2019年の大河ドラマは、宮藤官九郎オリジナル脚本の「いだてん~東京オリムピック噺」です。
「いだてん」は、1912年のオリンピック初参加から、1964年の「オリンピック」開催までの激動の52年間を、歴史に翻弄されたスポーツマンたちの姿を通して描く「東京&オリンピック」の物語。
2020年の東京オリンピックを目前に控えた2019年の大河ドラマにふさわしい題材ですね。
こちらの記事ではドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』の第7話と次回の第8話のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!
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「いだてん~東京オリムピック噺」第7話あらすじや感想とネタバレ
第7話あらすじ
治五郎(役所広司)の口車にのせられて自費で渡航費を用意しなければならない金栗四三(中村勘九郎)は、兄・実次(中村獅童)に藁(わら)にもすがる気持ちで資金援助の手紙を出す。いよいよ出場選手としてオリンピックのエントリーフォームに名を連ねる四三と弥彦(生田斗真)。弥彦の豪邸で海外の食事マナーを学びながら、四三は、三島家の冷めた親子関係を感じ取る。それは貧しくとも自分を応援してくれる家族とは全く異なる姿だった。しかし、いっこうに兄からの便りがなく困り果てる四三。そんなとき、目の前に救いの神が現る!?
第7話の感想やネタバレ
第7話の感想
可児さんは終始いい人ですね!!こんな先生に出会えた四三はラッキーですね。
透明感がありますね!!そして、この池部家はきっと嫁ぎ先ですね。
迫力がヤバイ!!(笑)女西郷!!
さすがに「crabu=蟹」はちょっとひどいですね(笑)。まぁ、フォーティースリーもどうかと思いますが(笑)
かなり、大森夫妻をディスってましたからね…。お互い気まずいですね。
違うと知った時の永井先生を見てみたい(笑)
同じオリンピックに出る二人の境遇の違いがハッキリ見えた回でした。しかし、金がある弥彦が必ずしも幸せかは分からないと思いました。そして、やってきました!!実次!!なんだ、あの格好は…(笑)と思いましたが、やはり感動しました。
第7話のネタバレ
意識する二人
四三はオリンピックに向け、走り込んでいた。その頃、弥彦は治五郎と話し、自分の羽田での記録が世間で認められていないと聞く。負けず嫌いの弥彦には悔しさがこみ上げてきた。
オリンピックまで3ヶ月と迫り、四三には実家からの返事はなく、焦っていた。四三は可児に、兄は自分が走ることをよく思っていない上、そもそも1800円もの大金は厳しいとこぼす。そして、四三は休学し、借金してでもオリンピックへ出ると言った。可児はどうにかならないかと治五郎にかけ合うも、治五郎には10万ほど(現在の数億円)の借金があり、不可能だった。そんな中、大森兵蔵は四三がひとりでストックホルムへ行くのはホームシックになりかねないと懸念し、引率の者でもいればと言った。その言葉が頭をこだまする永井と可児だった。
決意の二人
弥彦は酒とタバコをピタリと止め、オリンピック参加を決意するが、弥太郎が納得しない。弥太郎は横浜正金銀行を弥彦に任せ、自分は日銀の総裁になる予定だったのだ。金があるのに行けない弥彦、行けるのに金がない四三。
しかし、四三に実次から返事が来る。実次は四三の活躍を新聞でも知っていて、地元をあげてお祝いムードだと書いていた。そして金は田畑を売ってでも、用意すると書かれていた。その手紙を可児にも見せ、四三と可児は抱き合って泣いた。四三は、感謝の手紙を出した。
そして弥彦も正式にオリンピック参加を決め、治五郎の元、四三と弥彦はオリンピック出場の書類にサインした。ストックホルムへは陸路で向かう。2週間かけシベリア鉄道でロシアを横断するのだった。同行者は治五郎の他に1名か2名を付けると言う。治五郎のその言葉に、微妙に意識する永井と可児。四三と弥彦は安仁子に英会話やテーブルマナーを教わることになり、弥彦はコックも給仕もいる自宅を使うよう提案した。治五郎はそれはありがたいと、申し出を受けた。
その頃、実次ら四三の家族は金策に奔走し、スヤの父親のところへもお願いに行く。話を聞いていたスヤ勧めで、スヤと共に玉名の庄屋・池部を訪ねていた。池部邸へつくと、スヤは親しい様子で、実次共々、家の中へ案内された。
三島家
さて、三島家で開かれた食事会。四三の付き添いで可児も参加し、和歌子や弥太郎に挨拶した。だが、弥太郎や母親・和歌子は全く賛成していない様子。そんな中、弥彦は相変わらず自由で、四三に趣味は何かと問い、自分はピアノやカメラに夢中だと言い、ピアノを弾き始めた。四三は趣味は走ることだと言い放った。その口調に、和歌子は熊本人じゃと言い、和歌子が薩摩人だと知った四三はさらに話しかけようとするが、「意味がない話」と一蹴され、トイレへ逃げた。そこで、日露戦争の悲劇の将軍・乃木希典と遭遇。この頃、三島家は名立たる人物のサロンとなっていたのだ。
そして何故か和歌子も参加してテーブルマナーの指導が始まり、安仁子は四三をフォーティースリー(43)と呼び、ダメ出しの連続だった。特に、料理が出てくる度に「いただきます」という四三に、和歌子が突っ込み、安仁子は外国に「いただきます」という意味の言葉はないと教え、一番目上の人が手を付けてから食べるのがマナーだと言った。
四三はこの日、弥彦と自分の身分の差を痛感した。帰宅しようとすると、シマがおにぎりを持ってきてくれた。ほとんど料理を食べていなかっただろうと、弥彦の心遣いだった。
可児と永井
永井は可児が食事会に参加した訳を聞く。すると、可児は校長に言われて心細いであろう四三に付き添ったと言う。このことから、永井はストックホルムへの同行者は可児で決まりかと言うが、可児はまだ分からないと言い、治五郎が2名を連れて行くかもしれないと言っていたと自分たち二人を指さした。ついたての向こうで咽る兵蔵。「何も聞こえなかった」と言う安仁子。
四三と治五郎
オリンピックまで一ヶ月となり、実次からはまだ何の便りもない。四三は本や持ち物を売る準備をしていた。同室の美川は優勝杯が一番高そうだと言うが、これは売れないと言った。自腹でオリンピックへ出ることになった経緯を美川に話すと、騙されていると言われ、直談判を促され、校長室へ向かう四三。入ろうとした時、中から、治五郎と可児が治五郎の借金の話をしているのを耳にする。不安になった四三は治五郎に弱音を吐くと、治五郎は四三を連れ出す。
そして治五郎に大いに影響を与えた勝海舟の刺繍入りのコートを質に入れ、その金を個人的な餞だと言い、メモを渡し百貨店・三越でその通りに注文するよう言った。三越呉服店で立派なコートと背広を新調した四三だが、形ばかり揃っていくことに不安を募らせる。
その頃、治五郎は可児に、同行者が決まったと言う。「よろしく頼むよ」という治五郎に、可児は自分は確定だと確信するが、もうひとりは誰かと聞くと安仁子だと言う。自分と安仁子という不思議な組み合わせに首を傾げていると、同行者は兵蔵と安仁子だと分かる。「よろしく頼むよ」とは、「留守を」という意味だった。そこへ、永井はシベリアで下車するかもしれないと、奮発してコートを新調し、部屋に入ってきた。可児は同行者のことを伝えておくよう治五郎に言われ、気まずいのだった。
四三と実次
四三は改めて、三島家でレッスンを受ける。レッスン前に、弥彦に写真を撮ってもらい、現像した写真を実家へ送るようもらった。四三のテーブルマナーは相変わらずで、和歌子にムール貝を飛ばしてしまうほどだった。
擦り切れた足袋を持って播磨屋に行き、なぜ擦り切れるのかと聞く。辛作は「走るものじゃないから」と答えると、四三は「なぜ走るのか」と清さんに聞く。清さんは「金になるからよ」と答えた。車屋は走れば金になるが、マラソンは金がないと走れない…。
そして未だに実次からは連絡がないため、いよいよ羽田の予選会の優勝杯を売ろうと決心した。そんな四三の目の前に、実次が現れる。実次は大事そうに1800円を抱えていた。
「いだてん~東京オリムピック噺」第8話あらすじや感想とネタバレ
第8話あらすじ
大金を携えて上京してきた兄・実次(中村獅童)から、春野スヤ(綾瀬はるか)の働きかけで資金を得られたと知る四三。スヤと無邪気に野山を駆けていた自分が、オリンピックのために海を渡る不思議さを感じつつ、兄に一生懸命戦うことを誓う。四三の壮行会が開かれるころ、スヤは熊本で嫁入りをする。見送る大勢の人々の「敵は幾万」の歌に包まれ、オリンピックに出陣する四三と弥彦(生田斗真)。まさに汽車が動こうとしたとき、弥彦の名を叫ぶ声がする──。
第8話の反応と期待の声
第8話の展開予想
次回はいよいよストックホルムへ向けて、出発ですね!!そこで、和歌子に泣かされそうな予感です!!あの人は7話でもそうですが、そんなに冷血な人ではないですね!!いよいよ、長旅の始まりです!!
第8話の感想やネタバレ
第8話の感想
意外と美川くんは大物になったりして…
三島ママンのシーンは言わずもがななんだけど、清さんのほっぺたぺちぺちシーンもすごく好きだったな #いだてん pic.twitter.com/lP0O95OR6K
— えんどう ゆか (@tsubom1002) 2019年2月24日
生きてきた環境を超えて、今同じスタートラインにいることに感動しました。
えぇ~~!!??和歌子さん、めちゃくちゃ泣かしますね…。
画面に釘付けでした。
記者が言うことに「はい」って言っただけなのに…(笑)
可児さん、段々と酔っぱらいの回数が増えてきましたね(笑)
今までの複雑な関係や、お金の問題、四三の恋心に一区切りつきましたね。ここからいよいよ始まりますね。それにしても、今回のMVPは和歌子さんか…可児さんか…(笑)治五郎先生はなぜ乗れなかったのかがちょっと謎です。
第8話のネタバレ
金円 持ってきたばい
志ん生
何だ 声がでけえな 田舎者は。 ええ
羽田予選の優勝カップを質に入れ
ストックホルムオリンピックの渡航費に
充てようとしたやさき
兄 実次が東京へやって来ました。
野口あっ 来た
あれが うわさの 誇大妄想の鬼か。
橋本らしいな。
しかし 何しに来たのか。
決まってるじゃないですか。
弟を連れ戻しに来たんだ。
橋本何だって
「かけっこなんかに うつつ抜かしおって
このごくつぶしが」。
「兄上 許してくれんですか 兄上」。
「ええい ならん
熊本に連れて帰るぞ」。
橋本なんと無理解な。
橋本さん 平田さん
いざとなったら 僕らが身をていして
我らが金栗さんを守ろう。
橋本よし。
それにしたっちゃ 兄ちゃん
なし いきなり。
なしって
ぬしが遠方に行きなさる前に
日頃から世話になってる諸先生方や
ご学友に挨拶せんといかんし
金も渡さんといかん。
金… ばっ
大事な弟の渡航費だけん
郵便為替じゃ送れんばい
兄上
お 金栗さん 泣いておるぞ。
実次泣くな
まさか… 田んぼば 売ってしもうたつね
ねっ そぎゃんね
池部幾江はい。 よう がまだした。
ありがとうございます。
幾江はい お疲れさん ようがまだした。
ありがとうございます。
幾江ほれ 持っていきなっせ。
ありがとうございます
はい お疲れさん。
持っていきなっせ。
重行ばってん 金栗さん スト…
ストックホルムオリムピックですか
そぎゃん立派な大会でしたら
国が 金ば出すとでしょうが。
あ オリンピックは
アマチュアの競技会で。
スヤアマチュアは
本職じゃなかって意味です。
本職じゃなかったら 遊びじゃなかね。
金栗さん すまんが
こぎゃん得体の知れんもんに
金ば出す人は
こぎゃん田舎には おらんとばい。
弟のためなら 田畑は売ってもよかと
俺は思うとります
四三は そんだけの価値のある男たい
スヤお義母さん。
あ お邪魔してます。
金栗です。 今日は…。
声の大きかですけん
あらかたは聞こえておりました。
どうもすいません。
幾江ばってん 金栗さん
田んぼの のうなって
どぎゃんすっとですか
家族も大勢おっとに。
幸い 私は役場にも勤めておりますし
稼ぎのありますけん。
ばってん 酒蔵ば潰して 土地ば手放して
そぎゃんしてまで行かせたかですかね
その… スト… スト…
ストリップ
ストックホルムオリンピックです。
重行たかが かけっこでしょうが。
そぎゃんもんのために
財産手放すとですか
どぎゃんしても行かにゃいかんとですか
それは。
行かせてやりたかです
いや… 里も走った そん先に
何のあるかは知らん。
いや 何もなかかもしれん。
ばってん そん景色ば 見る資格ば
四三は持っとる。
兄として… 見せてやりたかです
あ もう分からんけん こうしましょ。
買った田んぼ 貸しましょ。
えっ 貸すって誰に
あぁたよ 金栗さん。
重行お母さん
円で 田んぼば 買いましょ。
それをタダで貸しましょ。
あぁたは 今までどおり
百姓ばして 米ば作って暮らせばよか。
幾江さん
このお礼は何と申したらよいか…。
あぁたを信用したわけじゃなか。
スヤさんばい。
こん人の頼みとあらば
力にならにゃいかん。
なあ 重行。
スヤお義母さん。
スヤさん ありがとうございます。
幾江はい。 こん話はおしまい
ほんなら 売らんで済んだつね
ああ。 売ったばってん
暮らしは変わらん。
お そのほかにも
春野さんやら 玉名中学の校長先生やらの
餞別もあるけん
これで 思いっきり闘ってこい
兄上… なんと礼ば言うたらよか…。
これ… 四三。 ほれ。
戸が開く音
野口ちょっと待った
届くか
大丈夫
金栗君 ちょっといいかな
どちらさんですかね
あっ 野口君 橋本君 友達。
ただの友達じゃない。
お兄さん 僕ら寄宿舎の総務で
金栗さんの後援会を作りました。
後援会
福田そぎゃんですたい。
遠征には たいぎゃな金のかかると聞いて。
この度 寄付金が円に達しましたので
持ってきました
ばっ
福田全国の師範学校から
集まったとです
徳お兄さん 行かせてやって下さい
皆さん なんとお礼を言うたらよかか…。
ちょ ちょ ちょ 待ってくれんかね。
こっちは こっちで
円 持ってきたけん
一同えっ
あ そぎゃんたい。
わざわざ 熊本から
届けてくれなはったけん。
平田えっ おいおい おいおい…。
誰だ お兄さんが
びた一文も出さないって言ったやつ
野口あっ そうですよ
そぎゃんこつ 誰が…。 ぬしか
いやいや…。
何じゃ こら お前。
福田どぎゃんしますかね お兄様。
実次どぎゃんも こぎゃんも
こっちは 田畑ば売って こさえた円
持って帰るわけには いかんばい
福田ばってん こっちも 誰が
いくら出したかも分からんですし
どぎゃんでしょう
雑費として 円ほど寄付して頂いて
残りは お納め頂くわけには…
そぎゃんですか
そぎゃんなら…
お言葉に甘えて。
あっ よかった
拍手
ありがとうございます
「ようっ」
太鼓の音
「ようっ」
拍子木の音
志ん生全国の学生 数千人からの寄付金
よく集めたもんです
あ もう… ありがたか。
四三。
うん
こん背広 どぎゃんしたと
あ
嘉納先生が餞別に買うてくれたつばい。
ばばっ
ばばっ えらいもん着てしもうたばい。
可児いや 納得いかんですな。
私はともかく スウェデンといえば
永井さんでしょう。
永井うん。 百歩譲って
大森氏は よしとしよう。
問題は…。
安仁子
あに図らんや 安仁子だよ。
アハハハハ あに図らんや…。
永井何だ あの青い目の年増はよう
安仁子アハハハ
たった人… うち人は選手ですよ。
あと人… 妻 入ります
戸が開く音
誰だ
すんません。
あっ 申し遅れましたばってんが
私 金栗四三の兄でございます。
ええっ これは これは…。
こん度は 皆さんのおかげで
いえいえ… そりゃもう
弟さんの努力のたまものでしょう
いや お兄さん お兄さん
どうぞ どうぞ どうぞ どうぞ。
あっ よかですか どうも すんません。
「前略 春野スヤさんにおかれましては」…。
実次やはり あれですか
人間は歳までに
大成するか否かの片がつくとですか
えっ
実次いや 相撲取りだって
過ぎたら横綱には なれんばい。
その点 四三は 偉か。
まだ だもんねえ。
熊本から出てきて 僅か数年で
東京の ど真ん中で
こぎゃん しっかり根っこば張って
今度は… えっ
スウェデンだもんねえ。
とつけむにゃあ男ばい
可児アジアを代表して
世界の大舞台で闘うんですから ねえ。
永井例えば 年後 年後 年後
何千 何万人のオリンピック選手が
日本から出ても
誰が何と言おうと 第号は金栗四三
可児そう
これだけは 未来永劫 動かんのですよ。
ハハハ…。
ありがとうございます。
いや…。
あっ ところで お二人さんは 守衛さん
えっ
実次嘉納治五郎先生の部屋は
どこですかね 守衛さん。
「前略」…。
美川お兄さん 足元 気を付けて。
孝蔵次の日 四三と美川君は
実次を東京見物に連れ出しました
念願の凌雲閣ばい。
美川財布スられて
上れなかったんですよ。
そぎゃんね
兄ちゃん… 兄ちゃん
お
うわ どこまっでも街が続いとるばい
お
こぎゃん都会で 四三は
毎日 走りよっとか。
あ 毎日じゃなかばってん 浅草から…。
え 芝 芝… あ 芝。
あん芝の方まで。
うん
あっ あ ハハハ
富士山の見えてるねえ
こぎゃん遠くから見ても
大きかね 富士は。 絶景ばい
阿蘇までは見えんねえ。
「ちりりんりんと出て来るは」
「自転車乗りの時間借り」
はい
「自転車乗りの時間借り」
「曲乗り上手と生意気に
両手離した」
兄上 俺は… 生きて帰れっとだろか。
えっ
ストックホルムまで 。
片道 二十日も かかっとばい。
なし そぎゃん遠くに 言葉も通じん国に
行かにゃいかんとだろか。
フォクとナイフで
飯ば食わにゃいかんとだろか
美川あっ アハハハ… 金栗氏
さては高いとこ上ったもんだから
少々 ナバスになったのかな
ただ丈夫になっために
走っとったつに…
丈夫になったところで…。
やめときゃよかった。
なし 俺だけ異国に…。
今更 弱音を吐くな 四三
美川うわっ 出た 鬼。
お前が行かんかったら 後が続かん
お前が そぎゃん弱虫やったら
年後の韋駄天も弱虫ばい。
心配するな 母ちゃんも 俺も
みんなも 無事ば祈っとるけん。
うん。
そぎゃんたいね。
美川さて お兄さん
このあと どうしましょうかね
吉原に…。
小梅あっ そこの赤ゲットのおにいさん
まあ 目の覚めるような赤だねえ。
えっ そぎゃんですか
ええ。
ハハハハハ… そぎゃんでしょう
小梅そうよ。 ねえ
ちょいと ちょいと遊んでかない
小梅
えっ 何や…。
金栗氏 僕はここで
えっ
ちょい待って…
お兄さん 道中 お気を…。
小梅 小梅
ちょっ 美川君 美川君
あっ… 兄ちゃん よか。
よかよか。 行こう。
あの 兄ちゃん。
うん
金ば 工面してくれた池部さんって…。
あ 春野先生んとこの娘さんの
嫁ぎ先たい。
あ やっぱり スヤさんの。
そぎゃんね。
熊本 戻ったら その足で すぐに祝言たい。
あ 東京で お前に会うって言うたら
くれぐれも よろしゅうって
言っとったばい。
そぎゃんね。
四三さん
スヤさん
「自転車節」ば 歌うてね
「外いたかばってん 外われんたい」
「たった一目で」
今じゃなかよ
東京で歌うてね
池部っちゅうたら
玉名一ん 庄屋さんだもんね。 ハハッ。
玉の輿たい。
ここでよかけん。
えっ
いやいやいや 新橋まで送るけん。
よか。 オリンピック選手に
そぎゃん無理ば させられん。
ばってん…。
一人で行けるけん。
田舎者だと思って バカにしよっとか。
いや そぎゃんつもりは…。
ああ… 来てよかった。 嘉納先生にゃ
挨拶ば できんかったばってん
それは また今度。
うん。
あっ 兄ちゃん。
ああ
スリに気ぃ付けんといかんよ。
えっ
じゃあ。
兄ちゃん。
勝とうなどと思うな
何も考えんで行って 走ったらよか。
順道制勝の精神たい
なっ
おっ
どいて… どいて どいて
あっ…。
美川ハァ… ハァ…。
君 速いね。 金栗氏といい勝負だ。
さあ…。
だから 余計なお世話だって
言ってんじゃないかい。 ああ 田舎者。
私が どこで どんな商売してても
あんたにゃ関係ないよ
いいや 何と言われようと
僕は君を救いたい。
あいたっ
あんたに私の何が分かんのさ。
はっ 田舎者。
分かるさ。 こんなところにいちゃ
もったいない女性なんだよ 君は。
こんな路地裏の どぶ板の上で。
どぶ板の上は 今 たまたま
あんたが追いかけてくるから。
ストレイシプ。
はあ 何
僕たちは ストレイシプ。 羊なんだ。
ねずみだけど。
干支じゃない。
知らない 夏目漱石「三四郎」。 迷える羊。
フンッ 迷ってないよ。
ここ出て どん突きのタバコ屋を
ぎゃん行って ぎゃん行って もう
ぎゃんぎゃん行ったら 市電の停車場。
そうじゃなくて 漱石の…。
えっ 「ぎゃん」
孝蔵ああっ あ うるせえな。
ぎゃんぎゃん ぎゃんぎゃん。
孝ちゃん。
ああ こりゃ寝過ごしたな。
また しくじったか くそ。
師匠のとこ 行かなくていいのかい
ぎゃん ぎゃんって今 言ったよね 君。
おい そこの ぎゃんぎゃん吠えてる学生。
熊本 えっ 君
東京のおなごじゃなかとね
おい。
東京 熊本
そうたい。
熊本のどこさ。
阿蘇さ。
阿蘇さ えっ 阿蘇って
えっ 君… 山じゃない。
聞いてんのか 学生。
はい
辛作つま先と かかとを
枚重ねにしといたぜ。
それなら軽いだろう。
おお… こりゃ よかです。
それだけありゃ足りるだろ
はい。
勝蔵はい。
うん これは…
持ってけ。 日本代表が
裸で走るわけにはいかねえだろ
ああ…。
ありがとうございます。
ああ… ありがとうございます
ありがとうございます
治五郎この度の金栗君の遠征には
諸君の多大なる後押しがあったと聞く。
その友情に 惜しみない拍手を送りたい。
ありがとう
拍手
ストックホルム出発まで
あと日に迫りました
吉岡レディ…
ゴ
中沢卒業年だろ。
大学は どうするんだね
弥彦落第してやるさ。
こうなったら とことん
兄貴とは別の道を行くよ。
シマ奥様。 そろそろ 中に入られては
和歌子弥彦はな
シマ今日は遅くなると。
和歌子ほんのこて 弥彦は…。
三島家ん 恥じゃ。
可児はなむけに
古代ギリシャの勇者の母が
息子を戦場に送り出した時の
言葉を引用する。
一同おお…。
金栗君 ありゃ 負けたら生きて帰れんぞ。
校長がいなくなると必ず暴走するな。
あっ… 美川さん。 ちょっと
福田美川 黙って部屋行くとか
永井おい 美川。
お前 今日が金栗の壮行会って
知ってただろ。
同郷だろ
言葉をかけてやったらどうだ
おい 美川 美川
はいはい 分かってますよ。
肋木でしょ あっ…。
ずっと言えんだったばってん 美川君
思えば 君が高師ば受けることを
勧めてくれんかったら
俺は ここにはおらんばい。
いや 僕は別に…。
オリンピックはもちろん マラソンに
興味を持つことすらなかった。
全て 美川君のおかげたい。 ありがとう
ざわめき
あの そぎゃんこと…
あの 金栗氏… 頭ば 上げて。
…と 帰ってきて言えるよう
精いっぱい走ってくるけん
美川君も 自分の道ば極めてくれ。
あっ ありがとう。
どうぞ。
ど… どうぞ
入っちゃうよ どうぞ…
足音
シマ弥彦お坊ちゃま。
おう シマ。
お帰りなさいませ。
奥様には いつ
お話しされるおつもりですか
何を
「何を」って… 洋行の件です。
ストックホルムオリンピック。
まさか 黙って行かれるおつもりですか
「親子の縁を切る」とまで
言われたのでしょう
一度 きちんとお話しされた方が…。
余計なお世話かもしれませんが。
余計なお世話… だね。
お坊ちゃま…。
話しても話さなくても結果は同じさ。
では最後に
本日の主役 金栗四三君から ひと言
よっ
拍手
え 皆様のご厚意 ご支援に感謝し
精いっぱい 闘ってきます
金メダル
拍手
ありがとう
歌え 歌え
えっ
歌え。
では 一曲。
えっ
金栗さん 本当に歌うんですか
うん。
ばってん 金栗 お前 音痴…。
音痴ば克服せんと
ある人の教えてくれた歌です。
小声で台なしになる。
決して うまくは なかばってん
気分のよかけん 歌います
よし
手拍子
「ちりりんりんと出て来るは」
「自転車乗りの時間借り」
「曲乗り上手と言われては
両手離した洒落男」
「あっち行っちゃ危ないよ
こっち行っちゃ危ないよ」
「危ないよと言ってる間に
そら ずっこけた」
「千代八千代 どうしたもんじゃろかい」
一同「どうしたもんじゃろかい」
「どうしたもんじゃろかい」
一同「どうしたもんじゃろかい」
「どうしたもんじゃろかい」
一同「どうしたもんじゃろかい」
「どうしたもんじゃろかい」
一同「どうしたもんじゃろかい」
よし
明治年月日。
志ん生初夏の朝は上天気。
金栗四三選手と見送りの大行列は
徒歩で新橋へ向かいます
声 小さいぞ 声 小さいぞ
小石川の大通りを伝通院前に出て
富坂を下りまして
造兵廠脇を通って 和田倉門前に。
二重橋前では皇居に向かって整列し
永井道明教授の音頭で万歳三唱
ばんざい
一同ばんざい
ばんざい
汽笛
「汽笛一声 新橋を」でおなじみ
新橋駅は黒山の人だかり
ばばば ばばっ
拍手と歓声
ありがとうございます。
ありがとうございます。
ストックホルムに向け
大森兵蔵監督と安仁子夫人
そして嘉納治五郎先生も 姿を現しました
みんな ご苦労さん ご苦労さん。
よろしくお願いします。
おっ
清さん
清さん俺 今日の今日まで
知らなかったんだけどよ
あのおっさん 嘉納治五郎だったんだな。
あっ はい。
清さんへえ。
大森君 長旅で大変だが
助け合っていこう。
英語で
うん。 さあ行こう
どうだ まあ頑張れよ。 うん。
向こうじゃ 足袋で走んの
おめえだけだろうけどよ
東京じゃあ 俺も足袋で走ってっからよ。
心強かです。
ああ
平田金栗君 そろそろ。
あっ。 行ってきます。
行ってこい 行ってこい。
はい。 すんません。
歓声
ありがとうございます
頑張れ
頑張れ
歓声
うん あれ 一人足りねえな。
クラクション
女性たち弥彦さん
出ました 痛快男子 三島弥彦。
カンカン帽に ダブルカラの
粋なスタイルでございます
一同奮え
奮え
て ん ぐ ててんのぐ
この日章旗は 我が大日本体育協会から。
拍手と歓声
金栗君 三島君 ばんざい
一同ばんざい
ばんざい ばんざい
ありがとうございます
よし 行ってくる
行ってきます
歌声
この日の新橋駅の興奮は
大変なものでして
当時の新聞に こう書かれております
クラクション
シマお待ち下さい
三島さん 三島さん
シマ道を開けて… あっ あっ
シマ
弥彦お坊ちゃま お母様…。
弥太郎ほら 弥彦 お前
母上に ちゃんと挨拶せんか
汽笛
早く
母上… 弥彦は 精いっぱい闘ってきます
当たり前じゃ
おまんさぁは三島家ん誇りなんじゃから。
お母様。
えっ…。
弥彦 体ば大事にしやんせ
汽笛
はい
車掌時間です 離れて
弥太郎母上。
汽笛
弥太郎弥彦
シマ弥彦坊ちゃま
和歌子弥彦 弥彦
シマお母様
和歌子弥彦
弥彦 弥彦
母さん
弥彦
弥彦行ってきます
行ってきます
一同ばんざい ばんざい
ばんざい
弥彦母さん
行ってきます
行ってきます
やっぱり 我が子に関心のなか親は
おらんですよ。
すすり泣き
汽笛
「え それでは ここで
今回の旅の行程を
ざっと説明しましょう。 担当は東京高師
地理歴史科教諭 福田源蔵さん」。
はい。 地歴科の福田です。
え 明治年月日
新橋から寝台車ば乗り
福井県敦賀で降りた 金栗は
鳳山丸に乗って ウラジオストックへ。
そこから シベリア鉄道に揺られること
週間。
学生たちええっ
福田ロシアの首都
セントピタスバグに入り
船で バルト海ば渡り
ストックホルムに着くのが
月日。
実に日間の長旅ばい
本庄歳から無敗の三島君
世界へ羽ばたく心境は
これといって感慨はないね。
うんと暴れてくるつもりさ。
西洋人に交じって走ることに
気負いはないかい
むしろ 楽しみだね。
洋行は初めて
…はい。
じゃあ 昨夜は眠れなかったろう。
はい。
日本運動会の全責任を負って
出場するのだからね。
はい。
「倒れて後止む」の大決心で臨んでくれ。
はい。
決して国体を辱めざることを期す
という心境かな
はい。
じゃあ金栗君 カメラの方を向いて。
孝蔵それは後日
そのまま記事になりました
実次「日本運動会の全責任を負って
出場するからには
倒れて後止むの大決心をもって臨み
決して国体を辱めざることを期す
という心境ですと
金栗君は そう宣言し 爽やかに笑った」。
一同わ
四三
頑張ったな よかった よかった。
すいません。
あっ しまった。
か… 可児先生 ちょ… 可児先生
違う違う 違うんだよ。 か か… 彼らが。
えっ
あっ
ばっ 橋本君… 野口君
何しよっとっとですか
いや ちょっと新橋では人が多すぎて
ちゃんと見送れなくてな。
気付いたら 汽車に飛び乗ってました。
すみません。
頼む 校長には… 嘉納先生には
どうか内密に。
そぎゃんこつ…
もう 俺は うれしかですたい
いや うれしかよ
金栗さん
あん もう誰か分からん大勢の人に
見送られるより
何倍もうれしかですたい
よう ついてきて下さった
ああ… うまい
笑い声
あっ… ところで嘉納先生は
どこに乗っておられるとですか
あっ 乗ってないよ。
えっ
ばっ… ばってん 新橋駅には。
いや それが 直前になって…。
汽笛
永井君 止まってもらいなさい
可児
止めろ
可児 校長 可児… 可児
治五郎待ちなさい
なし嘉納先生は
乗っておられんとですか あああ…。
乗れなかったよ
ばばばっ
可児嘉納先生のいない
シベリア鉄道での旅は トラブルだらけ
弥彦体が縮こまって たまらんな。
実次気温摂氏度
円喬お前さん 今日から三遊亭朝太だよ。
せきこみ
弥彦街が見えてきたぞ。
いざ 決戦の地へ
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「いだてん~東京オリムピック噺」第7話と第8話のネタバレ感想やあらすじの紹介まとめ
2019年の大河ドラマは、33年ぶりに近現代史を扱う「いだてん~東京オリムピック噺」です。
オリンピック初参加から「オリンピック」開催までの激動の52年間を、描く「東京&オリンピック」の物語。
第7話では…四三はお金の段取りがつき、弥彦も反対の中、参加を決めました!
第8話では…四三と弥彦が出発しました。弥彦の母も最後は心から応援してくれました。
この記事では、ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』を各話ごとに詳細にネタバレとあらすじや感想を更新していきますので、ぜひご覧ください!