「フ」のローマ字表記は「hu」?「fu」?

公開:2016年4月1日

Q
「深い」をローマ字で書く場合は「hukai」「fukai」どちらを使えばいいでしょうか。
A
どちらの表記を使ってもかまいません。

<解説>

放送で使うローマ字表記は、昭和29(1954)年、内閣告示「ローマ字のつづり方」に示されている表記の範囲で行っています。

「フ」は「hu」と「fu」のどちらの表記も示されており、どちらを使うこともできます。

ローマ字表記には、いろいろな方式がありますが、方式によって「フ」の示し方が違い、2つの表記があるわけです。

ローマ字表記の方式の代表的なものは、以下の3つです。

  • ヘボン式・・・標準式とも言われる。幕末に日本にやってきたアメリカ人宣教師ジェームズ・ヘボンが考案した表記法。日本語の仮名づかいによらず、発音によってつづるため、英語の知識をもった人がこのつづりを見れば、日本語の発音が読み取りやすい。
  • 日本式・・・明治18(1885)年に公案された表記法。五十音図に基づく子音と母音の組み合わせでおのおのの音を表した表記法。
  • 訓令式・・・昭和12(1937)年の内閣訓令「国語ノローマ字綴方ニ関スル件」で示された方式。日本式に近い形で整えられている。

「ローマ字のつづり方」にはこの3つの方式が、第1表と第2表とに分けられて示されています。第1表に示されているのが「hu」で、これは、3つの方式で言うと、日本式と訓令式です。また、第2表に示されているのが「fu」でヘボン式です。

日本語の「フ」が、英語の「f」の発音に近いということを示すため、ヘボン式では「f」を使っています。

内閣訓令および内閣告示「ローマ字のつづり方」は『NHK漢字表記辞典』の付録に全文が示されています。

また、「ローマ字表記」について、『放送研究と調査』平成18年3月号に関連記事があります。あわせてご覧ください。

メディア研究部・放送用語 山下洋子

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