朝鮮日報

【コラム】2年前の文大統領就任演説、読み返したら「うその饗宴」だった

 文大統領は「重ねて訴えたい。文在寅政権において機会は平等で、プロセスも公平で、結果は正義になる」と語った。しかしこの言葉は今、庶民の間では文大統領を戯画化するときに使われている。政府関係者は巨額の投機をしながら他人の投機は非難し、偽装転入をしながら他人には同じ理由で懲役刑を言い渡し刑務所に送り込んだ。自分たちは隔世贈与をしながら他人に対しては法律を作ってこれをできないようにし、自分の子供は外国語高校に行かせ他人の子供は自律型私立高校にも行かせなかった。自分は家を2軒、3軒持ちながら、他人には自宅を売却しろと脅迫した。自分が作ればチェックリストだが他人が作ったものはブラックリストで、自分たちがやったネットでの書き込み捏造(ねつぞう)は問題ないが、他人がやれば違法だ。自分たちは自ら監査を行った政府機関の金で海外に出張するが、他人は法人カードで1万2000ウォン(約1100円)使ったことを理由に追い出した。大統領は反日だが、その娘は日本の極右団体が設立した大学を卒業した。その大学の校歌は征韓論創始者を見習えと歌っている。この大統領の娘による海外移住とそれに伴って税金が使われた理由は今も説明されていない。現実はこうだが、文大統領は就任演説で「公正と正義」を約束していた。

 2年前の文大統領による就任演説をあらためて読み返すと、俳優が舞台で演劇をしているような感じがする。「馬車が馬を引っ張る」などと説明された所得主導成長や、無謀な「脱原発」をごり押ししたが、就任演説では「不可能なことをやるなどと大言壮語はしない」と誓っていた。捏造された数値で国政の失敗をごまかしているが、就任演説では「間違いは間違ったと言う。うそをついて自分に不利な世論をごまかさない」と約束していた。これが演劇のせりふでないのなら、この就任演説はいったい何だったのか。

楊相勲(ヤン・サンフン)主筆

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