「弾道ミサイル」日米断定 北朝鮮、安保理決議違反か

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2019/5/10 8:42 (2019/5/10 13:12更新)
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岩屋毅防衛相は10日の閣議後の記者会見で、北朝鮮が9日発射した飛翔(ひしょう)体について「短距離弾道ミサイルとみられる」との分析結果を発表した。国連安全保障理事会の制裁決議は北朝鮮によるあらゆる弾道ミサイルの発射を禁じており、決議に違反する可能性がある。停滞している米朝間の非核化交渉に影響を与え、緊張が一段と高まりかねない。

朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が9日に発射した飛翔体を掲載した=労働新聞ウェブサイトから

朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が9日に発射した飛翔体を掲載した=労働新聞ウェブサイトから

米国防総省も複数の弾道ミサイルだと断定した。国防総省によると、北朝鮮は米東部時間の9日未明に北西部から複数の弾道ミサイルの発射実験を実施。ミサイルは300キロメートル以上東方に飛行し、海上に落下したという。

岩屋氏は記者会見で、日本の安全保障に影響しないと強調しつつ「弾道ミサイルの発射は国連安保理決議に明白に違反し誠に遺憾だ」と北朝鮮を非難した。

これに先立ち、トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団に、飛翔体発射について「誰も喜ばしいとは思っていない」と不快感を示した。膠着状態にある米朝の非核化交渉に関し「彼らは交渉したがっているが、その準備ができているとは思えない」と語り、現状では再開は困難との見方を示した。「米朝関係は続いているが、様子をみてみよう」とも述べた。

シャナハン国防長官代行は記者団に「私たちは外交を続けるつもりだ」と述べ、米朝交渉の再開を支援する姿勢を示した。ただ「外交が失敗したときに備えた態勢はとり続ける」とも語った。

韓国軍によると、北朝鮮は北西部の亀城(クソン)付近から2発の飛翔体を発射し、飛行距離はそれぞれ約420キロメートル、270キロメートルだったと推定している。飛翔体の発射は4日に続くもので、北朝鮮が挑発行為を高めている格好だ。

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