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【社会】「仁徳陵」国内3度落選…結実 近畿で唯一登録ない大阪歓喜
世界文化遺産への登録を勧告された大阪府の百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群。世界最大級の墳墓「仁徳(にんとく)天皇陵古墳」(大山(だいせん)古墳、堺市)で知られながら推薦が三度見送られ、近畿で唯一、世界遺産がなかった大阪府が悲願に大きく近づいた。 勧告を受けて十四日未明、吉村洋文知事は「古墳群が世界遺産にふさわしいと理解されたとうれしく思っている。大阪初の世界遺産登録が実現されるよう全力で取り組む」とのコメントを発表した。 堺市でも大山古墳周辺で市民らが登録勧告されたことを知らせるイベントを開催。市の広報キャラクター・ハニワ課長が「土器だけにドキドキして待っていた。古墳の素晴らしさが伝わって良かった」と喜んだ。 イベントには古代の衣装に身を包んだ市民ら約百五十人が参加。「七月、世界遺産へ」などと書かれた独自の号外を配るなどして登録勧告を祝った。 両古墳群の世界遺産登録を目指すこれまでの道のりは長く、苦労の連続。二〇一〇年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の暫定リスト入りしたが、国の文化審議会からユネスコへの登録推薦は原則として年一件の「狭き門」で、一三、一五、一六年と推薦書案が三度見送り。大阪府関係者も「“国内予選突破”のほうが難しい」と嘆いた。その間に、暫定リストからは長崎の教会群や福岡の宗像・沖ノ島などが世界遺産となった。 大阪府、堺市、藤井寺市、羽曳野(はびきの)市は見送りのたびに、有識者からアドバイスをもらい、原案の見直しを重ねた。構成資産の古墳は一時六十一基あったが、保全状況に問題があるものなどを外し、最終的に四十九基とし、十七年に四回目でようやく推薦された。 勧告でさらに削減を求められることも危ぶまれていただけに「満額回答」に堺市の勝真雅之世界文化遺産推進室長も「推薦した全ての資産が世界遺産にふさわしいとの評価を受けたことは大変うれしい」と喜んだ。
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