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2013年12月25日水曜日

ウズベキスタン恋愛事情(2)

期末試験が終わり、冬休み到来の喜びを噛み締める私に友人が声をかけてきた。
ここ数ヶ月まともに話していなかったので、お互いに数分は近況を確かめ合っていたのだが..


「...そういえば、最近気になっている娘がいるんだよね..」


これまでとは少し声量を抑えて、少々恥ずかしそうに言った。
彼は博士後期の学生で、間も無く修了予定。
大学内で彼の評判は「仕事も勉強もよくできる男」とすこぶる良い。

... だが私知っている。
7月の段階では、彼と同じ地方出身の4年生の女子学生に恋焦がれていたことを。 (その時も軽く相談を受けた気がするが)


そのことを踏まえて、彼に事の顛末を聞くことにした。
彼が今恋焦がれているのは、またもや同じ地方出身の2年生の女子学生。
今年度から経済学のゼミを担当している彼のもとで学んでいるのだという。
では、夏に恋焦がれていた4年生の女子学生はどうしたのか、というと...


「まだきちんと返事を貰っていないから、SMSのやり取りは続けてる」


どうやら、彼は2-3人の女の子に惚れているらしく、その全員とやり取りをしている(!)らしい。
そして、とりわけ現在進行形で恋焦がれている2年生の女子学生には毎朝毎晩SMSを3-5通は送っている(!)のだという。
返事が返ってくるのは4-5日に1通だそうだが、それでも彼は「返ってこなくても、僕の送ったメッセージが既読になっただけでも嬉しい」(!) と、脳内お花畑全開。


最近は電話のみならず、SMSでのアタックも一般的?なウズベキスタン


更に、彼女は彼の実家の近所の出身で、幼い頃から彼女の家族と面識はあったのだという。
日本にいると想像できないほど親戚付き合いが頻繁なウズベキスタンでは、相手の親兄弟と親戚の人となりも、「相手選び」の重要なポイントである。


ウズベク人の間では、10代後半以降になると「付き合う = 結婚が前提」なのだ。
以前にも書いたことがあるが、ウズベク社会には
 「女性は独立しては生きていけない,結婚しなくてはならない」
 「男性は独りで生きていけない女性のためにも,結婚しなくてはならない」
 「結婚し,家庭を築くことこそが何よりも大きな幸せである」

という考えが一般的に広く浸透している。


私が軽く驚いて口をパクパクさせているところに、「ウズベキスタン恋愛事情 (2013年5月22日発)で紹介した彼がやって来た。(彼ら2人は友人である)
5月の段階で2年生の女子学生と付き合うことになった彼だが、どうも数ヶ月もしないうちにフラれてしまった(!)らしい。

その理由が、「彼女が結婚することになったから」(!)
彼女は、彼女の両親が用意した相手とお見合いし、気に入ったので結婚したのだという。
ウズベキスタンでは、やはり今でもお見合い結婚が一般的だ。
現代の都市部でのお見合い事情としては、男性の親兄弟・親戚が良い娘を見つけ、ふたりを知り合わせ、あとは任せる... というのがよくあるパターン。

そんな彼が、今回相談を持ちかけてきた彼に言う。


「年末地元帰るんだろ?彼女の分の航空券も用意して、一緒に帰ればいいじゃないか」
「もっと押せ、押していかに自分が情熱的に好きか見せつけてやれ」


ああそうか、と彼は納得したような表情だった。
ウズベキスタンでは、日本では到底信じられないような粘着質且つ激しいアタックをするのだ。
少なくとも私が知る限りでは、彼らに限らずウズベク人男性の多くがこんな感じなのだと思う。


では、そんな猛烈なアタックを受けた女性は一体どうするのだろうか?
どうやら、一般的な考えでは「情熱的なほうがいい」らしいのだ。

最近まで猛烈なアプローチを受けていた女友達は、ついに折れて彼と結婚するに至った。
その彼は彼女との結婚しか考えておらず、彼女の返事を待つ前に結婚式の準備をしていたほど。
日本であればサックリと着信拒否をするなりで無視を決め込む案件に違いないが... これが、文化の差なのだろう。


随分とスッキリした顔になった彼は、最後にこう言った。


「うまく行ったら、結婚式には絶対に呼ぶから来てくれよ!」


おいおい、まだまだ付き合ってもいない... というか、SMSの返事も滞りがちなのに!
だがここはウズベキスタン。日本の恋愛の常識は通じない。
当たり前だよ、そのときは歌うよ、と返事をした私なのであった。


そのほか、ウズベキスタンの恋愛・結婚事情についてはこちらもどうぞ
 ⇒ 「ウズベキスタン恋愛事情(1)」
 ⇒ 「ウズベキスタンの結婚観」
 ⇒ 「ウズベキスタン結婚事情」

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