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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】たとえレジェンドでも「すごいと思った瞬間負け」福留史上11人トリプル1000に挑む

2019年5月11日 紙面から

5回裏、この日2つ目の四球で出塁する福留。一塁手ビシエド(小沢徹撮影)

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 魔の2回は、福留の四球から始まった。マルテの本塁打でホームを踏んだ福留は、5回にも四球から生還。トリプル1000に前進した。4月6日に達成した打点に続き、得点は992、四球は936に伸びた。3部門とも1000をクリアした選手は、史上11人。開幕前にその話題になったとき、驚くことに彼は11人の名をほぼノーミスで答えた。

 王、落合…。このあたりは初級編としても、長嶋が入っていないのが最初の引っかけ。そこをスルーした上で山内、中村の名も挙げた。勝負強さ、走力、選球眼を兼ね備えた超一流の仲間入りをする日も近そうだ。続いて驚いたのが「その中ですごいと思うのは?」という質問に、こう答えたときだ。

 「誰であれ、すごいと思ったその瞬間に負けでしょう。僕はそう思ってやってきたし、プロに入るとき、メジャーに行くときも通用するとかしないとかを考えて野球をやったことはないです」

 先人への敬意はあるし、優れたところは学びもする。だが負けたと認めたら成長は止まる。たぶん、達成済みの11人も同じように答えるのだろう。球史に名を残す人間の共通した思考かもしれない。そんな福留にはトリプル1000の先に見据える目標がある。

 「山崎さんの年齢を超えてプレーしたいし、立浪さんの二塁打も追い越したいんです」

 PL学園からプロへと進む道筋を示してくれた立浪和義は、史上最多の487二塁打を打っている。プロに入ってから最も影響を受けた山崎武司は、45歳までプレーした。42歳の福留は日米合算(496)ならすでに抜いているが、日本では385二塁打。近年のペースを維持できれば、46歳(2023年)でこの目標は同時に達成される。

 たとえイチローでも「すごい」とは口にしなかった男。すべてを成し遂げたら、彼の背を追う選手から「すごい」と言われる存在になる。

(渋谷真)

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