台風18号の影響による記録的な豪雨から一夜明けた11日、鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市の行方不明者は22人となり、警察や自衛隊などによる救助活動が続いている。栃木県と宮城県では計3人の死亡が確認された。気象庁は宮城県に大雨の特別警報を発表。同県大崎市を流れる渋井川の堤防が決壊し、付近の住宅街が浸水した。
鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では、警察や消防、自衛隊が約2千人態勢で救助活動を再開。商業施設に残された住民らをヘリコプターやボートで助け出し、行方不明者の捜索を続けている。同市によると、行方不明者数は10人増えて22人になった。
台風18号から変わった低気圧と日本の東にある台風17号の影響で、東北では10日夕から積乱雲が帯状に発達し、気象庁は11日未明、宮城県に大雨の特別警報を出した。
宮城県警などによると、栗原市で女性(48)が死亡し、男性(62)が行方不明となった。いずれも車に乗ったまま流されたとみられる。渋井川の堤防が決壊した大崎市では、約400世帯が自力での避難が困難になっているという。
今回の豪雨では、栃木県鹿沼市の土砂崩れ現場で見つかった女性(63)の死亡が確認されたほか、同県日光市で排水溝に引き込まれた男性(25)が死亡している。
太田昭宏国土交通相は11日の閣議後の記者会見で、鬼怒川の堤防の応急工事を始め、1週間程度で開口部を閉め切るとの見通しを示した。菅義偉官房長官は豪雨被害の激甚災害指定について「当然そういうことになるのではないか」と述べた。
安倍晋三首相は11日午前、首相官邸で開いた豪雨被害に関する関係閣僚会議で「国民の命を守るため、引き続き政府一丸となって被害者の救命・救助に全力を尽くす」と語った。