提督の憂鬱 作:sognathus
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普段あまり見ぬ気の抜けた加賀の様子に利根は興味を引かれ、利根は自分の暇潰しも兼ねて加賀の様子を直接確認する事にしました。
*明らかな性的描写あり
「……」
「なんじゃ加賀ぼーっとして」
「利根さん……」
「お主らしくないではないか。覇気を感じぬぞ?」
「ちょっと……」
「ん?」
「ちょっと暇をしていまして」
「はぁ?」ズルッ
「……そんなに驚かなくてもいいではないですか」
「あ、いや、すまぬ。意外でな」
「そうですか? 手が空いてい暇なときは割と私はこんな感じですよ?」
「そ、そうなのか?」
「はい」
「そうか」
「はい」
「……」
「……」
(か、会話が続かん!)
「?」
「あ」
「な、なんじゃ?」
「利根さん、ちょっと」
「ん?」
「ちょっと私の前に。そう、そこ」
利根は加賀の手招きに応じて彼女の目の前にまで近づいた。
すると、それを確認した加賀は……。
「んん? 内密のはにゃぁぁ!?」グニーン
自分の間合いに入った瞬間、素早い動作で利根の頬を両手で摘まむと、いつか加賀が初風にしたように左右に伸ばした。
「ふふ、やっぱりよく伸びますね。可愛い」グニグニ
「にゃ、にゃにをしゅりゅのじゃあ!?」
「長門さんの真似になりますが、なるほど。これは確かに癖になりますね」グニグニ
「ひゃ、ひゃめりゅのじゃ!」ジタバタ
「無駄ですよ。例え利根さんでもこの基地最強の空母である私の力には適いません」ガシッ
「にょわぁぁぁ!!」
―――30分後
「う……ぐす……ひっく……」
「ふぅ……」キラキラ
「いや、そこは謝るところであろう!? 何を満たされ切った表情をしているのじゃ!?」
「え? ああ、どうもありがとうございました。お蔭で満たされました」ニコッ
「違ぁぁぁぁう!!」
「利根さんは私に弄られたのが不満で怒っているの?」
「それ以外に何があると言うのじゃ!!」
「それは確かに。ふむ……」
「……っ」(また何を言い出すか分からぬ。ここは警戒じゃ!)ササッ
加賀を警戒して間合いを離す利根だったが、それに対して加賀はそんな彼女の警戒心からは予想が着かない事を言ってきた。
「じゃぁ私にもしていいですよ」
「いいわけないであろう! またな……へ?」
「私の頬も伸ばしていですよ」
「え?」
「ですから私の頬も」ガシッ
「あ、ちょ……」
「こうつかんで……」グニッ
加賀は利根が油断している瞬時に間合いを再び詰め、彼女の手を掴むと手を添えて自分の頬を掴ませた。
「や、なにを……」
グニーン
「……ひょうれす?」
加賀は、頬を伸ばされた状態でも特に変わる事なく、いつもの落ち着いた雰囲気と半目で利根にそう訊いた。
「……え? あ……」(や、柔らかい……)
「こへではたりはへんは?」
「い、いやそういうわけではないが……」
「?」
「……っ」(なんで頬を伸ばされたままでもいつもの通りなのじゃ! なんか逆に可愛くおも……)
「あ」
「どうしました?」
「あ、いや……」フイッ
「ふぅ、これでお相子でいいですか?」
それから暫くして、加賀によって半ば無理やり彼女に報復をする事に成功した利根は、腑に落ちない気持ちながらもそれ以上は文句は言わなくなっていた。
「な、なんか納得がいかんが。まぁ……いいっ」
「そうですか」
ムニッ
「ひょわっ!? こ、今度は何をするのだ!?」
「あ、すいません。そこも柔らかそうだったので」
「ここは女人であらば、誰であろうと柔らかいであろう!?」
「いけません」バッ
「むぐっ!?」
「その言葉、人によっては限りなく該当しなかったりするんですよ。どこでそれを聞いてその人を傷付けてしまうか分かりません」ムニュムニュ
「むぐぐー!?」(そう言いながら揉むなー!!)
「あ、すいません。私のも触りますか? はい」ムニュ
「ふぐー!!」(そういう事じゃなーい!!)
―――それからまた30分後
「う……はぁ、はぁ……」グテー
「大分いい感じに仕上がってきましたね」
「だ……だへほ……へぇはと……」
クチュッ
「にゃうっ!?」
「ここも大分良い塩梅みたいですね」
「や、そこは……だめなのじゃ……!」
「もしかしてまだ大佐とは……?」
「~~~っ」コクッ
加賀の問いに利根は首下まで肌を赤くして照れ、小さくこくりと頷いた。
「そうでしたか。それではいけませんね。ごめんなさい」スッ
加賀はそれを確認して利根を惑わせていた手を大人しく引いた。
すると利根は、それをどこか名残惜しそうな目で見つめながら小さく声を漏らした。
「あ……」
「?」
「あ、いや……」カァ
「……利根、そこに座って足を開け」
「えっ!?」(た、大佐!?)
「……」ニッ
「……っ」カァッ
「大佐に思えましたか?」
「ふ、不思議なものじゃの。声は違うのに雰囲気が大佐だった……」
「それは光栄ですね」
「でも……」
「はい?」
「誠に残念というか複雑なのじゃが、大佐は自分からそういう事はあまり言わない、気がする……」
「……確かに。誘いには乗ってくれても自分から誘ってくれた事はありませんね」
「であろう? さっきみたいなセリフも吾輩たちの感情が昂っている時にそれを補助する時くらいではないか? 大佐はあんなノリノリな感じでは言ってくれないであろう」
「そうですね……」(まだ未体験だというのによく解っているわね。それだけ大佐がアレ、という事かしら)
「そうであろう?」
「「……」」
「「はぁ……」」
「……なんか興が冷めてしまいましたね。私は大丈夫ですけど、利根さんは大丈夫ですか? 希望なら手伝ってあげますが」
「……心誘われるが、遠慮しておこう。なんか部屋に戻って一人で勤しむ気も失せてしまったからのう」
戯れもそれまでというかのように利根が立ち上がると、加賀はそのまま立ち去ろうとする彼女にある物を手渡した。
「そうですか。あ、これを」
「ん?」
パサッ
「 」
「よかったらどうぞ」
「え、これ……」(冷た、もしかして……)
「私のです。一応感じていましたので」
「え? だ、だから……?」
「交換しません? あなたのと」
「なんで!?」
「何となく?」
それから暫くして、利根は廊下を一人歩いていた。
「……」(はぁ、なんで受け取ってしまったんじゃろう……)
恥ずかしそうに俯きながら利根は、ポケットから小さな布きれを少しだけ引き出してそれを見つめた。
「……」(加賀の、か……)スッ
「ふぅ……まぁいいか」
利根は誰にもともなくそう呟くと、それからは特に何かを気にしている様子もなく自分の部屋へと戻って行った。
「……」(どうやら計画は成功したようね)
その様子を廊下の曲がり角の陰から密かに確認する加賀の影があった。
その彼女の肩を後ろから叩く者が更に一人。
トントン
「……時間通りね」
「はい。勿論です」
「……どうぞ」スッ
「わぁ、ありがとうございます♪」(姉さんの……!)
筑摩は加賀から渡された物を嬉しそうに抱きしめる。
加賀はその様子を少し呆れた顔で観ながら言った。
「……姉妹なのですから面と向かってお願いすれば良かったのでは?」
「それでは意味がありません! この背徳感がいいんです!」
「……そうですか。私にはちょっと理解が難しいですが。でも私はそれを得る為に自分のを犠牲にしたのですが」
「え? そうだったんですか!? それは申し訳ございません。え、えーと……」ジッ
「? なんです?」
恥じらうような上目づかいで自分を見る筑摩に加賀は眉を寄せる。
「私の、いります?」ポッ
「……私が言うのもなんですが、この基地の風紀がちょっと心配です。大佐には何とか全員を女にして頂かないといけないわね」
「あ、や、やっぱりその所為なんでしょうか。最近ケッコンしている方が増えてきたから……」
「せめて駆逐艦の子たちにはこの空気が及ばない様に努力しないといけないわね」
「そう、ですね」
「「……」」
「「はぁ……」」
加賀と筑摩は先程加賀が利根とした様にお互い顔を見合わせると、再び共通の悩みに対して溜め息を吐いた。
意外にイベントをゆっくりやっているお蔭で取り留めのない話は思いつく余裕はあるようです。
まだE-1ですが、ゲージは半日掛けて3回破壊しました。
何故そんなに時間が掛かっているのかと言うと、それはバケツを使わず極力自然回復に努めているからです。
休みじゃないとこんな事できませんね。
というか、イベント前に無い弾薬で大型回した自分が一番悪いのですがw
利根はやっぱり弄られ役だと思います。