【楊枝秀基のワッショイ!!スポーツ見聞録】 阪神が10日の中日戦(甲子園)に7―3で勝ち、2位タイに浮上した。2点を追う2回にマルテの同点2ランを皮切りに打者一巡の猛攻を見せ、一挙5得点で逆転に成功。FA加入の西勇輝投手(28)が7回3失点の粘りの投球に加え、大量得点のきっかけとなる安打も放つなど投打で存在感を発揮した。その西には“守り神”の存在と、大観衆の声援をパワーに変える“特殊能力”があるという――。
信じるか信じないかはあなた次第、オカルトな話題ですが…。
阪神・西は霊感を持つ人物だという。これはオリックス時代の同僚からも確認済みだ。今から8年前の2011年、筆者がオリックス担当をしていたときに、3年目だった西とそんな話題で盛り上がった。とある地方都市に遠征したときだ。食事を共にしながら話していると、特殊能力の話題となり不思議な体験談が飛び出した。
ざっとまとめるとこうだ。西が四国のとある町で神社を参拝したところ、人間に姿を変えたキツネの神様に遭遇した。参道の途中、何の気なしに入った売店でも、休憩しようと訪れた茶店でも、同じ顔の女性に出会った。最後に境内に到着した時にもまた同じ女性に再会したかと思うと、キツネに姿を変え、そのまま消えてしまったと。その、女性に姿を変えたキツネは西の守り神だという。まさにキツネにつままれたような話だが、当時20歳だった西の言葉に妙な信ぴょう性を感じたのを覚えている。
もちろん重ねてきた数字は本人の努力、実力のたまものだ。そこに守り神の力が働いたのかは謎だが、11年の西は10勝を挙げた。その後の8シーズンで5度の2桁勝利と結果を出し続け、FAで人気球団の阪神に移籍した。自ら重圧のある立場を選び、タテジマに袖を通したからには相当な決心があったはずだ。
当時、キツネの話以外にこんな話もした。人が強く心に思うことは対象になった人物に影響を与えると。球場にたくさんの人間が集まり「彼は勝負強いから絶対に打ってくれる」と思う人が多いほど、それが現実になる確率は高くなるという。
この日のお立ち台で、いみじくも西は言った。インタビュアーから甲子園での好相性を伝えられると「たくさんのファンの方がいるおかげです」と。「西はやってくれる。大丈夫だ」と思う虎党の数が多かったからこそ2回、高橋に先制2ランを浴びた後の粘投につながったのかもしれない。
この日で7試合に投げ3勝3敗、防御率2・47。まだデータは少ないが甲子園では4試合で2勝1敗、防御率2・17とホームアドバンテージを享受している。虎党が熱烈な声援を送り続ければ西は甲子園でもう負けないかもしれない。