提督の憂鬱 作:sognathus
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そして山雲は、早速提督に挨拶をする為に彼の下を訪ねてきました。
*明らかな性的な描写あり
「山雲で~す。よろしくお願いしま~す」
「こちらこそよろしく頼む。ようこそ我が基地に。俺の事は大佐とでも呼んでくれ」
「ふふふ~、丁寧なご挨拶ありがとうございま~す。提督の事は大佐とお呼びすればいいのですね~。分かりました~」
「ああ、できればそう呼んでくれると嬉しい。愛称のようなものだ」
「准将さんなのに低い階級でお呼びするのはそういう理由なんですねぇ。納得です~」(良い人そうね。この人なら信じて着いていっても大丈夫そう……かな?)
「ああ、気軽に呼んでくれて構わない」(龍田だ。駆逐艦の姿をした龍田のような感じがする)
パキッ
「ああっ!? 龍田なにしやがる!? 俺の船底にヒビが入ったぞ!」
『天龍』の模型を持った龍田はつい力を入れ過ぎてひび割れてしまったそれを見て薄く笑いながら言った。
「あ、ごめんねぇ? なにかと~っても気になる事言われてるきがしてつい力が入っちゃったぁ」
「何わけの解らない事言ってやがる! お前の貸せ! それもヒビを入れてやる!」
「あ?」
「……っ」
「私に、なに~?」
龍田の圧倒的な威圧感に天龍は言葉が出ずに口をパクパクさせる事しかできなかった。
「あ……う……」
「なんてね、冗談よ。割っちゃったのは本当にごめんね? ちゃんと直すから、ね?」
「……しょ、しょうがねぇな」
「えーと、接着剤でひっつけて隙間にパテをちょびっと……あれ? 天龍ちゃん何処に行くの?」
「ちょっとトイレ」
「あ、おしっこね?」
「っ、いちいち具体的に言う必要ねぇだろ!」カァ
「赤くなっちゃってか~わい~♪」
「うっせぇ! ちゃんと直しておけよ!」
「おっけ~。天龍ちゃんもちゃんと拭いて……」
「やかましい!」
バタン!
「……」(ったく龍田のやろう……ん?)
「あ……」
「……おめぇ、新入りか?」
「はい。山雲です~。軽巡天龍さんですね~? よろしくお願いしま~す」
「……ああ。よろしく、な」
「? どうかしました~?」
「ああ、いや。悪い、なんでもねぇ」(龍田だ。ちっちゃい龍田だ)
バキッ
「……あれぇ?」(なんでかな。凄く胸がもやもやする……?)
(……トイレの前に、ちょっと大佐のとこ寄って行くかな)
山雲との遭遇にちょっとした驚きを受けた後、特に何事もなく挨拶を済ませ廊下を歩いていた天龍は執務室にへと足を向けていた。
コンコン
「大佐、いるか?」
『天龍か。どうした? 入っていいぞ』
ガチャ
「ちっす」
「よっ、どうした?」
「いや、別に用とかはないんだけどよ」
「ん? ……まぁいい。ちょっとお茶でも飲んでいくか?」
「え? いいのか? じゃ、ちょっと貰おうかな」(トイレに行く前に茶を飲むのはちょっとアレだけど、せっかくの機会だしな、見逃せないよな)
「緑茶しかないが、いいか?」
「ん? ああ」
「口の寂しさはこれで紛らわせてくれ」スッ
「沢庵かよ」
「ちょうど菓子がなくてな。悪い」
「いや、気にすんな。別に嫌いじゃなねーし」ポリポリ
「それは良かった」ズズ
「……あちち」ズズ
「そういえば」
お茶を飲み始めてから暫くして提督がふと口を開いた。
「ん?」
「お前とこうして二人で茶を飲むのは随分久しぶりな気がするな」
「……そんな事判るのか?」
天龍は、提督が自分と過ごした時間を憶えてくれていた事に密かに胸が暖かくなる喜びを少し感じた。
「これでも一応提督だ。何気なしにお前たちと過ごしているわけじゃない、と大見えを切らせてもらおうか」
「っく、なんだよそれ。ははは」
「お前はそういう性格だから昔から気兼ねなく話せているよな。それが俺にとっては結構ありがたかったな」
「はぁ? 男勝りなら良いって事か? だったら麻耶の姉貴や木曽でもいいだろ?」
「性格のみに限ればな。だが、お前とはそれなりに長い付き合いだ。時間が長い分、お前の方が接し易いところもあるという事だ」
「……なんだよそれ」ズズ
「む、悪い。機嫌を損なわせたか」
「えっ、いや別に」(なんか俺の方が良いみたいな事言われて嫌なわけないだろ)
「そうか。んむ」ポリポリ
「……」
「なぁ」
「ん?」
「隣、行っていいか?」
「うん? ……ああ、構わないぞ」
「え、本当か?」
「なんでそこで驚くんだ」
「いや、なんか大佐ならいろいろ気にして断りそうな気がしてさ」
「……確かに昔の俺なら断ったかもな。だが、いろいろあっただろ。俺もなるべく頑なにならないようにしたのさ」
「……そっか。なら」
トス
「へへ……♪」
「……」(意外だな。いや、今の方が気が楽なのかもな)ズズ
「なぁ」
「今度はなんだ?」
「……」
「? どうした?」
先程とは違い、今度は明らかに躊躇いとも遠慮とも取れる天龍の奥ゆかしい態度を提督は不審に思った。
「あ……」
「うん?」
「ちょっと……甘えたい」ジッ
彼女なりにあらゆる条件から判断し、決断したんだろう。
恥ずかしさで頬を染めながらも気丈にも目は逸らさずにまっすぐに自分を見つめてそう言ってきた天龍に、提督は躊躇うことなくこう言った。
「……肩を貸すか?」
「……膝、それに乗りたい……」
肩ではなく、いきなり膝を希望してきたのは提督にとっては予想外だった。
「……」(こいつもか。なんだ? そういうブームなのか?)
「あ、駄目なら……」
「いいぞ。乗れ」
「っ! さ、さんきゅ」
ポス
「……!」
「ん? どうした?」
「あ……。い、いや」(忘れてた。トイレ我慢してたんだ。あ……直接パンツで乗っちまったから振動が……。こういう時にスカートは……!)モジモジ
「おい、本当に大丈夫か?」(下着で直接乗っている事を注意しようかと思ったが、後にするか)
「だ、大丈夫。大丈夫だからあまり動かないでくれ。す、座り心地を楽しみたいんだ」
「? 分かった。疲れたら適当にもたれかかれ。俺はこのまま少し仮眠を取る」(不本意だがこいつの温もりが心地よいから眠い。天龍には悪いがここは寝て過ごすか)
「あ、ああ構わないぜ。俺も少ししたら部屋に戻るから」
「そうか。悪いな。それじゃ……」
十数分後
「……」zz
「……」(ね、寝たよな)チラ
「……」zz
「……」(よし)モゾ
「……っ、はぁ……」(これ、あ……いいかも)ピクッ
「はぁ、は……ぁ。はぁ……」(これ以上はマズイな。どうせトイレに行くし、後は自分で処理すっか)
スッ
「……」チラ
「……」zz
「……続きは、また今度な」ボソ
バタン
「……!」(あ……。だ、大丈夫。ちょっと、ちょっとだけだ。ば、バレない……よな?)
「天龍さん遅いですね~」
「そうねぇ。ところで山雲ちゃぁん?」
「はい。なんでしょ~?」
「私達、ちょっと似てると思わない?」
自分の性癖全開です。
こいうの苦手な人は申し訳ないです。
あと、山雲ゲットしました。
1-5で出るとは知らなかった。