「はい、元気です」。小学生の頃、朝礼の出欠確認で先生から名前を呼ばれると、大きな声で返事をしていた。学級担任は、出席や欠席、遅刻の把握とともに、児童の声を聞きながら表情や顔色をチェックするという

▼10連休が明け、久々の学校生活に不安を抱えている子もいる。専門家は、学校に行きたくないという相談や体の異変を訴える場合は「周りの大人が子どものサインをくみ取り、さりげなく悩みを聞くことが大事」と指摘する

▼5月は「風薫る」爽やかなイメージだが、元気のない暗い表情を浮かべるのは子どもだけではない。就職や進学で新生活をスタートしたが環境になじめず、やる気をなくすなどの症状は「5月病」と言われ、連休明けに増加するようだ

▼元気の源は人それぞれだが、わが身を振り返れば、さまざまな出会いや気にかけてくれた人たちの言葉で元気をもらってきた

▼入社当時から飲みに誘ってくれる先輩は、二次会のカラオケではいつも吉田拓郎さんの「元気です」を歌う。世代は少し違うが、何度も聞かされているので、今では熱唱できる

▼歌詞は4番まであり、春夏秋冬のストーリーがある。1番目は「一年目の春」から始まる。誰かと触れ合い、焦らずに季節を重ねれば歌詞のように思えるはず。「そうだ 元気ですよと 答えよう」と。(吉川毅)