自転車レーンの走行はやはり安全
自転車レーンの思わぬリスクが指摘されているのだが、別の研究ではこれに真っ向から反対する結果が報告されている。カナダの都市部の道路ではやはり自転車レーンがあったほうが安全であるというのだ。オーストラリアとカナダ、あるいは郊外と都市部では自転車レーンが持つ意味が違ってくるということになるのだろうか。
カナダ・ウォータールー大学の研究チームが2019年3月に「Accident Analysis & Prevention」で発表した研究では、センサーやカメラを装備した自転車で収集したデータを分析して、自転車レーンは安全性の向上に役立っていることを報告している。
自転車が走ったのはカナダのオンタリオ州南西部の都市・キッチナーからウォータールーまでの都市部の道路で、2レーンの道路もあれば4レーンの道路もあり、自転車レーンがある道路もあれば自転車レーンがない道路もあり、走行距離は合計して数100キロに及んだ。
研究チームはサイクリストが自動車に追い越される時の横方向の車間距離が100センチ以内を“危険”と定義してデータを分析したところ、自転車レーンが安全に寄与していることが突き止められたということだ。
具体的には2車線で自転車レーンがない道路の場合、危険な追い越しは12%で、自転車レーンがあるとなんと0.2%にまで減少した。一方で4車線で自転車レーンがない道路の場合、危険な追い越しは6%で、自転車レーンがあると0.5%にまで減少した。
「ドライバーはサイクリストを怖がらせようとしているわけでもなければ、思いやりに欠けているわけでもありません。多くの場合、道路の形状や他の車両との距離の兼ね合いで、じゅうぶんなスペースを空けることができないと感じているだけです」と研究を主導したブルース・ヘリンガ教授は語る。
ドライバーは自転車に近づこうとしているわけではなく、反対画の空間のことも考えて結果的に自転車に近づいてしまうケースがあるということになる。したがって自転車レーンが区分されていたほうが迷うことなく自転車を追い越せるということになるのかもしれない。カナダの都市部では自転車レーンが有効に機能しているようだ。