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2019年5月13日 紙面から
プロ初先発で初勝利を挙げ、スタンドのファンの声援に応える清水(小沢徹撮影)=甲子園球場で
母の日に最高のプレゼントを届けた。中日は12日の阪神戦(甲子園)、高卒2年目の清水達也投手(19)がプロ初先発し、5イニングを2失点に抑えて初勝利。孝行息子は腰痛、離脱の福谷に代わるマウンドで躍動し、チームに6カードぶりの勝ち越しをもたらした。
幾多のピンチにも変わらなかった表情がくしゃりと崩れる。「うれしいです」。記念の白球を握り締め、誇らしげにカメラに収まる姿が初々しい。2年前に思い出を刻んだ甲子園で、竜の若武者・清水がやった。
福谷が腰痛で離脱したため、母の日に巡ってきたプロ初先発。9日の夜に告げられてから「緊張しっぱなしでした」。2点を先制してもらった初回は案の定、ガチガチ。あっという間に追いつかれた。
だが2回以降は持ち直す。毎回のように走者を背負いながらも決め球フォークを生かし、本塁だけは踏ませない。再三にわたる味方の好守にも助けられ、5イニングを4安打2失点。我慢の投球でプロ初勝利を引き寄せた。
全国制覇した高校時代とは違う完全アウェーの聖地にも「球場は同じなので自分は相性がいいと思って投げられました」とニコリ。地元・埼玉県深谷市から駆けつけた母・百合野さんと姉・瞳さんに最高の姿を見せることができた。
「産んでくれてありがとう!!」。ヒーローインタビューで照れくさそうに口にした。これまで大きなけがなく野球人生を過ごしてこれたのも「丈夫な体に産んでくれたおかげ」と19歳はよく口にする。百合野さんいわく「臆病で甘えん坊。一番手がかかった」という3人きょうだいの末っ子は思いやりの気持ちを忘れない。
昨年の母の日にはイタリアのファッションブランド「フルラ」のバッグをプレゼント。名古屋市内の繁華街にあるブティックへ出向き「完全に場違いでした」と苦笑しながらも丁寧に選んだ。
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