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藤前干潟、18日に30回目の清掃活動 参加者募集

新川堤防沿いのごみを確認する鈴木さん(右)と坂野さん=名古屋市港区で

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 市民団体と地域の自治会が協力し、名古屋市港区と飛島村にまたがるラムサール条約の登録湿地・藤前干潟や周辺河川を清掃する「藤前干潟クリーン大作戦」が、スタートから十五年になる。参加者は年々増加し、累計で三万四千人を超えた。「干潟のごみ問題への関心が着実に高まっている」と活動の担当者は十八日にある三十回目の清掃に参加を呼び掛ける。

 藤前干潟に流れ込む庄内川と新川に挟まれた、河口から約一キロ地点の名古屋市港区の河川堤防。勢いよくカワウが飛び立ち、オオヨシキリのさえずりが響く。自然豊かな情景だが、堤防沿いに目をやるとペットボトルやアルミ缶、アイスクリームの袋などがたまっている。

 「去年の台風で流れたごみが残っている。十八日の清掃で一掃したい」。活動の初期から参加する元国土交通省庄内川河川事務所職員の鈴木康平さん(68)が話す。

 第一回のクリーン大作戦は二〇〇四年十月。当時は小山のように積もったペットボトル、ポリ袋に入った生活ごみ、廃タイヤ、自転車、ストーブなどの家電製品が捨てられていた。庄内川の水質は〇二年時点で、中部地方の一級河川でワースト二位だった。

 愛・地球博(愛知万博)の開催も控え、「これ以上、恥ずかしい干潟の姿を見せられない」と、干潟の保全に取り組む市民団体が協議し、第一回の清掃が実現。以後は春と秋の年二回、清掃を続ける。参加者は初回の約二百四十人から増え、一五年秋には過去最高の約二千四百人が集まった。

 回収したごみは累計で約四万一千九百袋分。活動初期は買い物で利用するポリ袋が多かったが、最近はほとんど見ない。「〇七年からの有料化の影響が大きい」と鈴木さん。家電などの不法投棄も、環境意識の高まりで減っている。

 それでも、ごみはなくならない。藤前干潟クリーン大作戦実行委員長の坂野一博さん(68)=港区=は「ごみをゼロにするには、地道な清掃と啓発が必要」と力を込める。

 十八日の清掃は午前十時から。集合場所は、港区の東海通(県道名古屋中環状線)の明徳橋と日の出橋の間の中堤(中川区下之一色町)と、藤前活動センター(港区藤前二)の二カ所。安全性を確保するためサンダルなどは不可、できる限り長靴を着用。雨天中止。(問)鈴木さん=090(8421)1037

 (白名正和)

 

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