【芸能・社会】「恩人」こうせつライブに長渕剛がサプライズ登場2019年5月12日 紙面から
ミュージシャンの長渕剛(62)が11日、東京・日比谷野外音楽堂で、フォーク歌手の南こうせつ(70)が開催したライブイベントにサプライズで登場。駆け出しのころから親身になって力を貸してくれた恩師のステージに“飛び入り”し、観客3000人の度肝を抜いた。さらなる恩返しとして9月28日に南の主催で福岡・海の中道海浜公園で行われる野外音楽イベント「サマーピクニック~さよなら、またね~」に34年ぶりに参加することを約束した。 ライブ終盤。駆け寄るスタッフから耳打ちされ、南が目を丸くした。予想だにしない展開だった。「今、飛び込んで来たやつがいる。僕から紹介したいな。長渕剛!!」。客席はどよめき、総立ちとなった。ハイタッチを交わすと南は「ギターを持ってきたからには何か歌えや!」と主役を長渕に譲った。 「はるかデビュー当初のときもそうだったのよ。こうせつ先輩にね、前座に回れと言われて約60カ所、30分ずっと大ホール回らせてもらって、本当にこうせつも優しかったし、何よりもこうせつを大好きなファンの皆さんに本当に温かく育ててもらったって感じがあります。だからきょうは来ないわけにはいかないと思って」 大分県出身の南は、鹿児島出身の長渕を九州人の弟分としてかわいがってきた。1978年10月にシングル「巡恋歌」を発売し、所属事務所も決まった長渕だったが、歌を披露できる場所は企業のフェアやデパートなどが中心だった。そこで、南が手を差し伸べて自身のツアーの前座として、修業を積ませていた。 さらに、パーソナリティーを務める「南こうせつのオールナイトニッポン」の中に「長渕剛 裸一貫ギターで勝負」というコーナーを用意。長渕は毎週ギター1本を抱えて東京・有楽町のニッポン放送に通った。同番組を通じ、後に「順子」が大ヒットした。 「きょうは、こうせつを歌います」。先輩が横で見守る中、長渕は南の代表曲「夢一夜」を弾き語りでパワフルに熱唱。総立ちのファンから大歓声を浴びると、南が「もう1曲!! 『乾杯』歌ってもらうから」とリクエストした。すると長渕は、ゲストとして出演していた世良公則(63)もステージに招き入れ、3人で一緒にパフォーマンス。「こうせつに幸せあれ!!」とシャウトした。 最後に長渕が「サマーピクニック、応援に行くからな!」と宣言すると、南は「聞いたか? サマーピクニック出るって言ったぞ。忘れるなよ!」とうれしそうに見送った。 ◆14度目今回がラスト南が主催する「サマーピクニック」は、1981年から90年まで九州地区で10年連続で開催した野外音楽イベント。南の呼びかけで、長渕は83年と85年に出演している。以後、99年と09年、14年にも開催され、5年ぶり14度目の今回が最後となる。現在までに伊勢正三、イルカ、海援隊、BEGIN、森山良子の出演が発表されていた。
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