提督の憂鬱   作:sognathus
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夜更け、提督がその日の残務の処理を行っていると。
扉を隔てた廊下の方から何かが聞こえた。
それは人の声の様で、どこか悲鳴の様にも聞こえた。

やがてその声は段々と大きくなり、彼の部屋へと近づいてきた。

*明らかな性的描写あり


第×20話 「酔っ払い」R-15

アアアア……

 

「?」

 

やぁぁぁぁ……

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

バンッ

 

「大佐っ、た、助けてください!!」

 

「なんだ霧島、夜中にこん……な……」

 

夜中、突如前触れもなく半泣きの霧島が執務室に駆けけ込んで来た。

提督は先ずその失礼を問い質そうとしたのだが、入って来た霧島の顔と、その彼女に絡みつくように覆いかぶさっている一人の人物を確認すると、その有様に途中で言葉を失った。

 

「扶桑……? 何をやっているんだ」

 

「ふふふ……。霧島さん逃がしませんよぉ……」

 

 

助けを求めてきた霧島の顔は、半泣きでありながら顔は紅潮し、涎を口の端から垂らしているというだらしのない表情をしていた。

その原因は明らかに霧島に絡みついている扶桑のようであった。

彼女は霧島にのしかかる様にして片腕でその身体を逃さない様に首元をがっちりと腕で固め、そして空いたいた片手で……。

 

「ふふ、どうですか? 気持ち良いでしょう?」チュクチュク

 

どうやら霧島はケッコン祝いに扶桑の酒に付き合った結果、絡まれてしまったらしい。

 

「んっ、いやぁぁぁ! だめっ、やめてください! それ以上はだめ!」

 

「あ、霧島さんもまだだったんですね。もしかして大佐の為に……?」

 

「そうっ……そうです! まだケッコンしてから一度もシてな……。あっ、おねが……やめ……!」グス

 

抵抗の言葉を吐きながらも体を襲う快感の波に力が入らない霧島は、ただ泣く事しか出来ず、口で扶桑に慈悲を、目で大佐に助けを求めていた。

提督は流石にいろいろと見過ごすことができなかったので、取り敢えず扶桑を止めにはいった。

 

「……扶桑やめてやれ。霧島が可哀想だろ」

 

「え……? あれ、大佐……? え、何で私執務室に?」キョロキョロ

 

「場所が変わった事に気付かない程酔っているのか……。とにかくやめてやれ」

 

「あん……や! 嫌です! せっかくケッコンしたのに途中でやめるなんて」

 

「俺は霧島を開放してやれと言っているんだ。ほら、腕を解いてやれ」

 

「えぇ……? 霧島さん……?」

 

呆けた顔で若干目の焦点が合ってきた扶桑が、再び霧島を見る。

そこには普段のきびきびとした態度からは想像ができないほど、子供の様に泣きじゃくっている霧島の顔があった。

 

「う……ぐす……。もう、やめてぇ……」

 

「……え」

 

「正気に戻ったか?」

 

「っ! ご、ごめんなさい! 私ったら!」パッ

 

「っ、大佐ぁ!!」ダッ

 

正気に戻った扶桑に解放された途端、霧島は泣き顔のまま提督に飛びついた。

霧島は完全に動揺して力の加減をする余裕が無かったので、その衝撃は彼女の感情も含めてきれいに提督に伝わった。

 

ドスッ

 

「っ……う……ぐ……。だ、大丈夫だ……大丈夫……。もう心配ない」ポンポン

 

一体どっちが大丈夫なのか分からない絵面であったが、提督は健気にも冷汗を垂らしながらも霧島を優しく抱き締めてやった。

 

「う……もう、もうダメかと思いましたぁ。扶桑さんに……ハジメテ取られちゃうかと……ぐす」

 

「ごめんなさい、ごめんさい……。本当にごめんなさい」

 

震えて安堵の声を漏らす霧島の裏で扶桑は土下座しながら念仏の様にひたすら謝罪の言葉を唱えていた。

 

「扶桑ももういい。結局はケッコンの事で舞い上がってただけなんだろ? なら今度からは酒に飲まれない様に自制を心掛けろ。霧島も少し甘く感じるかもしれないが、あいつに悪気はなかったんだ。許しれやれ」

 

「大佐……。いえ、私は別に分かってましたから……。扶桑さんが酔っぱらっていた事は……。それに謝って反省もしてくれてるみたいですし、私としてはもう……」

 

「そうか、すまないな。扶桑もそれでいいな? 霧島はお前の態度を見て許してくれるそうだ。これで一応蟠りが出来ない事を俺に確約しろ」

 

「は、はい! ……霧島さん本当にごめんなさいね」

 

「い、いえ。もう大丈夫ですから……。大佐、私も約束します」

 

「ん、ならこれで一件落着だな。二人とももう部屋に戻っていいぞ」

 

「え?」

 

「え……?」

 

提督はこれで万事解決とばかりに手を振って二人に解散を言い渡したのだが、それに対して霧島と扶桑は意外そうな声を出した。

 

「あの……大佐……。仰っている事も分かりますけど、でも……ここで解散というのはそのぉ……」

 

先程まで霧島を襲っていた手を恥ずかしそうに見ながら扶桑は言った。

 

「私も扶桑さんに同意です……。大佐、こんな状態なんですからせめてこのまま……」

 

霧島も、はだけた服を恥じいがらも目を逸らしがちに言った。

提督はそんな二人に自身の配慮の足りなさを感じ、ふと時計を見た。

 

「二人一緒でいいのか? こんな時に不躾なのは承知で言うが、明日は早いから俺としては助かるが……」

 

その言葉にに扶桑と霧島は顔を輝かせて同時に返事をした。

 

「はい……! 感謝します、大佐!」

 

「お願いします。不束者ですが……」

 

 

 

「扶桑、先ずはお前からだ」

 

「はい……。お願いします。ん……」

 

行為に及ぶと決まる前から霧島のを弄って興奮していたのだろう。

扶桑は既に準備が整っている様だった。

 

「……これはもう前座は必要なさそうだな」

 

「はい……準備はもうできています……。というか、ずっと前から身体が疼きだしてもういろいろと限界で……。お願いです大佐、きて……」

 

「分かった。いくぞ」

 

「ああ……それが大佐の……。素敵ですぅ……。はぁ、はぁ……早く……どうぞ……。扶桑をお召し上がりください……」

 

「……」グッ

 

ズッ……。

 

「あ……はぁっ♪」

 

「……狭いな。くっ……」

 

「っ……んく、あ……いま……あ……♪」

 

その途中で一瞬鋭い痛みが扶桑を襲った。

痛みはそれなりにくるものがあったが、それでもそれが自分が提督の女になったという事、大佐にハジメテを捧げる事が出来たと事だと考えると、言葉にできない幸福感が扶桑を包み、精神的に痛みを緩和させた。

 

「扶桑、大丈夫か? 痛くないか?」

 

提督は扶桑を気遣ってうっくり動き、彼女に苦痛がないか確認した。

そんな提督に扶桑は目に涙を溜めながらも幸福と快楽に満ちた顔で嬉しそうに言った。

 

「あ……はぁ……だいじょう……ぶです……。痛みはさほどでも……。だ……ああっ。だは……らっ、もっと激しく……どう……ぞ」

 

「そうか。なら今から少し早くいくぞ。……ふっ」

 

「あああっ、あ……はぁっ♪」

 

 

「はぁ……大佐、扶桑さん……凄い……」

 

霧島はそんな提督と扶桑が愛の営みにふける様子をベッドに腰掛けながら恍惚とした顔で眺めていた。

 

「ん……んっ……」ピクッ

 

彼女も扶桑が服を脱ぐのに合わせて自分も脱ぎ終わっており、二人の淫行を見ている内に無意識に手が大事な所に触れていた。

 

「霧島、お前も来い」

 

悶々としている霧島を見て不憫に感じたのだろう。

提督がに彼女に声を掛けた。

 

「えっ。で、でも大佐は今扶桑さんに……」

 

「このままでも別にお前を相手にする事はできる。扶桑がいいならだが」

 

「あっ……いひ……。いいです……! たい……あっ♪ 大佐……どうか霧島さんも……い……イっ! ……いっしょにぃ……」

 

「だそうだ。俺も構わない、霧島、来い」

 

「あ、でも、私はどうしたら……?」

 

「扶桑を組み敷くように四つん這いになれ。そうだ。ああ、そして……」

 

「えっ、こ、この格好た、大佐に……」カァッ

 

思考が蕩けて考えが追い付かなかったのだろう、霧島が気付いた時には既に態勢は整っており、彼女の全てが提督の目の前に晒されていた。

 

「霧島も準備はできているみたいだな。だが今は扶桑の番だからな。今はこれで我慢してくれ。ちゅ……」

 

「っ!? ひゃっ……ふぁぁっ」

 

提督に見られていることですら恥ずかしいのに、それどころかソコを彼の口で攻められた霧島は今まで感じた事が無い感触に悲鳴の様な嬌声をあげる。

 

「大佐駄目で……んふっ! そ、それはもうしわ……けっ……!」ピクン

 

「はぁ……霧島さん……可愛い……。あっ」

 

自身も提督に攻められながらも霧島の痴態に母性を擽られた扶桑は、目の前に自分程ではないが、形がよく美味しそうなモノが二つ揺れている事に気付いた。

 

「美味しそう……んっ。霧島さん……いただきま……あっ……すね。んちゅ……」

 

「ふぁぁぁぁ!? ふ、扶桑さ……む……それ私のむ……ああっん」

 

「ん、ちゅぅ……ぺろっ。はぁ……あっ、あああ! はぁ、はぁ……ふふ、霧島さん美味しいですよ? 」

 

「は……だ、だめ……。そ、そんな二人同時に……な……んてっ。ああっ」

 

「くっ……」

 

「あ……。んん……あああっ♪ た……いさ……イッてしまわれました……か?」

 

「……すまん。お前はまだだったか……」

 

「いいえ、いまちょう……ん……。お腹……あったかくて良い感じです……♪」

 

「……そう……か。それなら良かった……」

 

「はい、ありがとうございました。じゃぁ次は……」

 

「霧島、準備はいいか?」

 

 

「はい……私は大丈夫です。ですから、遠慮なく今度は私、霧島に……」

 

「わかった……いくぞ」グッ

 

「っく……ぅぅ」

 

扶桑より霧島は隙間が少ないらしい。

最初こそ平気だったが、提督が問題の部分に触れると霧島は痛みに耐えかねてつい声を漏らしてしまった。

 

「やめるか……?」

 

その表情を見て提督も行為の中断を提案したが……。

 

「う……ぐす……だいじょうぶ……とは言いませんが……はぁ、はぁ。でもお願いです。最後まで……」

 

「……」

 

扶桑は、涙を滲ませながら痛々しい表情でそうお願いする霧島を見かねて、彼女をそっとその豊かな胸に抱き締めた。

 

「……霧島さん」ギュッ

 

「っ!? ふ、扶桑さん?」

 

「ん……安心して。気を楽に……。私がついていますから……」

 

「扶桑さん……」

 

霧島は、扶桑のその柔らかく温かい胸に包まれて何とも言えない安心感を感じた。

 

(女の胸でこんな気持ちになるなんて……。提督の胸も安心するけど、そっか、これが女性ならではの包容力なのかもな……)

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ……はい。ありがとうございます。でも、できればその……」カァ

 

「ふふ♪ いいですよ、このままで。大佐?」

 

「ん、霧島大丈夫か? このまま進めていいか?」

 

「あ、はい。もう大丈夫です。今だったら……お願いします」

 

「わかった。いくぞ……っ」ズン

 

「~~っ、あっ、は……あああああ!」

 

「霧島さん、落ち着いて。大丈夫よ」ギュッ

 

「はぁ、はぁ……大佐……? もう最後まで……?」

 

「ああ」

 

「良かった……。んっ……」

 

「痛いか?」

 

「はい。ジンジンします……」

 

「暫く動かないでいる。少し慣れろ」

 

「はい。ありがとうございます……ふぅ……」

 

「ふふ、霧島さん本当に可愛い……」ナデナデ

 

「む……」

 

優しい表情で自分を撫でる扶桑に霧島は何となく負けた気がした。

彼女には感謝しているし、この状況も悪くはなかったが、だがこのまま彼女の世話になりっぱなしというのもちょっと悔しく思った。

だから霧島は細やかな反撃に出る事にした。

 

「……」チュゥ

 

「っ、き、霧島さんっ?」

 

「扶桑さん本当に胸大きいですね……。ふふ、自分が言うのもなんですけど、龍驤が胸のある人に嫉妬するのも分かる気がします。ん……ぺろ」

 

「きゃうっ、ああ……んっ」ピクン

 

「はぁ、はぁ……それに柔らかい……」

 

「ん、ふっ……もう……霧島さ……んんっ」

 

キュゥッ

 

霧島と扶桑が交わっている様子を見て小休止していた提督は下半身に僅かに違和感を感じた。

 

(ん?)

 

キュン、キュゥゥ

 

「むぅ……」

 

快感からか余裕によるものかは判らなかったが、最初の時より明らかに霧島の感度が良くなっており、彼を痛いほどの快感が襲った。

 

(これならいけそうだな)

 

「霧島」

 

「ん……ちゅっ……。はい?」

 

「今なら行けるんじゃないか?」

 

「え? あ……はい、そうですね。動いてください大佐」

 

「了解した。そのまま扶桑の奴も可愛がってやれ」

 

「ふふ、了解しました!」

 

「え? 別に私は……ああんっ。き、霧島さ……」

 

「さぁ、扶桑さん。今までお世話になった分今度は私がお返ししますね。覚悟してください。ん……」

 

「あ……はぁ……。もう、こんな顔大佐と山城だけにと思っていたのに……。ふふ、それでは改めてよろしくおねが……ああっ、もう♪」

 

「ふふふ、よ……はぁぁぁ、ふぅ……。余裕は……あたえ……ませんか……ら……っ」

 

(本当に余裕がないのはこっちかもな)

 

提督は自分を霧島が自分を締め付ける力が更に強くなったのを感じ、腰を動かしながら密かにそう考えていた。




扶桑と霧島との情事がまだだったので二人纏めて消化しました。
腕の未熟さによる描写不足は申し訳ないです。
しかしこの意外なカップリング、書いてて結構楽しかったりしました。


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