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2014年10月26日日曜日

ウズベキスタン結婚事情

それは今月頭のことだった。
秋の訪れ、寒くもなく暑くもない心地よい気候の10月 — 年中結婚ブームと言えるほどのウズベキスタンでも、特に結婚式が盛んに行われる時期だ。実際にFacebook上では最近これでもかというほどに結婚式の写真が目に付く今日この頃。


「10月末にも結婚することになった、ぜひ参加して歌を歌ってくれないか」


私にそんなメールを送ってきたのは、かつて「ウズベキスタン恋愛事情(3)」(2013年12月)で取り上げた私の友人だ。
2013年末の段階の話で、彼は当時学部2年生の同じ地方出身の女の子に恋い焦がれていた。当時の彼の様子を、私はこう記している。

彼が今恋焦がれているのは、またもや同じ地方出身の2年生の女子学生。今年度から経済学のゼミを担当している彼のもとで学んでいるのだという。では、夏に恋焦がれていた4年生の女子学生はどうしたのか、というと... 
「まだきちんと返事を貰っていないから、SMSのやり取りは続けてる」 
どうやら、彼は2-3人の女の子に惚れているらしく、その全員とやり取りをしている(!)らしい。そして、とりわけ現在進行形で恋焦がれている2年生の女子学生には毎朝毎晩SMSを3-5通は送っている(!)のだという。返事が返ってくるのは4-5日に1通だそうだが、それでも彼は「返ってこなくても、僕の送ったメッセージが既読になっただけでも嬉しい」(!) と、脳内お花畑全開。

ウズベキスタンの新婚夫婦


そんな"恋多き"彼が、見事に射止めたのは、この当時2年生だった同じ地方の女子学生 — 今は奥様なのだが — なのだ!1年前の今頃はSMSの返信もあまりなかった彼女が、何と彼と結婚することになったのだという。


話を聞くに、彼は周囲の助言に従い、とにかく押しに押したのだという。
地元に帰る際には必ず彼女の分のチケットも買い、学内で会う度に花を渡し、毎日返ってこないSMSを数通送り、愛の讃歌を詠い、それはそれは、ウズベク男児たるもの、というようなアプローチを続けたのだとか。

日本でこれをやると、きっとストーカー一歩手前というか、ストーカーに限りなく近いのかもしれないが、ウズベキスタンでは割とメジャーな恋人ないし奥さんを得るための戦法だ。まさに、恋愛とは戦いなのだ。
彼は彼女のツレない態度にもめげず、時折返してくれるSMSを心の支えに、なんと半年以上にわたってアプローチを続けたという。



まだまだ見合い結婚が優勢なウズベキスタンでは、このような自由恋愛に基づいた結婚は少ない気がするが、徐々に増えてはきている。もちろん、最終的には双方の両親や親戚の許しを得る必要があるのだが、彼らの場合は生まれ育った地区が隣で、お互いに親戚のやりとりもあったそうなので、それはそれは、歓迎されたのだとか。



彼が博士課程を修了したこの夏、とうとう彼女は彼の熱烈なアプローチを受け入れ、彼との結婚を決意した。
ウズベキスタンでは、「付き合う=結婚」という構図がある。とりわけウズベクやタジクといったムスリムの間ではそうした考え方が顕著で、逆にロシア系などの非ムスリムは日本人と感覚的に近い。

実際に、彼らがお付き合いしたのは1ヶ月程度で、その後双方の両親に快諾を得て婚約を発表した。婚約発表から結婚式まで、なんと3週間ほど!
…と日本人なら驚く電撃結婚というか、スピード婚なのだが、ウズベキスタンでは至って普通なのだとか。

そして、実はこの文章を書いている2014年10月26日の今現在、まさにウズベキスタン西部の某都市で彼らの結婚式が執り行われているのである。おめでたい!

ウズベキスタンの結婚式は数日間執り行われるが、
結婚式の始まりには伝統的なラッパや太鼓を持った伝統芸能集団が、新郎新婦を迎える。


招待されながらも、私は日本を離れることができないため、残念ながら参加することはできないが、近しい友人だっただけに何もしないのは申し訳ないため、こうしてブログでお祝いすると共に、ビデオレターを届けることにした。


ちなみに、冒頭のように彼が私に「来てくれ、歌ってくれ」と依頼したのにはワケがある。私はウズベキスタン留学時代に、しょっちゅう結婚式に呼ばれては歌って小銭稼ぎをする、ということをしていた。
そして、昨年12月の段階で「結婚することになったら呼ぶから来てね!」と言われ、私は何も考えずに「当たり前だよ、歌うよ!」と返事したのだ。


メールの返信にはこうあった。

「私たちは幸せになるよ、
いつかまたウズベキスタンに帰ってきたら、私たちの家に来てね

すっかり"私たち"という表現が板についた彼の、今後の幸せな結婚生活を祈りつつ、周囲での結婚ブームに若干焦りを覚える今日この頃のこと。


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そのほか、ウズベキスタンの恋愛事情についてはこちらもどうぞ。

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