<JCF6に参加> した通りです。 じつは、その実験の非常に詳しい内容を記した岩村氏の実験ノートが雑誌「固体物理」に掲載されています。 (「固体物理」 Vol.39 No.4 2004) この実験は、Cs(原子番号55)からPr(原子番号59)への元素転換と、Sr(原子番号38)からMo(原子番号42)への 元素転換を示した実験ですが、何十回とくり返してもほぼ100%再現するというのですから、科学者が驚きを隠せない のもうなづけます。 この分野はまだはじまったばかり。これからも様々な発見が続いていくでしょう。 科学としてこんな面白い領域はない! それにしても、現代科学では説明のつかない元素転換(核変換)が、シンプルな実験でいとも簡単に実証されてしまう 不思議さに打たれます。 「核融合には1億度の温度が必要!」と主張してきた従来の核融合理論はどうなるのでしょうか。従来理論には不完全な ところがあるのではないか。 論文の「おわりに」で、大阪大学をはじめ静岡大学や海外のグループも、この実験(or類似)の追試に成功したこと が書かれています。見事というほかありません。さらに、東大、東北大、理化学研究所のグループが、このメカニズム の解明にとりくむ予定のようですが。 自然の奥の深さ、人間の知恵の浅さを感じてしまいます。 静かな核融合は確実に起こっていました。 三菱重工の成果は、マスコミでも取りあげられています。 2004/3/29の「日経産業新聞」の記事では、セシウム,ストロンチウムのみならず、リチウムやカーボンにまで研究が 広げられていることが記述されています。 そこでは核燃料を再処理する技術への応用も検討されていることが書かれているが、実現すればまさに画期的な ことといえるでしょう。 また、エネルギー発電に関して「うまく制御できれば新たな発電システムとしても使える」(岩村主席研究員)と かなり具体性を帯びてきているのも驚きです。三菱重工は着々と研究を進めているようです。 ただ、この常温核融合の研究はまだまだはじまったばかりであり、今後まったく予期せぬような発見が相次いで いくことは間違いないと思います。 卑近なたとえですが・・ いまはまだ手がつけられていないイモ畑と同じ。大きなイモが地中にいっぱい埋まっている状態です。 だから早く畑に入るほど有利。大きなイモを掘りあてることができる。 多くの人が掘りつくした後では、大きなイモはもうない。小さいのばかり。若者よ、来たれ! いまは、量子力学が誕生した1900年初頭と同じ状況を呈しているのだと思います。 先日、ニューサイエンスを積極的に紹介されているサイエンスライター喰代(ほおじろ)栄一氏に、次のサイトを紹介 していただいた。 ケルヴランという科学者の学説を紹介されている朔明社のサイトですが、こんな巨人が科学界に存在した ということを、まったく知りませんでした。 サイトには数々の驚くべき事実が記されており、私は何度もくり返し読んだ。 じつは生物の生体内では元素転換がいとも簡単に日常的に行なわれているというのです。その証拠が多くの実証的 観点から提示されており、私は息もできないほどの衝撃を受けた。 例えば、ケルヴラン自らが行なった,バクテリアを使った実験が示されているが、これに驚かない人はいない でしょう。 これだけではなく、サイトの頁を読みすすめるにつれて、私の驚愕の度合いは増していった。 後半述べられている、ロシアのキエフグループのヴィソツキー博士らの研究は真に画期的。 じつは、この生体内元素転換(生物学的元素転換)というのは、ケルヴラン以外にも、現代にいたるまで多くの 人によって検証されてきているようです。 ではなぜ科学の表舞台に出てこないのか。それは、科学の土台を根底から揺るがすものであるからでしょう。 相対論問題をやっている関係上、私にはそういうことよくわかるのです(やはり・・)。 表舞台には登場しなくとも、多くの人によってささやかれきた事実が存在した。 (生体を経由しない場合の元素転換もケルヴランは指摘していますが。) 私は、この生体内元素転換というのが気になってしかたがない。 これらは、常温核融合と関係があるのでないだろうか? それとも、まったく無関係なものなのだろうか? 現時点ではまったくわかりません。しかし、これらが科学にとって重大なものであることだけは言えそうです。 とにかく、読者のみんさんも一度上記サイトを読んでみてください。 私はケルヴランの本を朔明社から購入し、さらに調査していくつもりです。 Web検索される場合は、「ケルヴラン」のみならず「ケルブラン」でも多く引っかかりますので、注意してください。 JCF6(CF研究会第6回年会)に参加したので、思いつくままに報告したい。今回は、「である」調で書く。 (CFとはCold Fusionの略で、もちろん常温核融合のこと) まず直前までそのような年会があるとは知らなかったのだが、上のJCFの最新情報の箇所でみつけ、仕事が偶然 空いたこともあってあわてて参加した。4/27、28 東京工業大学(大岡山)、百年記念館 そこは、高橋亮人博士、水野忠彦博士、小島英夫博士、山口栄一博士、岩村康弘博士など日本の常温核融合研究 の基礎を築いたパイオニアたちがあつまっていた。皆さんとお話しすることができ感激した。 この会は、思ったよりこじんまりとした感があったが、アットホームな雰囲気であふれ、結束感のようなものがあるよう に思えた。 東京の地理に明るくないため電車の乗り継ぎにもたつき、着いたときは(11時前)、技術ジャーナリストの山本寛氏 の講演が終わる直前であった。最後だけちらりと聞けたが、地震とCFの関係のことを話されたようだ。 山本寛氏は、常温核融合を積極的にアピールされている人のようだが、先見の明を感じる。 休み時間、水野博士(北海道大学)とお話したとき「今度、6月にまた新しい本がでますので・・」といわれた。 タイトルはおそらく「常温核融合」ということであるが、これは最新の情報がつまっているのだろう。ぜひ買いたい。 また興味深かったのは、大森唯義博士(北海道工業大学)の先駆的な研究に刺激されて、最近、軽水の電気分解 による核変換(元素転換)実験が流行りだしているということがわかった。 私は1995年以前の文献をよく読んだりしていて最新の情報にうといのだが、着実に新しい方法が模索されている ようだ。軽水では再現性はよくないようだが、重水の電気分解が主体とおもっていたが”軽水”というのは驚きである。 小島英夫博士(静岡大学名誉教授)は、常温核融合と1/fゆらぎという異分野の結合ともいえる話をされた。 東京都産業技術研究所の伴公伸(ばん・まさのぶ)氏が、私に1/fゆらぎとホワイトノイズの関係等を休憩時間に話 してくださり、よく理解できなかったのだが、とにかく”sinω/ω”が1/fゆらぎと関係があるらしい。 小島先生の発表の途中に、その”sinω/ω”(シンク関数)は、私がここ2年研究してきたゼータ関数に関わる大切 な関数であることにハタと気付いた、sinω/ωはゼータと関係している。 変な方に話がいってしまった。 他にもさまざまな興味深い報告がなされたが、この辺にしておく。詳しくは、Abstractを参照されたい。 やはり参加してよかったと思う。様々な人と知り合うことができ、また新たな知見を得ることができた。 実際に話を聞くのはペーパーでは読みとれない、微妙なニュアンスをつかめる気がする。 |