油圧、空気圧技術の定義と相互比較
油圧技術、空気圧技術は、制御の容易な流体の圧力エネルギーに基づく動力伝達に関する技術であり、 各種機械や装置の自動化、省力化、高性能化などの要求に適合した技術として広く採用されています。
動力伝達媒体として、油圧技術は主に潤滑性に富む石油系作動油を、空気圧技術は主に入手の容易な 空気を 用いこれが技術分野の名称に関わっている。
動力伝達比較
項目 | 油圧 | 空気圧 | 電気 |
伝達能力 | 中 | 小 | 小~大 |
速度範囲 | 超低速から高速まで | 超高速も可。低速に不向き | 低速と超高速に向かない 直線運動に向かない |
応答性(トルク・慣性比) | 大 | 中 | 中~大 |
重量・スペース | 小 | 中 | 大 |
情報処理能力 | 小 | 中 | 大 |
その他 | -
エンジンを原動機にする場合に有利 -
作動油の保全が必要 -
油漏れ -
耐火性に劣る -
粘度変化の影響を生じる場合あり | - 共通空気圧の利用可
- 低コスト
- 防爆性
- 効率が低く、位置決め精度が悪い
- 潤滑面の配慮が必要
| - 電源があればよい
- 清潔
- 油圧に比べて応答性、重量で劣る
- 過負荷に弱い
- 電気接点の寿命が短い
- 電動機などの焼損
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油圧と空気圧の長所、短所
| 油圧 | 空気圧 |
長所 | - 無断変速が容易に行え且つ変速範囲が広い。(力、トルクを広い範囲に於いて容易に調節できる)
- 力、速度、位置などを正確に且つ高応答速度で制御できる。特に電子式情報処理と組み合わせると、優れた特性が得られる。
- 作動が確実であること。
- 動力伝達媒体自身が潤滑性に富んでいること。
- 構造や特性上の適度な柔軟性
- 過負荷に対する安全性
- 大出力の制御が可能であること
| - 使用圧力が一般であり、軽作業にてきする
- 気体の圧縮性のため、エネルギーの蓄積が容易であり緩衝効果がある。また高速作動や短時間に高出力が得ることが可能である。
- 配管や装置化が容易
- 過負荷に対する安全性
- 防爆性(発火性なし)
- 検出器や理論演算の可能性
- 戻り配管の必要性なし
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短所 | - 油洩れの発生
- 作動流体の保全の必要性
- 火災の危険性
- 戻り配管の必要性
| - 気体の圧縮性に基づき、位置決め精度や応答性が劣る
- 圧縮機まで含めた効率が低いこと
- 気体の潤滑性を補うため潤滑対策を要すること
- 圧縮気体中の水分(ドレン)の除去を要すること
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