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【千葉】

自主夜間中学の歩み ミュージカルに  東葛合唱団はるかぜが12日コンサート

上演に向け練習に取り組む市民ら=いずれも松戸市で

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 松戸市民らでつくる「東葛合唱団はるかぜ」の30周年記念コンサートが12日午後2時半から同市の森のホール21大ホールで開かれる。36年前、松戸市で産声を上げた自主夜間中学の歩みを描いた市民ミュージカル「歌物語『虹色のえんぴつ』」を上演する。 (林容史)

 「松戸自主夜中」はNPO法人「松戸市に夜間中学校をつくる市民の会」(榎本博次理事長)が一九八三年八月に開講した。戦後の混乱期に学校に通えなかったり、障害や差別で十分に教育が受けられなかったり、いじめなどで不登校になったり、外国籍で日本語が話せなかったりする人たちを受け入れている。これまでに約二千人が学んだ。

 脚本家の大門高子さんが夜間中学に通って脚本を練り、はるかぜの常任指揮者の安藤由布樹さんがオリジナルの十曲を書き下ろした。公募した市民を加え総勢百十人が出演。学ぶ喜びを味わい、生きる力を得て人生に踏み出す人たちの姿を歌と演技で表現する。全員で自主夜中の校歌を合唱する。自らも夜間中学で音楽を指導するはるかぜの団長太田幸子さん(73)は「誰もが学び直せる夜間中学の活動は尊い。この街のことを歌って伝えていけば、きっと何かを感じてもらえる」と話す。

 コンサートは三部構成で、第一部ではるかぜが合唱を披露、第二部は太鼓の演奏と民舞を発表する。第三部でミュージカル「虹色のえんぴつ」を上演する。

 はるかぜは一九八九年に結成。現在、四十~八十代の約四十人が活動する。二年に一度の定期公演のほか、障害者施設などを巡回している。これまでも不登校の少女の葛藤と希望を描いた「私は十五歳」、沖縄の平和を願った「この島に生きる」、東日本大震災の被災地の福島県南相馬市で演じた「僕らの出番がきっとくる」などの創作ミュージカルを発表している。

 入場料は前売り大人千五百円、中高生八百円、小学生以下と障害者は五百円。当日は二百円増。森のホールチケットセンターで販売中。問い合わせは太田さん=電090(7821)1127=へ。 

自主夜間中学のミュージカルをPRする団員たち

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