@chablis777  
シャブリ

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♪~
(なつ)アニメーションって何でもできるんだね。
無理だよね そんなの。
私が そんなところに行けるわけがないわ。
酪農だって 中途半端なのに。
うん… 私ができるわけがないアニメーションなんて。
(天陽)なっちゃん…。うん?本当は行きたいんだべさ?
ハハ… 無理 無理 無理 無理!
ハハハ…。
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
(妙子)はい お待たせしました。
コーヒーと紅茶ね。 はい どうぞ。
(雪次郎)映画 行ったんだって?うん。
やあ。
(雪之助)やあ 2人ともちょうどいいところに来たね。
今朝から 雪次郎と2人で新しいお菓子 作ってたところです。
あっ バターを使ったお菓子?そう そう そう そう そう。
これが 雪月の新商品バター煎□!バターせんべい?
(雪之助)まあ ビスケットみたいなもんだな。
あっ! これ ミルクバケットの形してる。
そう! よく気付いたね!
いや 気付かれなかったら失敗しょ?そうだな ハハハ…。
コーヒー 紅茶に ちょうどいかったわ。
頂いても いんですか?どうぞ どうぞ どうぞ。
まだ売りもんじゃねえけどたくさん作ったから。
ほら この前 学校で作ったあのバター使ったんだわ。
ああ。天陽君も!頂きます。あっ 頂きます。
どう?うん おいしい!
(雪之助)天陽君は?おいしいです。
よかった ハハハ…。
おい 雪次郎 ほかのテーブルの方にもおすすめして。あっ はい。
これはね なっちゃん地元の銘菓にしたいんだよ。
めいか?そう。
帯広に来た人がさ みんな これを買って帰るようなお土産にしてねこれ食べたら みんなが帯広の風土を思い出せるようなそんなお菓子にしたいんだ。
だから 地元のバターにこだわってるんですね。
そのとおり。 天陽君の絵と同じだ。
(雪之助)ここで生きてなければ作れないものにしたいんだ。
このお菓子を入れる缶も考えてあるのよ。
おお~ ハハハ そう そう そう…。
これ おふくろのアイデアでね。
(とよ)これは柴田のじいさんなら分かると思うよ。
じいちゃんとも関係あるんですか?
その昔 明治の頃に 十勝を切り開いた依田勉三さんという人がいました。
その人が晩成社という開拓団を率いていたのね。
とよばあちゃんの知り合い?知り合いじゃないけど同じ帯広にいたからね。
あんたのじいちゃんは会ってたんでないかい。
その晩成社が バターを作ってたってじいちゃんから聞きました。
そう! そのバターの缶がこんな感じだったのよ。
ふ~ん。
雪次郎!
はい。
これ じいちゃんに持ってってやって。
いいんですか?(とよ)うん。ありがとうございます。
(とよ)はい。喜ぶと思います じいちゃん。
「開拓者の郷」…。
そう これが商品名だ。
つまり 十勝の歴史を今に伝えて今の十勝の新しいバターを使ったお菓子というわけだ。
すごい…。
売れるかね?売れますよ。
材料費も いくらかかるか分からないのに。
大丈夫だ。 バターのことならなっちゃんと相談してやっていくから。ね。
あっ… はい。
俺は 東京に行かされるしな。
期待してるよ なっちゃん!
はい。
なあ なっちゃん。うん?
じいさんに相談してみればいいんでないか?
バターのこと?違うよ。じゃ 何のことさ?
東京に行くこと。
どうして?
どうしてなんて… 自分で考えろよ。
お兄さんも 向こうにいるんだし柴田家の人もダメとは言わないんでないか?
行きたいなんて言ってない!
だったら行くなよ。
♪~
俺 今度 スキー大会出るから。
えっ?開拓青年団の。
出るの? スキー持ってたの?
うん… 板につける金具はあるけど板はない。
自分で作るわ。
えっ!ハハハ…。
大丈夫なの?大丈夫さ ハハハ…。
作り方 知ってるの?知らん。
はあ?ハハハハ…。
どう?(悠吉)うん うまいよ!
でしょ。(菊介)うまいけど これ 煎□なのか?
洋風の味だな。バター煎□なんだから 洋風でいいのさ。
ビスケットで いいべさ。あっ ビスケット知ってんだ。
バカにすんなよ おい。
こんなふうに 帯広のお菓子屋さんがバターを買ってくれるようになればここで バターを作っても無駄にはならないんじゃないかな。
けど 雪月さんは変わってるからな。
ほかの店はバターより 小豆が中心だべさ。
これから 変わっていくと思う。
洋菓子が増えていくよ。
(菊介)みんなに バターを売ったら雪月が怒るべさ。
どうして?(菊介)雪月が特別でなくなるべ。
雪之助さんはそんな心の狭い人じゃないよ。
分かんねえよ。
会ったことあんのか?会ったことはねえ。
ハハハ…。なら 分かんねえべ。
だから 分かんねえって言ってるべ。はあ?
(泰樹)なつ。ん?お前と照男に任せる。
2人で考えてやれ。
照男兄ちゃんと?うん。
今日 天陽と 映画行ったのか?うん。
あっ 天陽君 スキー大会出るんだって。
おお 出るか!よし この菊介さんが教えてやる。
本当?(菊介)おう。
(富士子)ちょっと いつまで休んでるの?
はいはい…。富士子さん こけたね 今ね…。
照男も スキー大会出る。
(照男)えっ?何?
照男 出るべ。
おっ 照男君と天陽君の戦いかい!
(菊介)だったら 俺は 照男君の味方だ。子どもの頃から 俺が教えてきたからな。
天陽君は 敵じゃないべさ!
(菊介)いや 照男君が出る以上は敵だ。
なつ 牛が待ってるよ。
あっ うん 分かった。
♪~
もし なつが そのこと知ったらどうなるんだろう。
(剛男)そのこと?
照男のことよ。
ああ…。
もし…。
もしもよ 照男に その気があってなつは じいちゃんのためを思って私たち家族のためを思ってそれを 断れないと思ったとしたら…それは 2人にとって 残酷な話よね。
なつは 天陽君のことが好きなんだろか?
分からない…。
もし そうじゃないとしたら照男のことを好きになる可能性なんてあるのかな? 本気で。
そうなってもらいたいの?
君は どうなんだ?
もし そうなったら 反対か?
私は…。
今のまんまがいい。
ずっと 今の家族でいたい。
♪~
お兄さんも 向こうにいるんだし柴田家の人もダメとは言わないんでないか?
行きたいなんて言ってない!
だったら行くなよ。
♪~
これ 使え。えっ 買ってきたの?
(泰樹)そだ。あっ! ずるい!
何が ずるいんだ?天陽君は 板を持ってないから自分で作るんだよ。持ってないのか?
うん。パチンコもねえのか?金具だけはあるって。
(夕見子)ハハハ…それじゃ 勝負にならんわね。
(明美)あっなつ姉ちゃんの貸してやれば?
ダ~メ!自分で作った方が かっこいいっしょや!
(明美)うん かっこいい!
勝てばいいんだ。えっ?
勝った方が かっこいいべ。
そして スキー大会の日がやって来ました。
見て!
イエ~イ!
何ですか? 大事な話って…。
うん… なつのことだ。
なっちゃんが どうかしたんですか?
お前… なつのこと どう思ってる?
えっ?
好きなのか?
なしてですか?
答えろよ。
なつよ 何だか妙な雲行きになってきたぞ。


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