村上友里
「夜の街」でも外国人は欠かせない戦力になっている。岡山市内の繁華街のクラブ。3月上旬の夜、薄暗い店内でスーツ姿の男性が客を席に案内していた。接客中のホステスから「ボーイさん!」と声が飛ぶ。男性は現金を渡されると、レジで会計処理をした。
男性は岡山県内の大学に通う中国人留学生のワンさん(仮名)。約2年前からこのクラブで働いている。「岡山で今の生活ができるのは雇ってくれたママのおかげ。ここがないと生活は成り立たない」と話す。
大学を卒業後に中国で企業に就職したが、「日本に住みたい」との思いが捨てきれずに来日。日本で大学に通い始めたが、学費や生活費など年間約200万円が必要だった。岡山市内のラーメン店で深夜のアルバイトを続けていたところ、知り合いの中国人から「クラブでボーイを募集している」と聞いた。
「留学」の在留資格で来日している外国人は「夜の街」で働くことはできない。警察の取り締まりを受ける可能性もあるが、ラーメン店よりも短時間で高いバイト代をもらえることが魅力的だった。
将来的には日本で就職しようと思っているというワンさん。「警察にばれるかもしれないという不安はずっとある。でも、お金の問題が一番。人間として悪いことをしていないという思いもあります」
このクラブにはもう一人、中国…
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朝日新聞社会部