トットナムも奇跡の大逆転！　欧州CL決勝初進出

　【ロンドン原田公樹】欧州チャンピオンズリーグ（ＣＬ）は８日、準決勝第２戦の残り１試合を行い、トットナム（イングランド）が敵地でアヤックス（オランダ）に３－２で逆転勝利。第１戦との合計を３－３として、アウェーゴール数で上回り、初の決勝進出を果たした。終了間際のロスタイムにルーカスがハットトリックとなる決勝点を決めた。１１年ぶりのイングランド対決となるリバプールとの決勝は６月１日にマドリードで行われる。

　ロスタイムに入って５分。トットナムは、ゴール前に走り込んだルーカスが左足を振ると、アヤックスＤＦ陣の足元を擦り抜けたボールは、ＧＫの手をかすめてゴール左下に決まった。２戦合計０－３から奇跡の逆転突破だ。敵地が静まり返るなか、ベンチからポチェッティーノ監督や控え選手らも飛び出して大喜び。場内の一角を占めたトットナムのファンと歓喜の声をあげた。この決勝点でハットトリックを達成したルーカスは「言葉が見つからない。チームメートや家族に感謝したい」と感無量の様子だった。

　ホームでの第１戦を０－１で落とし、この日の前半に２点を失った。だが、追い込まれたトットナムは後半に猛攻。ルーカスが同１０分、１４分に連続ゴール。パリ・サンジェルマン（フランス）では同じブラジル代表のネイマールの加入で先発の座を追われ、１８年１月にトットナムへ移籍。そんな男が、この日は負傷離脱中のケーンの代わりにセンターフォワードで先発し、見事にチームを初のＣＬ決勝へ導いた。

　ポチェッティーノ監督は「信じられない。選手みんながヒーローだ。ルーカスはスーパーヒーローだ」と目に涙を浮かべた。決勝は７日に３点差逆転の奇跡を演じたリバプールと対戦。「まだ時間はある。ちょっとリラックスさせて」と勝利の余韻に浸った。