メール配信のブラックリスト登録の原因と確認・解除方法
※この記事は、約3分で読み終わります。
※ライター:メール配信システム「ブラストメール」編集担当
・目次
ブラックリストとは
まずはブラックリスト診断
ブラックリストに登録される6つの原因
ブラックリストに登録されている?10秒で確認できる簡単な方法
意外と簡単!ブラックリストの解除方法
ブラックリスト登録を回避しながら高速メール配信するには?
メール配信におけるブラックリストとは
メール配信のブラックリストとは、「迷惑メールの送信元IPアドレスリスト」のことを指します。
自身のIPアドレスが登録されてしまうと、送信メールはほとんどの宛先に届かなくなってしまいます。
ここで言う「届かない」というのは、「迷惑メールフォルダに入る」という意味ではありません。
文字通り、どのメールフォルダにも入らず、届かなくなるのです。
まずはブラックリスト診断
一言でブラックリストといっても、いくつか種類が存在します。
ご自身に起きている現象を踏まえて、まずはどの種類のブラックリストに当てはまるのか診断してみましょう。
1.どのドメイン宛てに送信してもほぼ届かない
2. 特定のドメインにのみほぼ届かない
1.どのドメイン宛てに送信してもほぼ届かない ⇒ 迷惑メール対策団体ブラックリスト登録
大抵の場合、「ブラックリスト」とはこの迷惑メール対策団体ブラックリストを指します。このブラックリストは迷惑メール対策団体が各々で運営しており、迷惑メールを撲滅する目的で各々が活動しています。
このリストの多くはWEB上で誰でも利用可能です。
それぞれ特徴は異なりますが、どのブラックリストに登録されてもメール配信時の到達率は激減します。
なかでも「Spamhaus」というブラックリストは非常に強力で、これに登録されたらほぼメールが届かなくなるとまで言われています。
・Spamhaus
・Invaluement
・MXToolBox
・Spamcop
2.特定のドメインにのみほぼ届かない ⇒ 大手メールプロバイダのブラックリスト登録
Gmailなどをはじめとしたメールプロバイダ企業も、ユーザーに迷惑メール被害が発生しないように各々でブラックリストを運用していると言われています。
メールプロバイダ企業のブラックリストに登録されたとしても、その企業のサービスのメールアドレスへ配信しなければ関係ありませんが、頻繁に利用している事業者はメール到達率において大きな悪影響を受けることになります。
・ Office365でメールが届かなくなってしまった方向けのサービスhttps://licensecounter.jp/office365/tech10/tech07.html
・Outlook.comをご利用の方向けのトラブルシューティングhttps://sendersupport.olc.protection.outlook.com/pm/Troubleshooting.aspx
メール配信元IPアドレスがブラックリストに登録される6つの原因
ブラックリストに登録されてしまうと、販促メールどころか重要なお知らせメールなども送信できなくなるため、ビジネスに大きな支障が発生します。
しかし、中には身に覚えのない方もいるかと思います。実際、「真っ当に運用してきたつもりなのに気づいたら登録されていた」というケースもあるのです。
なぜブラックリストに登録されてしまうのでしょうか?
その原因は主に6つ存在します。
①大量リストへのメール一斉配信により、スパムとして判断されてしまった。
よくあるケースですね。
特定IPアドレスから大量にメール配信するという行為は、実は迷惑メール業者と判別されるリスクを抱えています。
それにより、キャリアやプロバイダ側からブロックされ、最終的にブラックリストに登録されてしまうのです。
②すでに無効なメールアドレスへ何度もメール配信を行っていた。
実はこれもブラックリスト登録の危険をはらんだ行為です。無効なメールアドレスは、宛先ドメインが無効なパターンとアカウント名が無効なパターンに分かれます。
宛先ドメインが無効なパターン
「abc@example.com」のexample.comの箇所が無効な状態。このパターンは何度発生してもブラックリスト登録されることはありません。
※但し、サーバへの負荷など別の問題は発生しますので、ご注意ください。
アカウント名が無効なパターン
「abc@example.com」のabcの箇所が無効な状態。
このパターンは何度発生してもブラックリスト登録されることはありません。
こうしたパターンが繰り返されると、サーバ側から「攻撃されている」とみなされブロックされてしまうのです。
配信リストを常にきれいな状態にしておくことで、こうしたリスクを回避することができます。
③スパムトラップへ送信し続けてしまった。
スパムトラップとは、ブラックリスト団体やネットプロバイダが迷惑メール業者などを探すために、使い捨てメールアドレスを拡散しておくことです。
こうしたメールアドレスに何度もメール配信してしまうと、迷惑メール業者の仕業だと判断され、その送信元IPアドレスはブラックリストに追加されてしまいます。
④PCがウイルスに感染して、メールを大量送信していた。
稀にこうしたケースも発生しますが、一般的なレベルでセキュリティ対策している方はそれほど気にする必要はありません。
何もセキュリティ対策をしていないようでしたら、今すぐに用意しましょう。
⑤メールサーバが踏み台にされてメールを大量送信していた。
外部からハッキングなどされることでサーバを踏み台にされたケースです。
勝手に自身のサーバからメールを大量配信され、結果として②のようなケースが発生してしまうということです。こうしたケースは決して稀ではなく、一般的に発生しうる現象なので、常にセキュリティ対策は万全な状態を維持してください。
⑥イタズラ・妨害を受けた。
様々な方法があるかと思いますが、例えば、自身のサイトのメールフォームに自動返信機能が搭載されている場合、無効なメールアドレスを何度もフォーム送信されてしまうと、②のケース(無効なメールアドレスへの配信)を誘発させられてしまいます。
上記のケースは、reCAPTCHA機能を導入し機械によるフォームへの入力を防ぐことで回避できます。
このメールアドレス、ブラックリスト登録されている?簡単な確認方法
複数回メールを配信しても相手に届いていない場合、まずはブラックリストに登録されていないか確認するようにしましょう。
確認方法は以下の通りです。
1.MGT.jpをWebブラウザで開いてください。
https://mgt.jp/t/black
2.上部の空欄に、メール配信に利用しているサーバのドメインを入力して「チェック」ボタンをクリックしてください。
3.少し待つと、ブラックリストへの登録情報が表示されます。
「登録されているサイト数」の箇所が0だったら問題ありませんが、これが1以上だった場合、登録されてしまっているという意味なので、何らかの対処が必要ということになります。
意外と簡単!ブラックリストの簡単な解除方法
ブラックリストに登録されたとしても、手も足も出ないわけではありません。
然るべき方法で、解除申請を行うことができます。
解除申請方法はブラックリストごとに異なるため、上述のMGT.jpでどのブラックリストに登録されているか確認し、そのサイト上で手続きしましょう。
迷惑メール対策団体ブラックリストに解除申請する
サイト上で解除申請すれば、比較的簡単に解除できます。
但し、どのサイトも英語表記のためどこから解除するのか分かりにくいので、Google Chromeの自動翻訳機能を利用しましょう。
Spamhausの解除方法
特にブラックリストとしての効力が高いとされているSpamhausの解除方法をご紹介します。
1.Spamhausにアクセスしてください。
https://www.spamhaus.org/
2.画面赤枠の「Blocklist Removal Center」をクリックしてください。
3.「Enter an IP Address」の欄に、メール送信元IPアドレスを入力して「Look up」をクリックしてください。
4.「Listed」表示内のドメインをクリックしてください。
5.SBL/XBL/PBLのいずれかの Removal formが表示されますので、クリックしてください。
6.フォーム内に、解除したいメールアドレスと確認のための表示番号を入力して「Remove」をクリック。
これでSpamhaus解除手続きは完了です。
メールプロバイダへの解除申請は不可
迷惑メール対策団体ブラックリストと異なり、メールプロバイダには解除申請というものが存在しません。そのため、メールサービスをご利用の方は、サーバードメインを利用している方より慎重にメール配信を行ってください。
高速メール配信しながらブラックリスト登録を回避するには?
ここまでご説明した通り、ブラックリスト登録の原因の中で特に多いのは、「大量リストへのメール一斉配信による迷惑メール判別」です。
特定サーバから大量にメール配信すると、そのIPアドレスがブロックされてしまいます。
これを予防するには、以下のような対策を実施する必要があります。
- 専用サーバを複数台用意して送信アドレス数を分散させる
- メール配信速度を落とす
しかし、上記を自力で予防しようとすると、ジレンマが生じます。
サーバを複数用意するとコストの負担が増えますが、メール配信速度を落とすとターゲットユーザーが読む上で最適な時間帯に届かなくなってしまうのです。
これらの問題を同時に解決するには、「配信」に特化したメール配信システムの導入をおすすめします。