2005/5/21 <水野博士の新著「常温核融合」が発売!> 水野博士の新著「常温核融合」(水野忠彦著、工学社)がついに発売になった。 水野先生が先日のJCF6で私に「今度また新しい本が出ますので・・」と言われたものである。 たいへん楽しみにしていた本だ。 次に詳しく載っている。 http://www.kohgakusha.co.jp/books/detail/4-7775-1129-4 紹介文を読むと、たいへんな逆境の中で、再現性のある実験結果を得るまでのドラマチックな歴史がつづられてい るようだ。「ようだ」としたのは、まだ購入していないからであるが、今日早速発注した。 上記サイトのContentsを見ると、興味深い項目が並ぶ。 「岩村の本格的な参入(1993年) 」、「日本常温核融合会議の設立、山田の強い意思力(1997年) 」、 「プラズマ電解(1997年 7月) 」、「アーサー・C・クラークの予言(2001年 1月)」などなど気になるタイトルが並ぶ。 本の到着が待ちどおしい。速報としてお知らせした。 量子論誕生からほぼ1世紀、科学の革命はしずかに始まっている。 検索で燃料電池の観点からも水野氏らの研究が注目されている記事を見つけたので紹介したい。 次を見て下さい。 燃料電池は話題は先行しているが、まだまだ多くの問題を抱えている。中でも水素の製造と貯蔵という問題は 根本にかかわる問題であるようだ。 サイトにプラズマ電解の写真がある! プラズマ電解では、非常に多くの水素を発生させることができるのだ。 燃料電池の命は水素である。よって、この電解手法が注目されるのも当然といえる。 (また貯蔵に関しては、水野氏の電気分解研究の応用、Pdやそれに類する物質への吸蔵ということを考えて おられるのかもしれない。) ---------------------------------------------------------------------------------------- 2005/5/26追記 Yaさんからメールを頂きましたので、紹介します。 ******************************************************************* ・・・エネルギーを石油に依存している社会は、 いろいろな問題があることを痛感しました。 そのようなわけでエネルギー全般の問題に興味があります。 杉岡様のホームページができる前から、いろいろと検索してみて、 常温核融合の可能性が出てきたのを知り、驚いていました。 このようなことが多くの人に知られ、研究が進むことを切に望んでおります。 常温核融合はエネルギー以外の点でも興味深いものがあります。 世の中の進歩は、意外なところ、異端と思われたところから始まる ことが多いのですが、常温核融合もそのように考えると面白いですね。 また、常温核融合の原理の解明と併行もしくはそれに先行して、 技術的な可能性が出てきそうなところも面白いですね。 理屈は後からついてくる、ということでしょうか。 ******************************************************************* メール、ありがとうございます。 Yaさんは「異端と思われたところから始まる」といわれていますが、ほんとうにそうだと思います。 また「エネルギー以外の点でも興味深いものがあります。」という点でも同感。常温核融合(CF)は色々なたのし み方があるのです。 エネルギーに関心のある人はそちらへ、錬金術に興味ある人はそれを研究すればいいし、また理屈を解明した い人は理論方面へいくこともできるのです。なにがとび出すかわからない、CFは未踏の森といえるでしょう。 異端という言葉で思い出すのは、「逆説の日本史」シリーズで有名な作家の井沢元彦氏の言葉です。 「創生の守護人」(グラハム・ハンコック他著、大地瞬訳、小学館文庫)の解説で、井沢氏は次のように述べて います。
註:色は杉岡が入れました。 井沢氏はこのように述べている。非常に印象に残っている箇所です。なにかとだぶって見える。 21世紀に足をふみいれた私たちはほんとうに進歩しているのだろうか・・。 【山本寛ウォッチング/燃料電池と常温核融合】にある記事です。 一部分を抜き出し紹介させてもらいます。
註:色は杉岡が入れました。 2.2「He4の発生と核変換」で荒田-張の実験として紹介しているものをさらに進化させたものと思われます。 高橋論文の荒田-張の実験では超音波 or 電解の手法でなされていますが、上の荒田-藤田ではレーザーを 用いてHe4を大量発生させている点が画期的です。 山本寛氏は上で「核融合に必須とされる超高圧の状態以外でも実現できたことで、大規模装置の必要のない発 電などの可能性があるという。」と書いていますが、まさに核融合における革命的発見といえると思います。 「北海道大学の水野博士たちの実験」も、これは、昨今話題のプラズマ電解であると考えられますが、上で紹介 てもらったのと同じものでした。地球をぐるっと1周してきたような不思議な感じをうけます。 山本寛さんとYaさんは、独立に大切なサイトに注目されていたわけです。 偶然見つけたのですが、次を見て下さい。 熱・電気エネルギー財団TEET(http://www.teet.or.jp/index.html)の第12回研究助成対象者(平成16年度) に、 なんと3名ものCF研究者が名を連ねているのです。 岩村康弘博士(三菱重工)、水野忠彦博士(北海道大学)、山田弘博士(岩手大学)の3人です。 画期的なことだと思います。 TEETの設立趣意書にもあるとおり、未来のクリーンなエネルギー技術の開発を積極的に助成していこうという趣旨で あるようですので、常温核融合技術が未来の画期的な技術として認めれているということです。10人の内の3名です から、これはほとんど燃料電池と同格の扱いといってもいいでしょう。 (水野博士は表向きは燃料電池を意識した?プラズマ電解の水素発生ということですが) TEETは、アイシン精機が中心になって設立した財団のようですが、世間の誤った情報などにとらわれず、 真に画期的な技術のみを応援していることは明確にわかります。この財団の基礎技術を見る目のたしかさを 思います。 (注意) 2006/4/22 上のサイトは、いまは更新されていて、内容が変っています。変更せずそのままにしておきますが、ご了承ください。 ある方から「こんな論文がある」と紹介いただきました。 熊澤孝夫,中川 渡,鶴丸秀一:「水トリー中の無機不純物の挙動に関する一考察」,電気学会論文誌A, Vol.124-A,No.9,pp.827-836 (2004) (英語では次のようになります) T. Kumazawa, W. Nakagawa and H. Tsurumaru: "A Syudy on Behavior of Inorganic Impurities in Water-tree", IEEJ Trans. FM, Vol.124-A,No.9,pp.827-836 (2004-9) (in Japanese) 中部電力の技術者(熊澤氏ら)の書いた論文ですが、水トリー発生によるCVケーブルの劣化現象に核変換が関係して いるかもしれないとそれとの関連を示唆した論文です。 ついにこんなところにも常温核融合(CF)が出はじめたのか!と驚きを禁じえません。 水トリーなどというものがあること自体わたしはまったく知らなかったのですが、読者のみなさんも同様ではない でしょうか。まず水トリー劣化とはなにか?について次を参考にしてください。 水トリー発生のメカニズムはいまだ明確にはわかっておらず、何十年もの未解決問題のようです。 さて、上記中部電力の論文を読みましたがはじめから水トリーはCFに関係があるのではないか?と推論しその 線にそって実験をすすめているように見受けられます。 もしCFがその原因(あるいは一部)であったとしたら、それこそびっくり仰天することになるでしょう。 電力技術関連というなじみのない分野であるためか、私には上記論文はかなり難しかったです。 しかし、CaやLi元素の異常な増加、また同位体分布の若干の変化、そして他実験でのγ線とおぼしき低エネル ギー放射線の検出等の記述には目を見張りました。 そして論文の後半4.にMizuno,Iwamura,Takahashiの文字が見えます! 完全に核変換を意識した考察になっています。この論文をみた関係技術者はきっと驚きと戸惑いをあわせもったに ちがいない(なんだこれは?)。未解決問題に対し全く新しい視点を提示した貴重な論文といえるかもしれません。 そして・・・もしかしたら、様々な科学の領域で未解決問題として放置されている難問もCFという光を当てること で解決するものが多く存在しているのではないか?と、ふと思ってしまいました。 |