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【大リーグ】

お待たせ復帰1号! 大谷、131メートル弾

2019年5月15日 紙面から

ツインズ戦の3回、逆転2ランを放つ大谷。投手ベリオス(共同)

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◇エンゼルス5-4ツインズ

 【ミネアポリス小林信行】大リーグは13日、各地で行われ、エンゼルスの大谷翔平選手(24)が敵地でのツインズ戦に「3番・指名打者」でフル出場し、昨年10月の右肘手術から復帰6戦目で初本塁打を放った。1-2の3回の逆転2ラン。9回の右前打で今季2度目のマルチ安打をマークし、4出塁と存在感を示した。マリナーズの菊池雄星投手(27)は本拠地でアスレチックス戦に先発し、6イニング0/3をソロ3本を含む5安打3失点、5三振2四球。勝敗は付かなかった。チームは延長10回、6-5で逆転サヨナラ勝ちした。

 大谷だけがもつ美しいシルエット。高く、大きな弧を描いた白球が、中堅左の2階席にある電光掲示板にぶつかって落ちる。完全復活を告げる131メートルの豪快弾。地元局の実況がおなじみのフレーズを叫ぶ。「ワオ! ビッグフライ、オオタニサ~ン!」。敵地ファンがざわめく中、背番号17が悠然とダイヤモンドを一周した。

 1点を追う3回無死三塁だった。3ボール1ストライクから外寄り150キロ直球を打ち抜いた。「捉えた感じは『行くな』と思いました」。試合前のフリー打撃は41スイングで11本の柵越えを放ったが、中堅から左方向への打球は9本。「ボールの見え方も、捉え方も悪くなかった。レフト(フェンス)が浅めだったので多少打ち損じても行くのは分かっていた」と初めて訪れた敵地で、予行演習も完璧だった。

 前日まで5試合で打率1割9分。全24打席で長打がなかったが、10日の最終打席で復帰後初めて外野へ飛球を放ち、手ごたえを感じた。「少しずつステップしていった方が、何が良くて何が悪かったのか、はっきり分かっていいんじゃないかなと思います」。試合後は自身の打撃映像を繰り返し見て分析。泰然自若の態度を貫き、この日の一撃につなげた。

 左中間方向への本塁打は「自分の持ち味」と言い切る。「あそこにああいう飛距離の打球が打てる状態だという安心感がある。他の球種に対してもっと違うアプローチができるという、確認の意味ではいい打球だったと思う」。9回は左腕の外角低めスライダーをバットの先で右前へ運んだ。2戦連続マルチ安打で、2四球と合わせて4度の出塁。競り勝ったチームは大谷復帰後、5勝2敗となった。

 みんなが待ち望んだ今季1号に「明日以降、よりリラックスして打席に入れる、楽になってくるかなと思います」。右肘手術からの完全復活へ、大谷が新たな一歩を刻んだ。

 

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