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【羽ばたけ中部勢】

ボート、17歳差の川浦&永冶組 息ぴったり!全日本で決勝狙う

2019年5月15日 紙面から

息のあったオールさばきで今後の飛躍を目指す中部電力の永冶(左)と川浦=岐阜県川辺町で(川越亮太撮影)

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 ボートの強豪として知られている中部電力(愛知)に今春、大きな可能性を秘めたコンビが誕生した。ダブルスカルの川浦慎平(35)、永冶旭(18)組。年齢は離れているが、コンビ結成からわずか2カ月でオールさばきや息はピッタリ。ベテラン・川浦の経験や理論と、ルーキー・永冶の若さをうまくミックスさせることで、今後の飛躍を目指す。

 年の差など関係ない。中部電力でダブルスカルのこれからを担う川浦、永冶組は今が実力伸び盛りだ。4月に行われた中日本レガッタ(中日新聞社など主催)では準決勝敗退となったが、同月の岐阜レガッタで優勝。確かな手応えが生まれた。

 「永冶はスポンジが水を吸収するようにぐんぐん実力が伸びています」と川浦が語れば、永冶も「高校の時は考えもしなかったことを川浦さんがたくさん教えてくれる。今はオールをこぐのが楽しいです」。陸に上がった後も、2人の息はピッタリと合っている。

 しかし、年下の永冶は約2カ月前にペアを組んだ直後、戸惑いを覚えたという。何しろ、川浦は17歳も年上。「高校の時(の年齢差)は最高でも2つ。組んだころはコミュニケーションに不安がありましたし、聞きづらさがありました」と振り返る。しかし、ベテランの川浦はそれほど気にしていなかった。

 「昔も10歳離れた選手と組んでいたこともあるので・・・。それに、一緒にトレーニングをして、水上でスピードを出していくということに変わりはないですから」。練習や試合の時は自分から気さくに声をかけるなど積極的にコミュニケーションをとるようにした。その成果もあり、今はトレーニング方法や試合後の反省を率直に話し合う。

 ダブルスカルは2人乗り。永冶が前に乗り、川浦が後ろに控える。18歳という若さを生かしたパワーを永冶が発揮したかと思えば、川浦はこれまで培った経験やスキルを生かしていく。それぞれの特性を生かしたオールさばきは何よりの武器。川浦はこう分析する。

 「永冶はこれからいかようにも化ける可能性がある。そこに、僕が感じたことをミックスしていくことができれば・・・。魅力十分ですよね」

 23日からは全日本選手権が控える。エントリーを済ませた2人は決勝進出を目標に置いている。岐阜レガッタで初優勝しただけに、意気は上がるばかり。「やるべきことをやって、目標を達成したい」と川浦が語れば、永冶も「もっとトレーニングを積んで自分たちのこぎを向上させたい」。2人で息を合わせて、全国の強豪に立ち向かっていく。

  (川越亮太)

 ▼川浦慎平(かわうら・しんぺい) 1983(昭和58)年11月4日生まれ、愛知県春日井市出身の35歳。愛知・旭丘高1年の時にボートを始め、慶大では3、4年時に早慶レガッタの対校エイト、2005年に岐阜県で開かれた世界選手権にかじなし4人スカルの日本代表として出場。中部電力に入社後は06年と13年の全日本選手権のエイトで4位に入賞した。

 ▼永冶旭(ながや・あさひ) 2000(平成12)年8月19日生まれ、岐阜県中津川市出身の18歳。恵那高1年の時にボートを始め、2年時は18年3月の全国高校選抜大会のダブルスカルで5位入賞、3年時は同年8月のインターハイにダブルスカルで出場した。卒業後の今年4月に中部電力に入社。

 

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