朝鮮日報

【コラム】2年前の文大統領就任演説、読み返したら「うその饗宴」だった

 文大統領は「能力と適材適所を人事の大原則としたい」「私を支持するかどうかに関係なく、有能な人材を招いて仕事を任せたい」と約束した。このような考えが本当に少しでもあったのか疑わしい。文大統領による人事の原則は実際のところただ一つで、それは「その人物が自分の側かどうか」だ。「自分の側」ならたとえ憲法裁判官であっても聴聞報告書なしに任命を強行する。中道系野党・正しい未来党によると、文大統領による天下り式の任命は1日1件のペースだという。実際に文大統領の知り合いには政府の重要な仕事が与えられた。例えば弁護士時代の同僚は法制処長となり、また当時の事務長は公企業の理事に就任した。文大統領は就任演説で「特権と反則のない世の中を作る」と語っていたのだ。

 文大統領は「準備を終えれば大統領府から出る。帰宅の時は市場に立ち寄り、市民と対話する」と言っていた。大統領府が外に出ることを意味する「光化門大統領時代」という言葉を2回も口にした。しかし実際は「光化門大統領時代」も「帰宅時に市場に立ち寄る」こともなかった。本人の意志の問題だったが、しかしこの構想は文大統領が「リフォームの費用がかかる」「行政がやりにくくなる」などと言い訳しただけで終わった。文大統領は「国民とは随時意思疎通を行う大統領になる。懸案は大統領自らメディアに説明する」などと言った。その後も国政における懸案は毎日のようにあふれ出ているが、文大統領が実際に会見を行ったのはこの2年間でたった3回。しかも会見の際には逆に「国内の問題については質問を受けない」として記者たちの質問を遮った。文大統領に政策の失敗について質問したある記者はネットで袋だたきにあった。「売国奴」などと人格攻撃まで受けた記者もいた。

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