『荒野のコトブキ飛行隊』アプリゲームをプレイ! 戦闘機バトル、考えられてるわ〈PR〉
『荒野のコトブキ飛行隊』のアプリゲームが配信になりました。アニメ本編は、魅力的な美少女たちの駆る飛行機の挙動や描写のリアルさがウリのひとつですが、アプリゲームではどう表現されているのでしょうか。
レシプロ戦闘機の描写がアツすぎる、アニメ『荒野のコトブキ飛行隊』
往年のレシプロ戦闘機がスマートフォンで蘇る――2019年2月13日(水)、バンダイナムコエンターテインメントはスマートフォン向けアプリゲーム『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』の配信を開始しました。
1月より放映、配信が開始された『荒野のコトブキ飛行隊』は、どこか西部劇を思わせるどこまでも荒野が広がる世界において、狼藉を働く賊から空路を往来する商船(飛行船)を護衛する、美少女戦闘機乗りの活躍を描いた空戦アクションです。
主人公「キリエ」たち6人からなる、コトブキ飛行隊メンバーが搭乗する戦闘機は、かつて日本陸軍の主力戦闘機として太平洋戦争に投入された中島飛行機製、一式戦闘機一型「隼」がモデル。物語中でもそのまま「隼」の名で呼ばれています。彼女たちは、「隼」最大の特徴である「軽快さ」を武器に戦います。
ミリタリーファン納得の描写
本作『荒野のコトブキ飛行隊』最大の特徴は、「戦闘機の描写へのこだわりが凄まじい」という点にあります。筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)は仕事柄、パイロットを含め戦闘機好きの友人が少なくないのですが、総じてべた褒めし、大好評を博しています。
好評の理由は、「飛行機がちゃんと飛行機の動きをしている」という点に集約されます。エンジン始動から各種の操縦操作、小さな舵の動きも見事に再現されているだけでなく、キリエらコトブキ飛行隊メンバーは、片方の主翼だけ失速させ素早くロール(横転)する「スナップロール」や、瞬間的に減速し相手をかわす「木の葉落とし」などをはじめ、地球の引力を利用し高度を下げつつ加速し敵を追撃するなど、現実に可能な技を空中戦闘機動(エアリアルコンバットマニューバー)として使用するのです。その動きは映像作品としての迫力を損なわないようにしつつも、現実に「空気のなかを飛んでいる」ことを実感させる演出がなされています。
たとえば、高いGをかけた旋回を行えば、アルミニウム合金製の主翼がしなり、悲鳴のような音を出し、外板の表面を伝う空気流が乱れる音がします。さらには、おそらく実銃のそれを参考としたと思われる、7.7mmや12.7mm機関銃の発砲音の違いまで表現。
このように、アニメ『荒野のコトブキ飛行隊』からは、メカニカルな部分、戦術的な部分、そして音響に至るまで、あらゆる表現が、戦闘機を“カッコよく見せる”ために配慮されていることが伝わってくるのです。
劇中に登場する、ライバルたちが使用する機種も、基本的に日本が開発した戦闘機をモデルとしており、「零戦」「鍾馗」「飛燕」「雷電」「紫電」「彗星」ほか、名機が勢ぞろい。たとえば「雷電」ならば、大パワーを発揮し活躍するシーンなどは特に印象的だといえます。
空を飛ぶことを何よりも愛する魅力的なキャラクターたち、そして同じだけ飛行機を愛しているであろう、製作スタッフたちによる徹底した「こだわり」は、本作を飛行機に詳しい人からそうでない人たちまで幅広い層に、「純粋な飛行機の美しさ」を感じさせるアニメ作品として完成されています。
アニメの魅力をどう再現? アプリゲーム版『荒野のコトブキ飛行隊』
ゲーム『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』は、アニメと世界観を共有した「レシプロ空戦RPG」。ゲームのおおよその流れは、コトブキ飛行隊のメンバーを含む合計30名の女の子たちのなかから「パイロットを雇用」し、「2機の分隊(ペア)3個からなる6機編隊の飛行隊を編成」「飛行隊を出撃させ空中戦」、戦闘の結果得たアイテムなどによって「戦闘機の性能強化または新機種開発」「パイロットの育成」といった内容になります。
筆者もさっそくダウンロードし、プレイしてみました。実のところ、スマホのゲームは何年もご無沙汰しているビギナーであるものの、チュートリアルが充実しているため、どのようなゲームであるかはすぐに理解できました。
空中戦は、3DCGで表現された敵味方6対6、すなわち12機の戦闘機が入り乱れるドッグファイトで、4年落ちのスマホでもその動きは非常にスムーズ。個々の空中戦など「戦術レベル」においては、彼女たちが自分の判断で戦うため、パイロット固有の得意技「特殊スキル」を実行する指示を除けば、プレイヤーが直接、操縦することはありません。
それでは、プレイヤーは何をするのかというと、パイロットや機材を管理する「司令官」的な仕事が中心です。そして本作の面白味は、この「戦略レベル」における奥の深さにあるといえます。
パイロットはそれぞれ、「攻撃型」「補助型」「回避型」「機動型」の4つの行動タイプをはじめに、得手不得手、様々な特性を持っています。さらに戦闘機も「零戦二一型」は火力が高いが装甲薄め、大型戦闘機である「屠龍」は旋回性能が低いものの耐久性に優れる、といった実機のイメージに近い特徴づけがされており、パイロットにどの機種を割り当てるかはプレイヤーの任意ですが、それぞれが得意とする操縦機種も異なっています。
実際の編成例を紹介してみましょう。以下、話を分かりやすくするため敵味方2個分隊同士(4対4)で戦うとし(ゲーム内では必ず3個分隊同士)、敵飛行隊に強力なエースパイロットがひとり存在するとしましょう。
こちらの第1分隊は打撃に特化。攻撃型パイロット「キリエ」を火力の高い「零戦二一型」に乗せ、機動型の「エンマ」を旋回性能に優れた「九七式戦闘機」に乗せて支援を担当させるとします。エンマは同じ分隊僚機(キリエ)の能力を底上げするスキルを持ちます。
第2分隊は守りに特化。防御力が高い回避型「ザラ」を頑丈な「屠龍」に乗せ、補助型の「レオナ」を「隼一型」に乗せます。レオナは僚機(ザラ)を囮として敵に狙わせるスキルや回復スキルを持ちます。
そして、強力なエースパイロットの存在する敵分隊には、防御に特化したザラとレオナの第2分隊をぶつけ、弱小な敵分隊には、火力に特化したキリエとエンマの第1分隊をぶつけるよう配置し出撃します。
いかに強力なエースパイロットであろうとも、硬い「屠龍」に乗ったザラと、それを囮として立ち回りダメージを回復してしまうレオナのふたりを撃ち落とすには、時間が必要となるはずです。一方、攻撃に特化したキリエとエンマの第1分隊は、弱い敵分隊を早々に撃墜してしまうでしょうから、すべてがうまくゆけば、終盤は4対2の数的優勢に持ち込めます。こうなってしまえば、あとは勝ったも同然です。
「操縦」ではなく「采配」
飛行隊の戦力は「40000」「50000」といった数値として可視化されていますが、これは単に、パイロットや戦闘機の能力から機械的に計算されたものに過ぎず、3個分隊6機編成の飛行隊をいかに構成するか、というプレイヤーの「采配」がものをいうことになります。
たとえば、人間のプレイヤー同士がランキングを競い合う、「順位戦」における筆者の飛行隊総戦力は、原稿執筆中において「50328」。そしていましがた、こちらに戦いを挑んできた相手の総戦力は「54483」でした。通常、これだけ数値が離れていると一方的な展開となりますから、相手は勝利を確信し攻めてきたに違いありません。
しかし我が麾下の優秀なパイロットたちは、見事な連携でこれを撃退しました。圧倒的優勢な相手を撃退した後に、パイロットの女の子たちと飲む勝利の美酒はまさに格別。こうした戦略手腕に、ゲームの面白さを見出すことができるといえます。
空中戦、リアルすぎるとつまらない?
「空中戦」を何らかの形で作品化する場合、どこかで「抽象化」する必要があります。極限までリアルさを追求すると、「敵はゴマ粒大にしか見えない」「敵も味方も分からないので同士討ち多発」「統計上、弾は数万発に1発しか当たらない」「天才的なエースでさえ撃墜は誤認の方が多い」「2時間のパトロール任務を10回も飛行したのに一度も敵と遭遇しない」「11回目のパトロール中、油断していたら突然撃たれ、訳も分からないまま墜落」という、実につまらないものになるからです。
アニメが、リアルさと作品としての面白さを高いレベルで融合させているのと同じように、ゲームの『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』もまた、「レシプロ空戦RPG」をうたう戦闘機ゲームとしてのリアルさと面白さを、うまく調理できていると感じました。
本作のプレイは基本無料。優秀な(もしくは好みの)パイロットをたくさん集めたい場合や、強化アイテムがたくさん欲しい場合のみ、課金が必要となりますが、ゲームプレイに必要なものは、いずれもストーリーを進めることで手に入ります。まずはダウンロードしてみるのはいかがでしょうか。
●ゲーム『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ』公式サイト
https://kotobuki-game.bn-ent.net/
●アニメ『荒野のコトブキ飛行隊』公式サイト
https://kotobuki-anime.com/
●バンダイナムコエンターテインメント
https://www.bandainamcoent.co.jp/
【了】
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。