぶ際には装備や天候に十分に注意するように呼び掛けている。
河川に関わる調査研究を行う河川財団(東京)の調査によると、2003~17年に川や湖などで起きた水難事故は5月から増加し、8月がピークとなる。事故に遭った人の約3割が中学生以下だった。
同財団「子どもの水辺サポートセンター」の菅原一成・主任研究員は「家族連れなど大人の同伴者がいても事故は起こっている」と指摘。「遊ぶ場所の状況を知った上で装備を整え、天候を常にチェックすることが事故防止につながる」と話す。川の流れの速さや深さを確認し、ライフジャケットを着たり、滑りにくい履物を履いたりすることが重要だという。
=2019/05/17付 西日本新聞朝刊=