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越前市でコウノトリペア赤ちゃん誕生 県内で自然繁殖55年ぶり

誕生したヒナ(黄色のまる内)とたからくん=越前市安養寺町で(14日、古木仁さん撮影)

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 県と越前市は十四日、同市安養寺町の人工巣塔で産卵した国の特別天然記念物コウノトリの野外ペアから複数のヒナが誕生したと発表した。県内で自然繁殖によるヒナが誕生したのは一九六四(昭和三十九)年に小浜市国富地区で確認されて以来、五十五年ぶりとなった。

 親鳥は二〇一六年に市内で放鳥された雄「たからくん」と、同年に兵庫県豊岡市で生まれた雌「みやび」。越前市農政課によると、十三日にカメラ映像で巣内にヒナが確認された。親鳥がヒナに餌を吐き出す行動などが見られたことを踏まえ、兵庫県立コウノトリの郷公園などと協議し、ふ化したと判断した。ヒナや卵の正確な数は不明。

 うち一羽は十四日に親鳥が巣からつまみ落としたため、死んだことが確認された。体が小さかったり、弱っていたりするヒナを死なせる「間引き行動」と呼ばれる行為。残ったヒナが巣立つ可能性を高めるためと考えられており、特に珍しい行動ではない。

 県内で野外コウノトリの産卵が推定されたのは三年連続。今年は坂井市内で営巣しているペアにもヒナ誕生の期待がかかっている。三月には越前市菖蒲谷町のペアも産卵が推定されたが、ふ化には至らなかった。

 (玉田能成)

 

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