@chablis777  
シャブリ

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♪~
なつは 戦争で 父親と母親を亡くし孤児となりました。
ある日 父の戦友だった人に北海道の十勝へ連れてこられました。
あれが おじさんの家だ。
今日から なっちゃんの暮らす家だよ。
そこにいたのは北の大地で暮らす開拓者の家族でした。
(なつ)おばさん ありがとう…。
(泣き声)(富士子)あれ どうしたの。
さあ もう泣かないで。
ごはんにしよう。 ね。
はい。
わあ… すごい。
さあ 腹 減ったろう。いっぱい食べてね。
それは 食糧難の東京では見たこともないようなごちそうの山でした。
なつは 心で思ったのです。
夢みたい…!いや 口に出していました。
なつよ 食え。
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
♪~
うまいかい?はい とっても おいしいです!
牛乳も飲んでみな。はい。
おいしい! こんなの飲んだことない!
さっき搾ったばっかりだから。
そんな新鮮な牛乳は 東京にはないっしょ。
えっ ここで作ってるんですか?
(富士子)そだよ。すごい!
今の東京じゃ牛乳なんて まず飲めないからな。
みんな サツマイモばっかり食べてた。
私も たまには サツマイモ食べたい。
(剛男)ああ そうか?
あの甘い芋だべ。
食いたいな。
こっちの方が 絶対においしいわよ。えっ?
そうだ なっちゃんも学校に行かなければならんな。
(富士子)何年生?(剛男)夕見子と同じ12年生まれだから…。
したら 3年生かい。あっ 着るもの どうしよう…。
夕見子 とりあえずあんたのもの 貸してやんなさい。
えっ…。ありがとう。
学校には 何て言うんだ。えっ?
どこの子だと言う気じゃ。
そりゃあ… とりあえずうちで預かってると言えばいいでしょう。
私が行って説明しますよ。
すみません。いいさ なっちゃんは んなこと。
やっぱり ぴったりだわ。
これ着て 学校に行けばいいわ。
ありがとう おばさん。いいから。
ダメ! それはダメ!
それは やんない! やりたくない!
どうしたの? 夕見子。
それは 私が大事にしてるやつだもん。
嫌だ! 絶対にやりたくない!
いいでしょや。嫌だ! 絶対にダメ!
なしたんだ?嫌だ! 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ…。
だだこねないの。なっちゃんは 着るもんがないんだから。
かわいそうだとは思わんのか?
ずるい… その子は ずるい!
(剛男)何が ずるいんだ?
その子が かわいそうなのは私のせいじゃないもん!
何で 私が我慢しなくちゃなんないの?
夕見子 いろいろ我慢してるのはなっちゃんの方なんだよ。
その子が 勝手にかわいそうになってるだけだべさ!
(剛男)何てこと言うんだ!
ずるい! ずるい ずるい ずるい…。
したけど着るもんがなかったら困るっしょ。
大丈夫です。
着るものなんか要りません。えっ?
すみませんでした。
あの… おじさん おばさんお願いがあります。
何?
私を ここで働かせて下さい。
何でもします。えっ?
だから 私を ここに置いて下さい!
必ず いつか お兄ちゃんが迎えに来るってそう言ってましたよね? おじさん。
ああ…。それまで ここに いさせて下さい。
働きますから。 何でもします。
お願いします!何も そんなこと…。
・偉い!(剛男)えっ?
いいんでないかい 働いてもらうべ。お義父さん。
その方が その子もここに いやすいと言っとるんだべ。
言ってませんよ。言ってます!
言ってるんでないか。いいから なっちゃん 気にしないで。
ずっと働いてきましたからその方がいいんです。
ええ覚悟じゃ。それでこそ赤の他人じゃ。
お義父さん!明日から 夜明けとともに起きて働け。
はい!あの… 学校は?
学校など お前体を壊したら 行きゃいいんだよ。
♪~
あの… 何か分けて下さい。何もないよ。
<空襲のあと 私たちは家もなく子どもだけの力で生きなければなりませんでした>
♪~
おばあさん お願いです。
空襲で お母さんがいないんです。
妹も 死にそうで…。
最後に 何か食べ物を分けてもらえませんか?
私の孫も 空襲で死んでしまってね。
孫の分まで あなたたちが食べなさい。
ありがとうございます。
<私は おばあさんやお孫さんに同情する余裕すらありませんでした。妹の千遥と生きるためにはどんなことでもしようと必死でした。自分が ずるいとさえ思ってもいませんでした>
大丈夫かな あの子。
あの子も そだけど少しは 夕見子や照男のことも心配して下さいよ。
えっ なしたの?
あなたは まだ 帰ってきてからあの子らとちゃんと向き合ってもないんだから。
ああ そだけど…何しろ 2年近くも会ってなかったからな急に あの子らが大きくなったみたいでどう接していいか分からないところあるな。
あの子らだって 寂しかったんだよ。
それなのに…。
君も反対なのか?本当は あの子を ここに置くこと。
いや そでないけど…。
あの子は 少し子どもらしくないっていうか。
そうか? 浮浪児なんかしてた割には素直な子だと思うけどな。
あなたには分かんないんだわ。
おい 富士子ちゃん…。
俺も寂しいよ。
知りませんよ。
ふ~じこちゃん 寂しい…。
わあ… きれい!
おい 何してる。
早く顔洗ってこい。はい。
♪~
冷たっ!
♪~
おいしい…!
♪~
こっち来い。はい。
かわいい!めんこいか?
おやっさん この子は?
新しい見習いだ。
へえ~。(泰樹)うちで働いてる戸村悠吉さんと息子の菊介じゃ。
お前の先輩だ。 挨拶すれや。
奥原なつです。 よろしくお願いします。
よろしく。なっちゃんか。 どっから来たのさ?
東京です。東京!?
ああ… どっか あか抜けてるもな。
昨日 お風呂入ったから。
でっかくなったらこのにいちゃんの嫁にならんかい?
はあ…。(菊介)おやじ やめれや。俺まで共倒れで嫌われるだろ。ハハハハハ…。
このにいちゃん まだ こう見えて18だ。
10歳も さば読むなって!気にしなくていいからな。
分かりました。
しばらくは そこで見てろ。はい。
おはようございます!
あっ 剛男さん!
よくぞ ご無事で。お帰んなさい。
悠吉さん 菊介君 ただいま戻りました。
いかったな。おやっさんも これで一安心だべ。
今朝は 寝坊して どうも…。今日ぐらい 休んでればいいんでないかい。
ここは大丈夫さ。そだよ~。
なんぼでも寝てればいいのに。富士子ちゃんの横で。
おやじ 子どもの前だ。
いや それより早く牛に また慣れてもらわないと。
大丈夫?
大丈夫です。無理しなくていいからね。
(泰樹)いるんなら ちゃんと働け。
(剛男)ああ… はい!
よ~し よし よし よし よし…。
(鳴き声)
♪~
(悠吉)おい! 何してんだ こら!
危ないべ。むやみに 牛に近づいちゃダメだ。
私も手伝おうかと…。
見てろと言ったべ。牛に蹴られたら 命なくすかもしれんのさ。
えっ…。
牛はな慣れない人間が近くにいるだけで緊張して 乳も出さんようになるの。
手伝うなら まずは牛と仲よくならんとな。
なっちゃん本当に無理しなくていいからね。
甘やかすな。
それが なつが踏み込んだ初めての酪農の世界でした。
なつよ もう こうなったら頑張れ!
(鳴き声)


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