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『MMTと令和の政策ピボット(前半)』三橋貴明 AJER2019.4.30
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一般参加可能な講演会のお知らせ。
【令和元年7月5日(金)三橋TV公開収録&懇親会】
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 平成政治からの決別を! 反・緊縮財政、反・グローバリズム、反・構造改革を基本方針とし、政策の「ピボット(転換)」を目指す国民プロジェクト「令和の政策ピボット」が始動致しました。
 コミットメントボードを追加いたしました。皆様、是非、ご自身の「コミット」を!
 
三橋TV第89回【日本人はどこから来たのか?】
 
 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
 
 まずは、本日の日刊MMT。
 
財政赤字を容認する「MMT理論」は一理あるが、やはり危険な理由
米国で「Modern Monetary Theory(MMT、現代金融理論)」と呼ばれる理論が話題になっている。「自国通貨で借りている財政赤字は紙幣を印刷すれば返せるのだから巨額でも構わない」というものだ。筆者は日本政府の財政赤字について「日本政府が破綻するはずはないので、性急な財政再建で景気の腰を折るようなことはすべきではない」という財政赤字容認派であるが、それでも無条件の財政赤字容認論には危うさを感じている。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)(中略)
 財政赤字が続き、政府の借金が巨額になっている日本で、インフレ懸念が高まったらどうなるだろうか。人々は、急いで銀行預金を引き出して物を買いに走るだろう。そして、銀行は預金者に紙幣を渡すため、準備預金を引き出したり国債を日銀に売却したりして紙幣を手に入れるだろう。
 瞬時にして世の中に大量の紙幣が出回り、それが人々の「買い急ぎ」に使われるわけだから、激しいインフレになるはずだ。もちろん政府と日銀がインフレ対策を講じるため、インフレに歯止めが利かなくなるわけではないが、インフレ対策の厳しい引き締めなどによって経済に大きな打撃が加わるだろう。(後略)』
 
 突っ込みどころ満載の記事ですが、とりあえず「数字」を全く使っていないことが注目点です。現在の現金紙幣の額は115兆円ですが、「瞬時(ゼロ秒!)に、世の中に大量の(いくら?)の紙幣が回り、「激しいインフレ(だから、何パーセント?)」になるのでしょう。
 
 こんな書き方が許されるならば、わたくしも断言しますよ。いつの日か、月が日本列島に落ちてきて、日本国は滅亡します。
 
 というか、現金紙幣がたくさん引き出されたら「インフレになる」という発想が意味不明です。現金紙幣が引き出されて「いくら、使われた(需要が増えた)」ならばインフレになるのか、数値を示すべきです。それ以前に、我々は銀行振り込みで買い物しないんですかね?
 
 また、塚崎の頭の中では、
「現金紙幣は、使ったらこの世から消える」
 という設定になっているのでしょうか。店に移った現金紙幣は、そこでそのまま退蔵されるのでしょうか。バカバカしい。銀行に持ち込まれるに決まっているでしょうに。

 というか、MMTは別に「無条件の財政赤字容認」などとは一言も言っていません。

 もう、声が枯れるほどに繰り返しましたが、財政赤字や政府の負債拡大、あるいは財政拡大の限界は供給能力、インフレ率です。いい加減に、この「事実」を無視するのはやめて欲しいです。

 ここまで繰り返しても、「無条件の~」などと書くということは、嘘つきか、頭が弱いか、頭が弱い嘘つきのいずれかでしょう。

 つまりは、例により「頭が弱い嘘つき」がMMT叩きのために「数字を使わず」「印象論」「抽象用語」で「それっぽい批判」をしているだけなのでございますが、この手のプロパガンダが続くのでしょう、こちらがギブアップするまで。(しないけどね)
 
※5月15日(水)までに新規お申込み頂いたお客様に、三橋貴明:著「99%の日本人が知らない明治維新の大嘘」のサイン本をプレゼント致します。(送料も不要です。また、サイン本にはお名前が入ります)
 
 さて、恐らく本邦初公開。昨日のチャンネル桜でも使った、日本の統合政府のバランスシート。(2018年末 速報値版)
 
【2018年末時点 日本の統合政府のバランスシート(兆円)】
 
 日本の一般政府と日銀のバランスシートを統合し、「統合政府のバランスシート」と作りました。(詳しくはリンク先を)

 財務省は、例の「反論資料」で、
 
『日本銀行の国債保有について
○政府と日本銀行を統合して考えれば政府の負債(国債)と日本銀行が保有する資産(国債)が相殺されるとの指摘があるが、仮に政府と日本銀行のB/Sを統合したとしても、日銀の保有する国債の額だけ政府の債務が見かけ上減少するだけであり、当座預金等の日銀の債務が負債に計上されるため、負債超過の状態は変わらない。』
 
 と、「自国通貨建て国債のデフォルトはあり得ない」の根拠である統合政府に反論してきています(そのくせ、「自国通貨建ての国債のデフォルトはあり得ない」はスルーしていますが)。

 財務省が言う通り、一般政府と日銀を統合した相殺される国債は、日銀保有分(466兆円)のみで、統合政府のBSでも「国債・財投債」は442兆円分ります。もっとも、負債の半分程度は、元々は日銀の負債として計上されていた現金(115兆円)、日銀当座預金(405兆円)に姿を転じました。

 財務省は、
「当座預金等の日銀の債務が負債に計上される」
 と書いています。それはその通りというか「当たり前の話」なのですが、ということは、財務省は、
「現金や日銀当座預金といった【国の借金】が原因で、日本は財政破綻する!」
 と、言いたいのでしょうか。

 あるいは、統合政府にしたところで、日銀の純資産(27兆円)の金額分、政府の純負債が消えるだけであるため、財務省のいう「負債超過」は711兆円で計上されています(=739-28)。この一般政府や統合政府の負債超過、純負債が問題であり、711兆円を「ゼロにする必要がある」と財務省は主張しているのでしょうか(そうとしか読めませんが)。

 誰かの資産は、誰かの負債。あるいは、誰かの純資産は、誰かの純負債。

 政府の純負債を縮小し、ゼロにするということは、その分、我々国民の「純資産」を削るという話になってしまいます。つまりは、財務省には我々の資産を減らそうという魂胆があるとしか思えないのです。

 つまりは、財務省に問いただしたいのは、二つ。
 
1.財務省は「現金や日銀当座預金」といった「負債」が理由で財政破綻する!と、言いたいのか?
2.財務省は統合政府の純負債(負債超過)を削り、我々一般国民の純資産を奪い取ることを目的とした省庁なのか?
 
 財務省から主権を取り戻すためには、件の塚崎の寄稿のような抽象的な論評ではなく、数字を用い、具体的に議論する必要があると思うのです。
 ちなみに、繰り返しますがわたくしは自分が作成したグラフ、チャートについて著作権を主張しません。財務省からの主権奪回のために、是非とも好き勝手にご利用くださいませ。
 
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