日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
社会資源
しゃかいしげん
social resources
社会システム論を下敷きにして考えれば、以上4種類の資源は、当該社会システムの機能的分化下位システムのそれぞれで特定化されて生産されており、その対応関係は、たとえばパーソンズ型の社会システム(AGIL図式)では、適応Adaptation次元=物的資源、目標達成Goal-attainment次元=関係的資源、統合Integration次元=人的資源、および潜在性Latency次元=情報的資源、のように整理することも可能である。おのおのの資源は機能的分化下位体系間相互でそれぞれインプット、アウトプットとして交換され、社会システムと全体の諸要件充足に資するわけであるが、こうした資源の具体的な配分方式やその制御にはきわめて多様なバリエーションがあり、それが時代や社会によって拘束された具体的・歴史的社会のあり方を彩っているわけである。また社会資源の絶対量や配分構造が当該システムの要件充足の最適化状態との関連で評価的に考察されるときには、これを通してシステムの状態が記述され、それに基づいた計画(的変動)が設計される重要な目安(指標)となるのである。[中野秀一郎]
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