令和元年５月15日
金融庁

「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等（期間：平成31年１月１日～同年３月31日） 

 １．はじめに

（１）金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ウェブサイト・ファックス等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室（相談室）を開設しています。 

（２）利用者からの相談等については、専門の相談員（金融サービス相談員）が電話で対応しています。金融サービス相談員は、問題点を整理するためのアドバイスや、業界団体が開設している紛争解決機関等の紹介を行っています。また、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督等の参考として活用しています。なお、あっせん・仲介・調停を行うことはできませんので、予めご了承ください。 

（３）利用者からの相談事例と相談室からのアドバイス
寄せられた相談等のうち利用者の皆様に役立つと思われる相談事例及びそれに対する当庁からのアドバイス等を公表していますので、下記５．をご参照ください。

（４）相談等の受付状況の公表
相談室に寄せられた利用者からの相談項目・件数等については、四半期毎に公表しています。今期における相談等の受付状況等は、以下のとおりです。

 ２．受付状況

今期の相談等の受付件数は8,633件（１日当たり：平均149件）となっています（詳細については、別紙１をご参照ください。）。
相談等の内訳は、以下のとおりです。 

（１）相談等の類型
質問・相談として寄せられたものが6,461件（74％）、意見・要望として寄せられたものが1,669件（19％）、情報提供として寄せられたものが369件（４％）等となっています。 

（２）相談等の方法
電話による相談等が6,837件（79％）、ウェブサイトによる相談等が1,074件（12％）、手紙による相談等が283件（３％）等となっています。 

（３）相談等の分野
預金・融資等に関するものが2,914件(33％)、投資商品等に関するものが1,999件（23％）、保険商品等に関するものが1,833件（21％）、貸金等に関するものが701件（８％）、暗号資産（仮想通貨）等に関するものが574件（６％）、金融行政一般・その他が612件（７％）となっています。

 ３．分野別の特徴　　

（１）預金・融資等
預金・融資等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、ほぼ同水準（2,874件→2,914件）で推移しています。

要因別では、個別取引・契約の結果に関するものが994件（34％）、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが733件（25％）等となっています。

業態別では、銀行に関するものが1,849件（63％）、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが456件（15％）等となっています。

業務別では、融資業務に関するものが1,067件（36％）、預金業務に関するものが942件（32％）等となっています。

なお、銀行協会等の業界団体を紹介した相談等は343件ありました。 

（２）保険商品等
保険商品等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、やや減少（1,913件→1,833件）で推移しています。

要因別では、個別取引・契約の結果に関するものが785件（42％）、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが337件（18％）等となっています。

業態別では、損害保険会社に関するものが801件（43％）、生命保険会社に関するものが489件（26％）となっています。

なお、保険協会等の業界団体を紹介した相談等は459件ありました。

（３）投資商品等
投資商品等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、減少（2,264件→1,999件）しています。

要因別では、一般的な照会・質問に関するものが761件（38％）、個別取引・契約の結果に関するものが645件（32％）等となっています。

業態別では、証券会社（第一種業）に関するものが448件（22％）、個別法人・団体に関するものが403件（20％）、登録詐称・無登録業者に関するものが94件（４％）等となっています。

商品別では、上場株式に関するものが321件（16％）、ＦＸに関するものが237件（11％）、投資信託に関するものが149件（７％）等となっています。

なお、証券業協会等の業界団体を紹介した相談等は154件ありました。 

（４）貸金等
貸金等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、ほぼ同水準（683件→701件）で推移しています。

要因別では、一般的な照会・質問に関するものが298件（42％）、個別取引・契約の結果に関するものが142件（20％）等となっています。

なお、貸金業協会等の業界団体を紹介した相談等は38件ありました。

（５）暗号資産（仮想通貨）等
暗号資産（仮想通貨）等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、大幅に減少（788件→574件）しています。

要因別では個別取引・契約の結果に関するものが256件（44％）、一般的な照会・質問に関するものが205件（35％）等となっています。

なお、仮想通貨交換業協会等の業界団体を紹介した相談等は43件ありました。

（６）詐欺的な投資勧誘に関する情報
詐欺的な投資勧誘に関するものが216件あり、そのうち149件が何らかの被害にあったものとなっています。年齢別内訳は別紙１（別表）をご参照ください。

（７）事前相談（予防的なガイド）
事前相談（予防的なガイド）の受付件数は141件となっています。

（８）カードローンホットライン
カードローンホットラインの受付件数は４件（前期比▲３件）となっています。

（９）預金口座の不正利用に関する情報
預金口座の不正利用に関する情報提供は11件寄せられています。

 （10）貸し渋り・貸し剥がしに関する情報
貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は７件寄せられています（「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、別紙２をご参照ください）。

 （11）金融円滑化ホットラインに寄せられた情報
金融円滑化ホットラインに寄せられた金融の円滑化に関する情報提供は７件となっています（「金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付・活用状況について」は、別紙３をご参照ください）。

 上記（10）・（11）の受付件数の推移（再掲）については、別紙４をご参照ください。

 ４．利用者から寄せられた相談等の活用状況

（１）利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督部門の金融モニタリングにおいて活用しています。
今期に受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関等に対するヒアリングや検証等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。

　（活用事例）

また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ６口座の情報提供を行っています（金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください）。

 （２）前期における情報の活用状況
前期における金融機関等に対するヒアリングや検証等に際して、111の金融機関等については相談室に寄せられた情報を参考としています。

５．利用者からの相談事例と相談室からのアドバイス

（１）預金・融資等に関する相談事例及びアドバイス等

• 「免許の確認、預金保険制度に関する相談等」
• 「本人確認に関する相談等」
• 「盗難・偽造キャッシュカードに関する相談等」
• 「振り込め詐欺救済制度に関する相談等」
• 「特約付定期預金等に関する相談等」
• 「融資に関する相談等」

（２）保険商品等に関する相談事例及びアドバイス等

• 「保険内容の顧客説明に関する相談等」
• 「告知義務に関する相談等」
• 「保険契約に関する相談等」
• 「保険金の支払に関する相談等」
• 「少額短期保険業者に関する相談等」
• 「保険契約者の保護に関する相談等」

（３）投資商品等に関する相談事例及びアドバイス等

• 「金融商品の購入に関する相談等」
• 「投資信託の購入に関する相談等」
• 「外国為替証拠金取引に関する相談等」
• 「未公開株式の取引に関する相談等」
• 「自社発行未公開株に関する相談等」
• 「ファンドに関する相談等」
• 「金融商品取引業者（旧証券取引法上の証券会社）との取引に関する相談等」
• 「金融商品取引業の登録に関する相談等」
• 「株券の電子化に関する相談等」
• 「投資者保護制度に関する相談等」
• 「社債に関する相談等」

（４）貸金等に関する相談事例及びアドバイス等

• 「多重債務に関する相談等」
• 「違法な金融業者からの借入れに関する相談等」
• 「強引な取立てに関する相談等」
• 「取引履歴の開示に関する相談等」
• 「返済条件の変更に関する相談等」
• 「金利引下げに関する相談等」
• 「総量規制に関する相談等」
• 「都道府県登録業者に関する相談等」
• 「完済後の書面交付に関する相談等」

（５）暗号資産（仮想通貨）に関する相談事例及びアドバイス等

＊その他、金融庁のウェブサイト（「暗号資産（仮想通貨）の利用者の皆様へ」「利用者の方へ」）では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。

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