2019年の大河ドラマは、宮藤官九郎オリジナル脚本の「いだてん~東京オリムピック噺」です。
「いだてん」は、1912年のオリンピック初参加から、1964年の「オリンピック」開催までの激動の52年間を、歴史に翻弄されたスポーツマンたちの姿を通して描く「東京&オリンピック」の物語。
2020年の東京オリンピックを目前に控えた2019年の大河ドラマにふさわしい題材ですね。
こちらの記事ではドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』の第10話と次回の第11話のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!
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「いだてん~東京オリムピック噺」第10話あらすじや感想とネタバレ
第10話あらすじ
ストックホルムに到着した四三(中村勘九郎)だが、夜になっても明るい白夜に苦しめられる。大森兵蔵(竹野内 豊)の体調が芳しくないため、四三は弥彦(生田斗真)と共に自分たちだけでトレーニングを開始。だが、外国人選手の多くが、監督の的確な指導のもと複数の選手で一緒になって練習に励む姿を見て、明らかな差と孤独に滅入っていく。ついに正気を失った弥彦がとんでもない行為に……。そのころ、「朝太」になった孝蔵も、円喬(松尾スズキ)の話術を必死に盗もうと取り組むが、そのすごさに圧倒される。
第10話の感想やネタバレ
第10話の感想
外国人に諺は難しいですね(笑)
やることえげつないですね…(笑)
安仁子は完全に誤解しましたね。
どんなシチュエーションでこの笑顔なのか知りたい…
てっきり、「あいたかばってん~」歌うかと…。
兵蔵さんのこともありますし、やはりいてくれるだけで全然違いますね!!
今回は無敵の弥彦の心が…いや、鼻が折れましたね。井の中の蛙大海を知らずとはこの事かもしれません。しかし、四三がいてくれて良かったですね。全くタイプの違う2人が支え合って成長していく、素晴らしいことだと思います!!治五郎先生も合流し、兵蔵さんも少し落ち着いたようで、良かったです!
第10話のネタバレ
孤軍奮闘
ストックホルムでは、四三と弥彦は早速取材を受け、日露戦争の影響もあり、注目を浴びていた。特に四三は世界記録保持者だと一目置かれる。四三は相変わらず冷水浴を続け、いよいよ本格的な練習が始まる。しかし、四三も弥彦も孤独な練習をすることになる。受けた取材の記事には「小さな日本人」と書かれていた。他国の選手団は集団で練習し、監督に指示をもらえるが、2人だけの四三と弥彦は兵蔵の体調が思わしくなく、そうはいかなかった。案仁子が兵蔵からのメモを2人に渡すだけの練習が続く。そんな中、ロシアやフランス、アメリカの選手も現地入りし、益々賑やかになる。四三が履いている足袋に興味を持った外国人選手がおり、四三は足袋の説明に悪戦苦闘する。結局、カーペンター(大工)シューズということになった。四三は足袋を外国人選手にあげた。足袋のおかげで四三は図らずも人気者になった。そして、自分も足袋が欲しいという外国人選手たちに足袋をあげようと、播磨屋に電報を打つ。
円喬の芸
円喬は寄席の楽屋で落語「垂乳根」を聞く。しかし、その出来が悪すぎたため、変な間で笑い声を入れたり、咳払いして邪魔をした。さらには、その直後の高座で、円喬は全く同じ「垂乳根」を披露する。それがとてつもなく面白いため、誰も文句を言わないのだとか。その円喬の芸にますます引き込まれる朝太(孝蔵)だった。円喬は高座で湯呑に入れた白湯を飲まず、嗅ぐ。朝太は円喬のようになれるのではと、湯呑を手にするが、円喬は飲んではいけないと言った。自分は肺を患っていて、前にそれを飲んだ弟子が倒れたとか…。志ん生は悪い冗談だったと言うが、肺を患っていたのは本当らしい。
痛快男子崩壊
一方、負け知らずの弥彦は外国人との体格差やタイムの違いに自暴自棄になっていた。練習にも出てこない弥彦を心配し、部屋を訪ねる四三。弥彦はクローゼットの中で酒を飲んでいた。そして、「もう限界だよ」と言った。トイレに行けば高い位置にある便器に背伸びしないと用を足せず、足の長さを思い知らされていると感じていた。さらに、四三は世界記録保持者だともてはやされ、足袋のおかげで人気もあったため、弥彦はますますへそを曲げていた。自分は期待されていないとトイレに閉じこもる。四三は「だったら気楽じゃなかね」と励ます。そんな弥彦をどうにかして欲しいと兵蔵の部屋を訪ねた四三だが、兵蔵は座るのもやっとの状態だった。四三はこのオリンピックが日本人の最初で最後のオリンピックになると感じていた。四三が弥彦の部屋に戻ると、弥彦は「所詮自分は12秒の男だ」と窓から飛び降りようとする。必死で止めた四三は、「早かろうが、遅かろうが、我らの一歩は日本人の一歩ばい」と叫ぶ。弥彦は「すまん」と涙を流した。ベッドに倒れ込み、抱き合う形の四三と弥彦の姿を見た案仁子は興奮気味に部屋を後にした。完全に誤解している。
痛快男子復活
四三は長距離は短距離を兼ねるとよく分からない持論で、弥彦と練習を共にした。段々といつもの弥彦に戻っていった。しばらくして兵蔵の持病も落ち着き、練習に参加する。外国人選手の走り方も参考にしながら練習を積んでいく。四三は冷水浴のしすぎで、部屋の水道を止められたため、川で水浴びをしていた。その時、「水」はスエーデン語では「vatten」(=バッテン)だと知る。
嘉納治五郎、到着
そんな中、白夜に加え、「夏至祭」と呼ばれる連日のどんちゃん騒ぎの騒音で満足に眠れない2人。文句を言おうと広場を訪れた2人だが、お祭り騒ぎの中、日本の歌をリクエストされ、渋々君が代を歌う。あっけにとられる面々の中から、治五郎が現れた。治五郎は車屋さんから預かったと、足袋を四三に渡す。そして兵蔵の研究した論文を冊子にまとめたものを兵蔵に渡した。この冊子は永井と可児が尽力したと言う。続いて治五郎は開会式の段取りを伝える。弥彦は国旗を持ち、四三は「JAPAN」のプラカードを持つよう言った。すると、四三は「JAPAN」ではなく、「日本」と書くべきだと言い放った。
「いだてん~東京オリムピック噺」第11話あらすじや感想とネタバレ
第11話あらすじ
1960年東京オリンピックを控える田畑政治(阿部サダヲ)は開会式を研究すべく、ストックホルムオリンピックの記録映像に見入る。時は1912年7月のストックホルムオリンピック開会式。「NIPPON」のプラカードを持ち、四三(中村勘九郎)と弥彦(生田斗真)が日本初のオリンピック選手として入場。そして競技が始まる。大森兵蔵(竹野内 豊)に緊張を解された弥彦は100メートル短距離走で好タイムでゴールするも順位は惨敗し、200メートルも惨敗に終わる。プレッシャーと戦い続けた弥彦だったが、晴れやかに最後の400メートルの走りへと向かう!
第11話の反応と期待の声
第11話の展開予想
いよいよ始まりますね!オリンピック!!弥彦は複数の種目に出るので、見どころも多そうです!しかし、結果は出ないんですよね…。早いか遅いかではなく、どのように走るのかに注目です!
第11話の感想
タバコが反対なのが気になって仕方がありませんでした(笑)
こんな時代に、遠路遥々異国へ行き、強敵だらけの中で走るなんて…すごいことですね。
自分に言い聞かす母の姿に涙が出そうになりました。
自分にはできないことを後の世の誰かに託すための、第一歩、素晴らしかったです。約100年後、日本はメダルを獲ります。
朝太は「動」という手段で、四三は「静」の手段で気持ちを落ち着けるんですね。
弥彦の想いをみんなが受け入れ、包み込むシーン…涙が出ました!
励ましてくれた兵蔵に「あと3週間早く言ってほしかった」(笑)…確かに。
弥彦は破れましたが、次へつながる敗北でした。外国人との差をしっかりと理解できただけでも収穫ですね!今のオリンピック選手の礎になっているのは間違いないでしょう。結果はどうであれ、「一番初めにオリンピックに出た日本人」はこの2人に変わりないわけで、それは偉大なことですね!四三も何とか一段階の壁は超えたようです!
第11話のネタバレ
「 瑞典 ストツクホルム
オリムピック記外映畫」。
ハハハハハ… これだ これだ。
やったな 岩ちん
黒沢さんに知らせましょう。
東しかし 日本人が
初めてオリンピックに出た時の
開会式が見たいとは
さすが 言うことが違うねえ。
当たり前だよ。 天下の黒沢 明だぞ。
カット
志ん生あっ そうそう
黒沢さんって有名な映画監督が
東京五輪の記録映画 撮るって
この間 新聞で発表になりましたな。
まあ どうなるかは分かりませんが
しかし 何だって そんな
開会式なんか見たがるんでしょうかね
「例によって 時計を
明治まで巻き戻してみましょう」。
鐘の音
内田事務局から プラカドの
表記についての問い合わせが。
治五郎表記
四三「日本」でお願いします。
うん
日本は 日本です。
そのまま 「日本」と書くべきです。
笑い声
そうでなければ おるは出ません
大森西洋人に漢字は読めんよ 君。
弥彦そうだよ。
ここは 英語で「」が無難だろう。
ばってん それは英国人が
勝手に付けらした呼び名ばい。
日本人が日本のこつば
なし そぎゃん ヘンテコな名前で
呼ばにゃいかんとですか。
しかしだね 金栗君
日本は 初参加なのだよ。
だからこそ 正式に「日本」と書くべきです。
読めなきゃ意味がないんだよ
東洋の日本が 国際大会に参加することを
世界に知らせる必要があるんだよ。
ばってん 「」じゃ奮い立たんとです
まあ… うん…。
金栗君の気持ちも分からんでも…。
金栗じゃなか 俺は金栗ばい
どうした 日本を出る時には
みんな 仲よくやってたじゃないか。
一体 何があったんだよ。
安仁子ひと言では語られないよ。
おいおい…
開幕まで あと週間しかないんだぞ。
あんたのせいだよ。
えっ
秒 秒 秒
秒と言ったね
君が秒で 群を抜いておった。
あんたが 記録のことばかり言うから
俺は 一度 押し潰されたんだ
今頃来て 勝手なことばかり
言いなさんなよ 嘉納さんよ
わっ
ちょ… 大丈夫かね
「日本」でなければ 俺は辞退します。
すいまっせん。
俺は頑固な肥後もっこすだけん。
ばってん プラカドば持って歩くとは
こん おるです
「」なら
俺は やめさせてもらいますけん。
ため息
だったら 僕も辞退しよう
三島君まで 何を…。
僕と金栗君は戦友だ。
国の名前が違えば
共に戦うことはできません。
頑固な肥後もっこす
思えば 九州の山奥から東京に出て
その東京ば出て 大陸に渡り か月。
こぎゃん晴れ舞台に立つなど
考えもせんかったです。
ばってん… くじけそうになったつも
一度や二度じゃなか。
そぎゃん時 おるは
日本の… 熊本の… 東京高師の面々の顔ば
思い出して乗り越えました。
西洋人ば 悪く言うつもりは
これっぽっちも なか。
ばってん
「」では対等に戦えんとです。
大森しかし 漢字で「日本」では
君が日本人であることも
伝わらないんだぞ。
それでいいのか いいのか それで
構わんです。
おるは ジャパン人じゃなか。
日本人です。
嘉納先生…。
頼もしい
えっ
はじめは驚いたよ。
私が遅れてきたせいで 君たちの気持ちが
バラバラになってしまったのかと。
いや そうじゃない。
互いに認め合ってるからこそ
自分の意見を 遠慮なく ぶつけ合える。
これぞ相互理解。
私の不在が 君たちに成長を促した
フフフ。 遅れてきて大正解
ハハハハハ…
フフッ。
…で あの プラカドの表記の方は
志ん生「結果は後ほど。
さて 月日は風一つない快晴なり。
スタジアムの横の広場には
初参加の日本選手も加えて
か国 人の代表が集まった」。
笑い声
「ようっ」
太鼓の音
「ようっ」
拍子木の音
すいません すいません。
治五郎おい。
あっ お待たせしました。
うん
ありがとうございます。
内田田島先生 こちらです。
えっと… あっ いました いました。
嘉納先生 お見えになりました。
田島錦治あ どうも
ご無沙汰しております 嘉納先生。
治五郎すまんね ご足労願って。
いえいえ。
何か 私なんかが加わっていいものか。
問題ないよ。 日本人じゃないのも
交じってるから。
ダニエル・英語で
オケ 安仁子。
うん
英語で
おい 君 足袋で歩くのかね
はい。
笑われるよ。
しかも 何だね これ。
「」じゃないのかね。
イタリアの次だぞ
「」の次は「」だよ 「」。
いいんです これで。
孝蔵午前時半。
アルファベット順に整列した
各国選手団は
大スタンドを埋める
万人の拍手に迎えられ
いよいよ 堂々の入場行進です
拍手と歓声
ワ
フォティスリ 弥彦
「三島君が旗を持ち
私が標識をささげて立てば
あとに従う選手なし。
たった人の入場行進」。
キャ ハハッ ニッポン
ニッポン
回想
治五郎ロマ字で「」。
表記は 。
これなら 観客も外国人選手も皆
日本の本当の呼び名を
分かってくれるはずだ。
いいでしょう。
よかです。
よし みんなで笑って歩こう。
安仁子ニッポン… ニッポン
ニッポン ニッポン ニッポン
観客たちニッポン ニッポン
「観客席から
『ニッポン ニッポン』の声 起こる。
生きた心地なし」。
観客たちニッポン ニッポン
一同おお
拍手
無声映画だね。
そりゃそうだろ 明治年だよ。
今じゃ カラテレビの時代だもんね。
ヘヘヘヘ…。
日章旗を持ってるのが三島弥彦選手。
…で プラカドが
金栗四三選手だそうです。
東おっ イタリア来たぞ。 次だ 次。
あっ 来た
熱っ…
あれ 飛んだ えっ これだけ
嘉納先生 いました
ちょちょ… ちょっと待ってくれ。
タバコ 逆にくわえて 見てなかった。
さっきの もう一回 もう一回。
岩田あ 分かりました。
日本人が 初めて
オリンピックの大舞台に出た歴史的瞬間。
たった これしか残ってないそうです。
金栗さん
フレムから切れちゃってるし
公式な写真も残ってるんですが
せっかくの「」 旗で隠れちゃって
金栗さん 写ってないんですよ。
ノ ノ ノ…。
英語
片や 安仁子が撮った写真はというと…
安仁子オル ライト…。
写真を撮る音
安仁子ワッ ハハ
志ん生三島君が写ってない。
もう しょうがねえ。
とっとと競技に移りましょう。
男子走 予選です。
クックッ クックッ…。
こうですかね あいたっ。
あっ 出てきましたよ。
でかいな 西洋人は。
この席は 誰が取ったのかね
内田
私が ひとつき前に手配いたしました。
号砲
治五郎遠いよ
内田えっ
治五郎
これじゃ どれが三島君か分からんよ。
内田
でも 開会式は見やすかったですよね。
見てないよ。 見れんだろ
開会式は歩いてるんだから。
あっ… そうでしたな。
治五郎三島君は 何組目だね
内田いや あの…。
田島あれは三島君
えっ 三島さん
田島いや チリの選手だ。
あっ フィンランド
ああ チリ。
号砲
速か… 速かですね。
おんなじ人間とは思えんばい。
号砲
号砲
号砲
やはり おじけづいて 棄権したのかな
いや 三島さんは やります
必ず やってくれっとですよ。
シマ奥様 大変です 奥様…。
孝蔵それは 弥彦が週間前に投函した
絵葉書でした
弥彦「拝啓 シマよ
俺は もう 何もかも嫌になった。
戦意喪失。
西洋人の脅威におびえるばかりで
とても走る気になれぬ」。
「母上 兄上 これが
最後の便りになるかもしれません」。
弥彦「これが
最後の便りになるかもしれません。
短い人生でしたが 弥彦は…」。
弥太郎今すぐ帰ってくるよう
スウェデン公使に電報を打ちましょう。 おい。
たった一人で 外国人相手に
戦争を仕掛けようって顔だな。
三島君 短距離はね
タイムを競い合う競技だ。
つまり 敵はタイムのみ。
一緒に走る選手のことは
ライバルではなく
タイムという同じ敵に立ち向かう
同志と思いたまえ。
ありがとうございます 監督。
楽になったかね
はい。
もっと早く言ってもらえたら
もっと楽になったと思います。
せめて 週間前に言ってくれたら。
和歌子ハハハハハ 心配せんでよか。
「弥彦は勝ちます。
外摩隼人の底力 見せてやります」。
そう書いてあるじゃろが。
いや だって 母上は字が…。
字など読めなくとも
息子の本心は分かります。
弥彦は必ず勝つ
大森おっ 行くのかね
はい
よし
「これが
最後の便りになるかもしれません」。
「短い人生でしたが
弥彦は三島家の誇りのために
命を賭します」。
あっ 来た… 来た
来た来た 来た来た
三島さん 三島さん
治五郎ああ 間違いない 三島君だ
三島君
遠か もう
大森・英語で
「ああ 神よ 神よ。
無神論者でも物質論者でも
この瞬間 祈らずにいられようか。
どうか 我が友に勝利を」。
号砲
三島さん 三島さん いけ
いけいけ いけいけ…。
三島さん そこから
そこから そこから
三島さん
拍手
ダニエル・スウェデン語で
田島ビリですか。
いや… しかし…
立派な走りだった。 うん 立派
ヒョウ。
エクスキュズ ミ。
えっ
笑っとります。
治五郎何
あっ… 三島さん 笑ってます
笑ってます。
行きましょう
よっしゃ
おめでとう。
ありがとうございます。
三島さん
やあ 金栗君
ご苦労さん よくやった。
私の記録 秒だそうです。
秒 切りました。
負けはしましたが
自分の最高記録を出したんだから
成功だと思っています。
これから いかにして
世界レベルに追いつくかですね。
うん そうだ そうだ その意気だ
実に 立派だったよ 三島君。
ありがとうございます。
ヒョウ。
オ マイ ラブ。
笑い声
金栗君…
やはり 日本人には
短距離は無理なようだ。
えっ
君に懸かっている 頼んだよ。
えっ… ばってん まだ とが。
お 安仁子 サンキュ。
「三島さんは
日後 走の予選に出場するも
やはり 惨敗」。
円喬フン
わざわざ スウェデンまで出向いて
かけっことは…。
せきこみ
いいご身分でげすな。
≪先輩噺家花魁 そんなこと言って
うそじゃないんでしょうね
孝蔵師匠 あたしと同じ名前の
噺家がいますよ。
円喬ああ そうかい。
見て下さいよ 「三遊亭朝太」って。
ああ それ 君だよ。
えっ
私が席亭に頼んで 入れてもらったんだよ。
せきこみ
まずかったかい
えっ でも
まだ 小ばなしの一つも伺ってねえですし。
できるよ。
君には 何かあるから。
えっ… 何か
≪拍手
お疲れさまでした。
先輩噺家はい お疲れさん。
ちょいと 兄さん。
いけませんなあ あそこんとこ
ああいうふうにやっちゃあ。
あ 分かってるよ。
分かってねえから 言ってんだよ。
吉原に あんなゲスな女郎がいるかい
師匠 出番です。 もう太鼓が。
じじい
先輩噺家はい 分かったよ
そんなわけで
初高座の日取りが決まっちまった。
師匠の高座ぶりってえのは
きちんと座布団に座ってね…
懐から 小菊の紙を枚抜いて
つに折って チンと はなかんで
鼻の下をひょいと こすって
座布団の下に入れる。
そしたら
九谷焼の湯飲みを押し頂いて…。
飲むんじゃねえ。 喉 湿らせるんだ
でもって さびた声で…。
え まだ江戸と申しました時分に…。
え まだ江戸と申しました時分に…。
チッ…。
駄目だな。
志ん生
九谷焼の湯飲みを押し頂いて 飲む。
清さん駄目だろ 飲んじゃ。
バカ野郎 分かってんだよ。
気ばっかり… 焦っちまってよ。
それなら いっそのこと
一杯でも かっ食らっちまった方が
力抜けて いいあんばいになるかと
思ったら これだ。
ヘベのレケだ。 ヘヘヘ。
孝ちゃん お久。
よし あ 行こう 行こう 行こう。
今日は いいんだ。
今日は いいんだ。 今日は いいんだ。
何よ 野暮。
これが へぼなわけじゃねえから。
おい 孝ちゃん 初高座は いつだい
うん 下席だから あ 日か。
小梅誘って 見に行くからよ。
おい 今度は しくじんなよ。
しくじんなよ。 ヘヘッ。
太鼓の音
一同おお
拍手
え 何事も初めてってのは
要らぬ力が入っちまうもんで
飲んじゃうやつもいれば
こんなことするやつもいて。
ノックとドアが開く音
あっ 金栗君 何をしておるんだね
押し花ば しとります。
治五郎押し花 フフッ。
大丈夫か 君。
外へ出たまえ 外へ。
北欧の空気を吸って 元気を出せ。
においを嗅ぐ音
午前中…
スタジアムば のぞきに行きました。
歓声
大歓声ば 聞いとると
あん旗ざおに
日の丸ば揚げんといかんと思って
焦って モヤモヤして。
気ば 静めるため 押し花ば しとります。
金栗君… オリンピックに出ることで
君が 過重の責任を負うことは
一切ないんだ。
国民の期待など考えず
伸び伸びとやりたまえ。
はい。
スッスッ ハッハッ スッスッ ハッハッ…。
ラザロア
あっ。
ハイ ラザロ
カペンタ
コチの指導する声
ラザロアア
ハ
負けたら切腹らしい。
ラザロとコチの声
ノック
金栗です。
≪弥彦入りたまえ。
失礼します。
ばっ
あっ すまん。
たまには 上半身も鍛えようと思ってね。
ああ…。
あっ… 明日 の予選だけん
激励に来ました。
うん ありがとう。
どぎゃんですか
実に楽しみだね。
一つ 聞いてもよかですかね
何だい
走ったあと
三島さん 言いましたよね
やはり 日本人には
短距離は無理なようだ。
あれは… どぎゃん意味ですか
見ただろう 僕のレス。
完敗だよ。
日本では無敗の僕が もも最下位。
圧倒的敗北さ。
明日も勝てるとは思っていない。
でも… 楽しみだ。
明日も走れることが 僕は楽しいよ。
こうなったら 徹底的に負けてやるさ。
ハハハ。
おるは駄目です。
ため息
な… 何か こう…。
モヤモヤした…
モヤモヤした何かが
ずっと居座っとっとです。
羽田は 里の距離ば 完走できるか
そんことで頭がいっぱいで
勝とうとか オリンピックとか
考える余裕もなかったですけん。
何も考えずに 走ればいいんだよ。
金栗君 我々は走ればよか。
精いっぱい やりさえすれば
それでよかっですよ。 ハハハハハ…。
それができんけん つらかですよ
す… すまん。
何ね 人が真剣に悩んどっとに
熊本弁で バカにして
君が言ったんだけどね。
我々は走ればよか。
精いっぱい やりさえすれば
それでよかっですよ。
あれは…。
あっ あれは 短距離の話だけん。
短距離と長距離は別だもんね。
ああ… そうかい。
そりゃあ 短距離ば 秒とか…
でも せいぜい分の勝負だけん
考えんでも走れるばい。
ばってん
こっちは時間以上ありますけん。
考えてしまうばい。
モヤモヤしたもんば ずっと…。
そのモヤモヤは 君…
プレッシャだよ。
西洋人は それを
プレッシャと呼ぶそうだ。
プレ… プレッシャ
プレッシャ。
こん… こんモヤモヤは…
プ… プレッシャ…
プレッシャですか
西洋人も持っとっとですか これば。
うん。 君だけじゃない。
無論 僕も持っとる。
そぎゃんですか…。
はあ…。
正体さえ分かれば
こぎゃんもん… 怖くなかです
笑い声
お邪魔しました
プレッシャが
大きいと スランプに陥るからね。
ス… スランプ
ハハハ… いや… うん 何でもない。
スランプ
いやいやいや…。
忘れてくれ。 ハハハハ。
ス…
大丈夫だ 金栗君。
スランプ
サンキュ。
どうせなら 正面から撮ってくれよ。
はい。
よっしゃ… うん。
行ってくる
ナンバ フロム ジャパン ミシマ。
治五郎 田島三島君
フロム ジャパン ミシマ。
歓声
レディ…。
えっ 人だけ
なんと 人中人が
直前に棄権したんだそうです。
着までが予選通過なんで わざわざ
走らなくてもいいようなもんですが
セット。
号砲
よし いいぞ いいぞ
三島君 いいぞ いけいけ
いけ 三島君
三島さん
三島君
三島さん
いけいけ
頑張れ
よし いいぞ
歓声
三島さん
回想
弥彦僕は 勝ち負けには こだわらない。
むしろ 僕は
一度くらい負けてみたいと思っている。
回想
治五郎世界の中心で
走ってみたいと思わんかね
面白そうですね。
本当の僕は違う。 もう限界だよ。
三島さん 我らの一歩は…
日本人の一歩ばい
頑張れ 頑張れ 三島君
三島君
頑張れ 頑張れ
いけ いけ
よしよし よしよし
もう少しだ
いけ いけ
三島君 頑張れ
三島君 頑張れ
三島さん
田島結局 ドベか。
ドベでも 着だ 予選通過
治五郎秒
三島君 よくやった
準決勝に残るとは 大したもんだ
日本スポツの記念すべき日だ
田島次も頼むぞ。
次は… ないです。
準決勝は やめます。
田島棄権するのかね
日本人に短距離は無理です。
年かかっても… 無理です。
治五郎三島君…。
もう十分… 走りました。
察して下さい。
三島君。
撮れた
あっ… すんまっせん。
そっが 一枚も。
もう走れん 勘弁してくれ
すんまっせん。
三島さん…。
楽しかったですか
ああ。
治五郎悔いはないのか
弥彦はい。
ならば よし
準決勝は棄権しよう
よか走りでした
お疲れさまです。
よかったぞ… うん。
ダニエル… テイク ア フォト…。
オフコス。
レディ
写真を撮る音
サンキュ。
帰りましょう。
笑い声
足が痛いよ。
ああ…。
治五郎大丈夫か
拍手
ひゃあ
ひゃあ
弥彦昨夜は眠れたかね
はい
ひゃあ
うそです。
白夜と プレッシャで。
そうかい。
モヤモヤして 頭がさえて
もう いっちょん眠れんかったです。
どう走ろうとか
どこで ペスば上げようとか
ずっと考えとりました。
もう こうなったら
俺は とことん考えます。
考えて 考えて…
プレッシャと二人三脚で走ります。
ひゃあ
ばっ… 三島さん
笑い声
一度 やってみたかったんだ。
ひゃあ
あっ
ハハハハハ
ひゃあ
気持ちいいね
ひゃあ
三島さん 見事な走りでした。
うん。 ありがとう
がむしゃらな鬼の形相 奮い立ちました。
俺も 三島さんのように
笑って ゴルば します。
そっだけは決まってます。
見とって下さい。
うん。
笑い声
今日も暑いぞ
ひゃあ
ひゃあ
笑い声
可児韋駄天が
ついに世界の中心でマラソンに挑む
ダニエルバッテン
こりゃ いけるばい
火事だ 火事だ 火事だ 火事だ 火事だ
暑い 暑い 暑い
スウェデンって こんなに暑いの
よし 来た
スヤ四三さん 頑張って
あっ…。
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「いだてん~東京オリムピック噺」第10話と第11話のネタバレ感想やあらすじの紹介まとめ
2019年の大河ドラマは、33年ぶりに近現代史を扱う「いだてん~東京オリムピック噺」です。
オリンピック初参加から「オリンピック」開催までの激動の52年間を、描く「東京&オリンピック」の物語。
第10話では…壊れた弥彦の心を四三が取り戻しました!治五郎先生も合流しました!
第11話では…弥彦は予選で破れ「日本人に短距離は100年早い」と言い残しました。
この記事では、ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』を各話ごとに詳細にネタバレとあらすじや感想を更新していきますので、ぜひご覧ください!