頑張れなかったこと、これから頑張ること。 | からっぽ暮らし〜繊細な私の毎日〜

頑張れなかったこと、これから頑張ること。


 

 

日曜日は

職場のコンビニの常連さん

 

 

タクシー運転手のおじさんの

お見舞いに行ってきました。

 

 

この日で入院されて6日目。

 

 

穏やかな空の下

電車とシャトルバスを

乗り継いで行ってきました。

 

 

バスの中から見えた景色が

とても自然豊かで。

 

 

駅周辺はごみごみしているのに

少し奥地へ入れば

見事に山の中です。

 

 

この季節ならではの

勢いある緑たち。

 

 

乗り込んだ人の

少なさもあり

車内はとても静かで

 

 

流れてゆく景色と

5月の爽やかさに

全てが馴染んでゆくようでした。

 

 

車に揺られるのは、久々の感覚。

 

 

坂の上に見える団地

逆光の木漏れ日

古い陸橋

 

 

初めてみる景色なのに

どこか昔から知っているようで

切ないように懐かしく

胸を突きました。

 

 

 

 



日曜日の病院は

時間が何倍も

ゆっくり流れているみたいです。

 

 

ナースさんに案内され

おじさんの病室に

通してもらいました。

 

 

「こんにちは〜?」

 

 

「あ〜、ナナコちゃん。」

 

 

おじさんは、

点滴をたくさんぶら下げて

横になっていました。

 

 

「…疲れちゃった。」

 

 

おじさんは

ちょっと力なくそう呟き

 

 

「本当に来てくれるとは思わなかった。」

 

 

とおっしゃいました。

 

 

「日曜に行きますよ、って

言ったじゃないですか〜!」

 

 

「だけど、遠いもの。

本当に来るなんて思わなかったよ。」

 

 

なんだか驚いていましたが

嬉しそうにもしてくれて

でも、とても申し訳なさそうでもあり

 

 

複雑な表情を浮かべては

 

 

「ありがとな、元気貰った。」

 

 

何回もそう言ってくださり

私は笑いながらも

胸のあちこちが

小さく刺される感じがしました。

 

 

いつも逞しいおじさんが

弱っていて



悲しいのか?寂しいのか?

心配なのか?

 

 

そんなどこか苦しい感情が

私の内側を刺激するのです。

 

 

ちく、ちく、チクリ、と。

 

 

 


おじさんは相変わらず

与える精神旺盛で

早速私に小銭ケースを渡しては

 

 

「なんか好きな飲み物買ってこい」

と言ってくださり

 

 

その飲み物や

お見舞いに頂いたというお菓子を

私に食べろ、差し出して下さいました。

 

 

そのうち

別の2名もお見舞いに訪れ

 

 

その方達はおじさんの

ご近所さんだそうで

お母さんと

中学1年生の男の子でした。

 

 

とても優しい親子でした。

 

 

おじさんは

どこにいても

誰に対しても気前が良く

曲がったことが嫌いで

 

 

事あるごとに

「なんかあったらすぐ言えな、俺が守っから。」

必ずそう言います。

 

 

以前の仕事はもう

定年退職されていますが

 

 

とてもキャリアと

実績があったようで

 

 

退職前に働いていた会社では

勉強して国家試験を受け

仕事をバリバリとこなし

お給料も事実、

たくさん貰っていたようです。

 

 

そして今現在も

タクシー運転手として

朝から晩まで働きマンです。

 

 

若い頃は山登りが好きで

今だって歩くのが大好きで

散歩仲間もあり

美味しい焼肉屋さんを知っている。

 

 

牛肉大好き

お寿司も大好き

 

 

地元では

みんながお父さん、大将!と

読んでいるらしいです。

 

 

それは見栄や嘘ではないのが

わかります。

 

 

おじさんは

お金に苦労をしているから

働きマンなわけではないのです。



そして

人を可愛がるから

この病室にこうして人が

集うのです。 



お見舞いの品があるのです。

 

 






「あ〜タバコ吸いたい。」

 

 

そればかり言っていました。

毎日吸っていた人にとっては

6日間も吸えないのは

相当のストレスでしょう。

 

 

「早く、お店に顔だしてくださいね?

お父さん(おじさん)が来ないと、

寂しいんですから。」

 

 

「あぁ、そうか?

退院したらすぐ行くよ。頑張ろうな。」

 

 

 





頑張ろうな。

 

 

 

おじさんの頑張ろう、は

いつも魂がこもっていて。

 

 

私はこセリフを聞くたびに

ハッとして

その眼差しを見つめてしまいます。

 

 

「なんでも頑張らなきゃダメだ。

人は頑張るから、良いことがあんだ。

元気にやろうな。これからもよろしくな。」

 

 

おじさんは拳を突き出し

私も拳を突き出しました。

 

 

グーとグーで

青春の証、みたいに。



そしてさらに言いました。



「あとは、仲も良くなきゃだめだ。

世の中はみんなで協力しなきゃだめなんだ。

仕事も、夫婦も、ご近所も、な。」



今どき

こんなことを

本気で言ってくれる人は

どのくらいいるでしょうか。

 

 

途中から来られた

親子二人は

私より先に帰られました。


 







 

おじさんは私に聞きました。

 

 

「ナナコちゃんは、実家は?

お父さんと、お母さんは?」

 

 

「あぁ、えぇ、まぁ。

ちょと事情があって

今はもう会っていないんです。」

 

 

「えぇ?なんで?事情、って言ったって

お父さんとお母さんは大事にしなきゃダメだ。

今の自分があんのは

お父さんとお母さんがいるからなんだから。」

 

 

「…はい、そうですね。」

 

 

私は静かに微笑むことしか

出来ませんでした。

 

 






その通りです。

父と、母がいなければ

私はここにいないのです。

 

 

それ以上深い話にはならず

おじさんは

タバコを吸いたがっていました。

 

 

 

 

 

分かっていても

どうしても。

どうしても、出来なかったこともあるから。

 

 

感情の嵐と、その夜明けと、

荒野に立ち尽くすような、あの感覚。

 

 

それでも歩き出せたから

今がある。

 

 

人生は、自ら決断し

何かしなければ

何も変わらない。

 

 

良いことは、

頑張った先にあるということ

それも分かる。

 

 

分かります。

苦しいくらいに。

 

 

だから、私

お仕事、頑張ります。

ちゃんと頑張ります。

 

 

他にも私にできることは

なんでもしてゆこうと思います。

 

 

そうやって

大切に出来なかったことは

別の何かへ向けるから。

 

 

おじさんのことも

大切にさせてください。

 

 

だから私

今日はここに来たんです。

 

 

 

 

 

 

そんな熱い想いは胸に秘め。

 

 

昼下がりに

おじさんの病院を後にしました。

 

 

嬉しそうで、寂しそうな

その笑顔に手を振ってから。

 

 

 

 

 



タクシー運転手のおじさんは

もう78歳だそうです。

この日に知りました。

 

 

そんなご高齢には

ちっとも見えません。

驚いてしまいました。


 

 

 

 

今後はより一層

人生の先輩を敬い

 

 

仕事にも

自分が発信できることにも

 

 

もっともっと熱を込めようと

思いました。

 

 

頑張った先に

良いことがあるから。

 

 

付き合わせた拳を

忘れないように。



そして辿り着いた

今の世界では

ちゃんとみんなと

仲良く出来るように。

 

 






病院の外の空気は

やっぱり緑いっぱいで

気持ち良い風が流れていました。

 

 

時間の流れが

ゆっくりだった日曜日。

 

 

おじさん、

帰りを待っています。

 

 

 

 

 


 

 

Today's words

 

「愉しく頑張って、笑おう。」

 

 

by milk cafe 

 

 

「milk cafe 」とは

大切なひとり時間の象徴です。

 

自由で軽やか

楽であり美しい

私らしい毎日。

 

それはカフェの様な日常。

 

そんな毎日を送ることが

私の夢です。^^

 

 

 

 

 

 

 

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