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長野宮田小のライチョウ剥製、北アと同系統 遺伝子解析で判明
宮田村宮田小学校が所蔵するライチョウの剥製が、北アルプス乗鞍岳などに生息するライチョウと同じ系統であることが国立科学博物館(東京)の遺伝子解析で分かった。剥製の台座に中央アルプス駒ケ岳を示す「西駒岳」との記載があることから、環境省信越自然環境事務所(長野市)は、駒ケ岳にかつて生息したライチョウが北アルプス系統であった可能性があるとみている。 駒ケ岳では、ライチョウが一九六九年以降、目撃されず絶滅したとされてきたが、昨年、登山者の目撃情報が寄せられ、環境事務所が現地調査で雌の生存を確認。遺伝子解析の結果、乗鞍岳などから飛来してきた個体とみられることが分かった。 これを受け、環境事務所は来月上旬までに、乗鞍岳でライチョウの有精卵を採取し、駒ケ岳の雌に抱かせる人工繁殖を試み、生息地復活を目指す取り組みを進めている。 環境事務所の担当者は「希少種保護では、生まれ故郷の遺伝子を大事にするのが大前提」と指摘。六九年以前の遺伝系統をさらに調べるため、地元の伊那谷でライチョウの剥製所有者に環境事務所へ連絡するように呼び掛けている。 宮田村教委によると、宮田小にはライチョウのほか、フクロウやリスなどの剥製がある。大正十(一九二一)年前後の年代が記されたものが複数あり、ライチョウに年代の記載はなかったが、村教委は同年代の剥製とみている。 解析のため貸したライチョウの剥製は今月中にも宮田小に戻る予定で、村教委は一般公開することを検討している。 (城石愛麻) 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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