前例なければ作ればいい!“現代ホスト界の帝王”ローランドが貫き続けるこだわり
- “手はお客様から見える”ケアを欠かさないローランド
- 親にバレた!大学を1日でやめ、大反対されてもホストに
- ブレイクのカギは「ビッグマウス」と「お酒を飲まない」
彼は一体、何者なのか?
新宿・歌舞伎町でナンバーワンホストの座をつかんだ26歳のローランド。ついた異名は“現代ホスト界の帝王”。
ホストなのに接客態度は超上から目線。ホストなのにお酒を飲まない。
これでどうして、ホストとしてやってこられたのか?
5月16日放送の「直撃!シンソウ坂上」(フジテレビ系)では、MCの坂上忍が謎に包まれたホスト・ローランドに直撃した。
出勤前に手のお手入れ
人々の心をつかんで離さないローランド。
「歌舞伎町はいっぱいホストがいるけれど、2種類しかいなくて、俺か、俺以外か」「俺の隣がインスタ映え、だから俺は場所なんて気にしない」と高飛車で自分に酔うかのような“ローランド語録”の数々。
その勢いは歌舞伎町にとどまらず、自身の名がついた展覧会を開けば、連日大盛況。生き様を綴った本を出せば、発売からわずか1ヵ月で10万部を突破。そして「読めばわかる。僕がなぜコイツを弟と呼ぶのか」と帯を書いたのはGACKT。彼に「弟」とまで言わしめるほどの魅力を持っている。
そんなローランドに坂上が会いに行くと、まず歌舞伎町のど真ん中にあるクリニックへ。
「手は結構お客様から見えるんです。なので、手のピーリングをします」と出勤前にメンテナンス。
ピーリングとは、お肌の角質を除去することで、ローランド行きつけのクリニックでは、水流ジェットで肌を磨く最新技術を施すと同時に、8種類の美肌成分が含まれる点滴を打つ。
「キレイな手でお酒を作るのと、汚い手でお酒を作ると考えたときに、そこはマナーかな」と思い、ケアを怠らないという。
すると突然「キレイになりましたね」とクリニックの女性スタッフに声をかけるローランド。まるであいさつのようにさらりと女性スタッフの容姿を褒めるローランドに、違和感を持つ坂上。しかし「(褒められるのが)嫌な人はいますかね?僕は父から『キレイな人がいたら褒めるのはマナーだよ』と幼少期から教わっていたんですよ」と話すローランドに、坂上は「だから自然に言葉にできるんだ」と納得していた。
なぜホストになろうとしたのか
身だしなみを整え、ローランドは自らがオーナーを務めるホストクラブ「THE CLUB」へ。
約200店舗のホストクラブがあるという歌舞伎町でずっとトップに君臨していたというローランド。そんなローランドがオープンしたホストクラブは、意外にも白と黒のモノトーンなデザインで統一されていた。
するとローランドは、ディスプレイに整然と並べられた酒を坂上に紹介。「3000万円くらい」という予想外の値段に驚きを隠せない坂上に、ローランドは「10年後にはもっと値段が上がってるかもしれない」とさらに仰天させていた。
また、店で年間の売上が一番だったホストに1000万円の賞金を出すという「ローランド賞」を設けていると説明。その狙いについて「頑張った子には頑張ってよかったなと思わせたい。だから、これで親孝行するもよし、世界一周旅行行くもよし、みんなが夢を叶えてくれたらいいかな」と明かした。
そんなローランドは、なぜホストになろうとしたのか。
「18歳までずっとサッカーをやっていて、プロになりたいと思って。でも、サッカー以外のことを考えずにやってきたのにプロになれなかったんです。結局、惰性で進学したんですけど、あまりにも敷かれたレールに乗った感というか、流されて決めた進路で何もモチベーション上がらなくて、何をやろうかなと思ったときに、パッと思い浮かんだのがホストだったんです」
入学式の初日に大学をやめたローランドだが、ホストになることは両親からの大反対を受けたという。
「大学の退学届に『ナンバーワン ホストになりたいので僕はやめます』と書いたんです。僕は推薦で大学に入ったんですけど、推薦の学生は退学理由とかを推薦元の高校に送られるのを知らなくて、あと、実家にも郵送されるのも。それでバレました」
脇が甘かったことを笑って明かしたローランドだが、それから1年後に初めて給料が100万円を超えた時、両親へ謝りに行くとともに「入学金の足しにしてくれ」とお金を渡した。そのときに父親から「親に大反対されたくらいで諦める夢だったら叶わないなって思って試す意味で俺は大反対したんだ。それを押し切っておまえは出て行ったから、こうやって帰ってくることは分かっていた」と言われたことが今もローランドの心の中に残っているという。
ブレイクのカギは「ビッグマウス」と「お酒を飲まない」
そんなローランドだが、どのようにしてホストとしてブレイクしていったのか。
坂上が「いくら格好良くて、背が高いからってすぐには売れないでしょ?」と聞くと、ローランドは「下積みが長かったんです。1年くらい。売れる人は初日で指名のお客様をつかんだりする。でも僕はかなり才能のない方のカテゴリー」と意外な過去を明かした。
そして、ブレイクのきっかけを「ずっとビッグマウスだったんです。売れてないのに」と明かす。確かにローランドは客に対して「指名させてあげてもいい」と言ったり、気が合わない客に「出口はあっち」と言ったり、言いたい放題だったようだ。これについてローランドは「売れてから調子に乗るやつはいっぱいいるじゃないですか。でも僕は売れる前から調子に乗っていたタイプで。ところが『虚勢が面白いね』って言ってくれたお客さんがいたんです、一人。それから指名してもらって、ちょっとずつ数字が伸びるようになってきた。結果がついてきてから大きいことを言うと『面白いね』と、意外に世間の評価が変わるんですよ」と振り返った。
さらに、普通のホストと違ったのはビックマウスだけではない。接客中はノンアルコールを貫き、ローランドが飲んでいるのは「不老不死のお茶」と呼ぶ謎の青い液体。
「アルコールすすって生活するようなホストになりたくない」と語っていたローランドに、“謎の液体”を飲ませてもらった坂上は「あんまり美味しくない…。不思議な味!」と苦笑した。
「誰もやっていないからこそやりたいというか、『前例がなければ作ればいいだろ』っていうのが僕の考え。“お酒を飲まずに売れたい”って思ったときに、100人中120人くらいが『ホストがお酒を飲まないでどうやって売れるの?』って言うんですよね。でも、世間でホストは不健康というイメージがあって、不健康だからこそコンプライアンスを徹底できないというイメージもあって、いろいろなメディアで使いにくいということになるじゃないですか。
そういった不健康なイメージを払拭するために、“飲まない”というブランディングが一番、健康的なイメージをPRできるっていうのがあって。僕の中ではチャレンジではあったんですけど、それがあるから、いろいろな企業からCMのオファーを頂ける、という結果につながったと思っています」
“現代ホスト界の帝王”誕生の瞬間
“現代ホスト界の帝王”誕生の瞬間は、ローランド26歳のバースデーイベントだった。
このイベントで運ばれてきたのが、世界で1200本しかないという100年以上熟成されたブランデー「ハーディ・ペルフェクション・コニャック」。その値段はホスト店価格で 1本4000万円。
ホスト界では、「このボトルを客から贈られることが最高の栄誉」とされている伝説の一本だ。
これによって、その月に6000万円以上を売り上げたローランドは「歌舞伎町の歴史を“変えた”のではなく“作った”」と豪語。26歳にして“現代ホスト界の帝王”と呼ばれるようになったのだ。
そんなローランドは今年4月に独立。
実業家としての第一歩は、昨年末にオープンさせた脱毛サロンのプロデュース。「汚いは暴力である」とまで言い切るローランドらしい仕事だ。
自身がオーナーを務めるホストクラブ「THE CLUB」では、現役ホストを引き立てるサポート役に徹するはずなのだが、客を前にすると「福岡と東京の違い、何か知ってる?それは俺がいるか、いないか」と隠しきれない“ローランド節”を発揮。一方で、客の女性を待たせてしまったスタッフに対し、厳しく指導する姿も。
そんなローランドを間近に見ている若手の現役ホストは「僕の中で“人じゃない”と思っていて、ローランドさんはもう人間じゃない次元にいる方なので、一緒に働いて、一従業員である僕の話を聞いてくれるのはすごいなと思います」と話した。
このようにローランドが若手と分け隔てなく接するのには理由があるという。
「従業員たちに言うのは、“絶対にイエスマンになったらダメ”ということ。なぜなら、イエスマンが増えた時点で企業が衰退していくから。若手は伸びしろが大きい。それは周りがいっぱいノーと言ってくれるから。年配になると気を遣うし、周りに後輩がいなくなるのもそうですし、ノーと言われなくなる。それはかなり危機的な状況で、だからこそ、俺が間違っていると思ったら遠慮なく言ってくれ」と、実業家としての考えを明かした。
前に働いていた店と自分の店は同じビル
そして、店をオープンした「場所」にもローランドの狙いがあった。
実は前に働いていた店と同じビルの上の階に、自身のお店を設けたローランド。ホストが独立すること自体が御法度だという歌舞伎町の風習を壊していきたい、とした上で「第一人者として、自分が独立して上の階に店を出すってキャッチーじゃないですか。上手くいけばモデルケースを作れて、歌舞伎町という街にはビジネスチャンスがあると思ってもらえますし、自分の後の世代のためにもチャレンジしてみようかなというところ」と、出店した場所についての狙いを明かした。
さらに坂上はローランドに「僕らの世代にとって、ホストは、女の人を“だまして”じゃないですけど、“どれだけ貢がせられるか”というイメージがある」という質問をぶつけた。
すると、ローランドは「今もやっぱり、その印象は変わらない。そういうホストがいるのは事実なので。ただ、自分が会社を興したのは、ホストをやっている人って漠然と将来どうしようって気持ちがどこかにあるから。今の売れっ子ホストたちも同じ。俺らは今、ホストで売れててお金があるけど、将来どうしたらいいんだろうって、不安な子が多いと思うんです。だから、ホストをやめた後も、セカンドキャリアとして『ここまでできるんだよ』『ホストを足がかりにして、これだけいろんな事業ができたり、可能性があるんだよ』ってことを証明できたら、ホスト業界の位置づけが変わってくる。ホストの“未来”になりたいな」と、熱い胸の内を明かした。
(「直撃!シンソウ坂上」毎週木曜 夜9:00~9:54)