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【社会】

性犯罪「司法判断おかしい」 相次ぐ無罪「刑法改正を」

最高裁長官と法相への要望後、記者会見する「スプリング」の山本潤代表(中央)と志万田さをりさん(右)、金子深雪さん=13日、東京・霞が関の司法記者クラブで

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 父親から娘への性暴力など、性犯罪での無罪判決が各地の地裁で相次いでいる。性暴力被害の当事者団体「スプリング」は十三日、「司法の判断は被害実態を反映しておらず、市民感覚とずれている」として、法務省と最高裁に刑法改正を求める要望書を出した。被害者にとってあまりに重い「暴行・脅迫要件」が見直されるか、注目されている。 (出田阿生)

 現行法でレイプが犯罪と認められるには、被害者が性交に同意していないことだけでなく、相手からの「暴行または脅迫」によって抵抗が不可能だった証明をしなければならない。二〇一七年に刑法の性犯罪規定が一部見直されたが、この要件は温存された。

 要望書では、法務省に対し、この規定が「あまりにも高いハードルとなっている」として撤廃を含めた見直しを求めた。最高裁には、裁判官に、被害者がどういう状態に陥るかなど、医学的、心理学的に教える研修を徹底するよう訴えた。

 改正刑法には、三年後をめどに見直すという付帯決議があり、来年に迫る。スプリングの山本潤代表は「一連の無罪判決では、被害者が性行為に同意していないと認定されながら、無罪になっている。当事者として苦しい。刑法の見直しの審議を始めてほしい」と訴えた。

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